謎のカスタマーセンター

■ペンネーム「親切人」さんからの投稿です。

 私は会社の受付にいます。時々、外線電話の取次ぎをすることがあるんですが、ある日、珍妙なやりとりをしたことを思い出したので投稿します。
 
私 「○○会社、番号案内です」
相手 「○○さんお願いします」(上品そうな女性の声で・・・)
私 「○○の所属か内線番号はご存知でしょうか?」
相手 「いえ、分かりません」
私 「ご用件は、公用ですか私用ですか?」
相手 「私用です」
私 「私用のお電話はお取次ぎできかねますが・・・」(我社のルールなんです。これ、ホント)
相手 「そうですか・・・」(少し、困った様子)
私 「ご家族の方ですか?」
相手 「ええ」(嘘つけッ!家族が所属を知らんわけねえだろが!)
私 「急用ですか?」
相手 「そうなんです」(まだ言うか!)
私 「それでしたら、本人より折り返しご連絡差し上げるようお伝えしますので、連絡先をお願いします」
相手 「0000-0000-0000の○○です」(ちゃんと、教えてくれた。珍しい。でも、怪しい)
私 「承知いたしました。○○にお伝えいたします」
相手 「お願いします」
私 「失礼いたします」
 
 ここまでは、まあ良いんです。問題はこの先です。(前置き、長っ!)
 
 我社の○○を名簿から検索しました。しかし、もう退社してたんです。1ヶ月ほど前に・・・。
 で、根っからの親切な私はさっきの電話の彼女にその事(○○が退社してもう我社にいないこと)を教えてあげないといけないと思い電話をしました。本当に急用だったらいけないと思ったし・・・。
 
相手 「○○カスタマーセンターです」
私 「何ッ・・・?」(若い男の声。おまけに○○カスタマーセンターだって?)
私 「○○さんお願いします」(電話をかけてきた女性のこと)
相手 「どちら様ですか?」
私 「先ほど、お宅の○○さんという女性からお電話をいただいたんですが・・・」
相手 「その者はこちらにいませんが」
私 「それでは、伝えてください・・・」(○○は既に退社して当社にはいない旨を○○さんに伝えてほしいと告げた)
相手 「ご本人様でないと、お伝え出来ません」
私 「はあぁぁぁ??????」(本人がいないと言ってるのに)
本人がいないのにどうやってですか?
相手 「それでは、そちらの電話番号を教えてください」
私 「(再び)はあぁぁぁ??????」(あんたんとこの女が掛けてきたんだから知ってんジャン!)
「あのですねぇ、お宅の女性が掛けてきた番号ですから知ってるんでしょ!!」(もう、あきれ返っている私)
相手 「・・・」(気づいたか? )
私 「ですから、こちらの番号を言うつもりはありません」(きっぱり!)
 
 何のつもりか知らんが、こちらの電話番号を聞き出したいのかなぁ・・・?
 
相手 「でも、また掛けるかもしれませんよ」(だから、番号は知ってるの?)
私 「ええ、どうぞ。いくらお掛けになっても○○は退社したとしかお伝え出来ませんよ」
 ガチャ!!
 
 なんか、変な電話でした。

■・・・確かにヘンです。おもしろすぎます(笑)。
 
 最初に電話をかけてきた女性が、ウソの電話番号を教えたという可能性もありますが、○○カスタマーセンターの男性の様子をみる限り、電話番号は正しかったような気がします。
 ○○さん(電話をかけてきた女性)という名前に心当たりがなかったのか、○○さんの業務が基本的に発信専門で、外部からの電話を受ける立場になかったのか。どちらにせよ、その男性は、自分の会社の人間が何かの勧誘電話をかけていたことを認識しているように思えます。
 
 で、一番の突っ込みどころ
「ご本人様でないと、お伝え出来ません」
 これって、勧誘電話にターゲットの家族が出た時の、テレアポの常套句ですよね・・・。
 
 いやもう、「親切人」さんのおっしゃるとおり、「本人がいない」って伝言、どうやって本人にしろというのか。まるで、ほら、
「欠席している人、手を上げて」
 ・・・ジョークにしても、ベタすぎですが。
 
 たぶん、電話をかけてきた女性に電話を取り次ぐのを断ろうとして、ついついいつもの使い慣れたフレーズを言ってしまったんじゃないかと思います。
 恐るべし! テレアポマニュアル!
 電話番号を聞いたのも、そのあたりの脊髄反射なんじゃないでしょうか。
 
■もしも、「ご本人様でないと、お伝え出来ません」に、突っ込まずに
「それが、○○はいないのですが・・・」
 と、答えてしまったら・・・
 
男「それでは、お伝えいたしかねます。何時ごろお帰りでしょうか」
 
 ・・・あれ?

(2005.11.30)