沖縄の食生活

普段の食べ物
 私が沖縄在住ということで、みなさんにご心配いただくのが「食生活」のことです。
 沖縄と言えば「ゴーヤー」「とん足(てびち)」「うみへび(イラブー)」などなどの沖縄で有名な食べ物や、色とりどりの熱帯魚のような魚たち。
 さぞかし、慣れぬ食べ物に困っているのでは・・・というのが、皆さまにご心配頂く理由のようです。
 では、沖縄の人々は、日頃どのようなものを食べているのでしょう。

 まず、沖縄のスーパーマーケットなどへ行くと、やはり本土とは異なる食材が数多く並んでいます。
 野菜類などでは、おなじみの「ゴーヤー(にがうり)」をはじめ、「へちま(なーべらー)」や「にが菜」「田芋」「紅いも」など、また肉類では「とん足(てびち)」や「豚耳の千切り(ミミガー)」、魚類では「あいご(カーエー)」「ぶだい(イラブチャー)」などなど、本土ではあまり定番とは言えないようなモノが、各売り場の主役として鎮座している光景もごくあたりまえの事です。

 かといって、沖縄の人たちが、常にそのようなモノばかりを食べているかというと、決してそうではありません。
 野菜類も本土で売っているものは、ごく普通に置いてありますし、魚類も「サンマ」「アジ」「サバ」「鮭」など、一般的な魚達も数多く置いてあります。
 肉類はといえば、「沖縄=豚肉」というイメージがありますが、戦後、アメリカの占領下におかれていたせいか、アメリカンビーフなども広く浸透していて豚肉に負けないほどに食べられていないようです。
 沖縄独特の食材も使いつつ、ごく普通のものも取り入れ・・・という感じですので、これから転勤などで沖縄に赴任されてこれれる方も、それほど食べ物については心配されることはないでしょう。

外 食
 また、これもアメリカ統治時代の名残か、沖縄ではファーストフード店が非常に多く見られます。
「マクドナルド」「モスバーガー」「ロッテリア」「ケンタッキーフライドチキン」など、本土でもおなじみのものに加え、「A&W」「Jef」など(おそらく)本土ではあまり見かけないお店もあり、これらのお店は

:屋根付き駐車場の車の中まで、商品を運んでくれる

という、いかにもアメリカ式といったシステムが特徴となっています。

 一方、沖縄であまり見かけないのは「ファミリーレストラン」です。
「すかいらーく」「ロイヤルホスト」「デニーズ」などのチェーン店も見られませんし、かといって沖縄独自のファミレスもあまり見かけません。
 ただし、ステーキハウスは「観光客向け」から「地物の方々御用達」の店まで、かなりの数があるようです。

 そんななかで、沖縄で非常に目につくのは「移動パーラー」です。
観光地をはじめ、大きな緑地公園、運動公園などなど、人の集まるところには、必ずといっていいほど、「移動パーラー」が出ます。
中古の廃バスなどを使った固定式のもの、小型トラックなどを使った本当に移動式のものなどなどさまざまですが、飲料水、アイスクリーム、スナック、軽食などをそろえており、気軽に利用できる手軽さがうけているようです。

また、どこにでもあるのが「そば(沖縄そば)屋」です。
一口に沖縄そばといっても、地域地域でいろいろと違うようで「那覇そば」「宮古そば」「本部そば」などなど、地域別にいろいろとあるようです。
これに反し、ラーメン屋などは本土に比べると、やや少なく、うどん屋、日本蕎麦屋などはなかなか見かけません。

弁 当
沖縄では、弁当屋が非常に目立ちます。
弁当屋といっても、いわゆる「ホカ弁」の事ではなく(「ホカ弁」もたくさんありますが)、昼休みだけやってくる、移動式の弁当屋のことです。
ビジネス街や工場地帯、倉庫街などを中心とした場所には、お昼時になると、どこからともなく「ワゴン車」などに弁当を満載した弁当屋がやってきて、迷うほどの種類の弁当を売っています。
弁当とはいっても、パッケージなどには飾り気がなく、一体どこの誰が作っているのかも分からないような(もちろんキチンとした業者が作っている)ものですが、中身はといえば、ボリュームたっぷり、おかずの品数もたっぷりで、小食の方は食べきれないほど。
店によっては「ミニ沖縄そば」が付いていたりして、これで400〜500円ですから、安いものです。
沖縄に何度か来られているリピーターの方は、たまにはこんな食事を味わってみるのはどうでしょうか。