アイスクリーム・シャーベットのめんどうな理屈


1.はじめに

 



2.なめらかさと甘さ



3.エージング


3.例題

  1.  それでは、イチゴのシャーベットを例に、材料の配合を考えていきましょう。ちゃんと計算して、それをいかに崩していくかという過程の実践です。材料のイチゴによって甘さが異なるので、砂糖の量は実験のための一応の目安です。本当に作るときには、味を見て加減することがどうしても必要となります。凍らせてから食べるのですから、ちょっときつめの味に整えなければなりません。

  2.  イチゴだけをミキサーにかけて、ジュースを400cc作ります。全く水を入れないとミキサーが回りにくいですが、実験ですから、箸でつついてがんばって作ります。イチゴの固形物は多くても15%以下ですから、60gほどの固形物があることになります。これに、砂糖85g(340÷0.7−400)を加えれば、確かに、固形物の割合は揃います。タネを味見すると、明らかに甘すぎるので、レモン汁を加えてバランスをとります。酸味が加わると急激に甘さを感じなくなるので、バランスはとれるはずです。しかし、これをそのままどんびえすると、甘酸っぱさだけが先に立ち、イチゴの風味はあまり感じられません。また、繊維質が多いからでしょうか、すこし、なめらかというよりもっちゃりした仕上がりとなってしまいます。

  3.  では、はじめに水を200cc加えて、ジュースを作ってみましょう。ジュースの仕上がりは600ccになります。砂糖は、計算するとなんと170g。味見してレモン汁で味を調えて、どんびえすると、なぜかどぎつい甘酸っぱさは多少押さえられましたが、イチゴの風味はまだまだ希薄です。イチゴの風味強化のため、イチゴのリキュールをたっぷり、ジュースの5%、30ccほど加えます。リキュールの固形物に期待して、砂糖も100gまで減らしましょう。レモン汁も砂糖に合わせて減らします。これをどんびえすると、なかなか結構な味です。なめらかさも、十分です。これで満足してもいいのですが、どことなく「高級な市販品」という雰囲気があって、もっと素直にイチゴを楽しみたいです。

  4.  そこで、水の量を100ccまで減らします。砂糖は、思い切って60gでレモン汁とともに味を見ながら加減、リキュールは20cc・・・・とこれでご紹介した分量になりました。ちょっとさっぱり目の仕上がりですが、デザートにならちょうどいいでしょう。一つの例が出来ました。

  5.  最初に帰って、水を全然加えないで作ったジュースに、味を見ながら、今度は味を調える上で最小限の砂糖とレモン汁と、これまた少々のリキュールで作ればどうでしょう。これがまた、いけます。イチゴの自然な風味が一番生きています。砂糖を減らしたので、最初の例で感じたもっちゃり感はなくなりました。独立したお菓子としては、むしろこちらがいいかもしれません。水全然なしだとジュースにしにくいので、ジューサーが回る最小限の水と、味の上で最小限の砂糖と、レモン汁と、リキュール。この組み合わせも一つの例となるでしょう。


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