番号 ID 登録日付 バイト データ名
22 HCA02143 95/04/29 50176 Lhermitte-Duclos.micro.JPEG
21 HCA02143 95/04/26 38528 Lhermitte-Duclos.ope.JPEG
20 HCA02143 95/04/26 43648 Lhermitte-Duclos.MRI.JPEG
ONE & ONLY CLUB 小川敏治/KGF00205
MRI像
手術所見
病理所見
天笠先生がアップされた下記のLhermitte-Duclos病のMRI画像、手術所見、病理所見
画像データについての講義及びそれに対する質問(井出先生)の議事録です。
番号 ID 登録日付 バイト データ名
22 HCA02143 95/04/29 50176 Lhermitte-Duclos.micro.JPEG
21 HCA02143 95/04/26 38528 Lhermitte-Duclos.ope.JPEG
20 HCA02143 95/04/26 43648 Lhermitte-Duclos.MRI.JPEG
ONE & ONLY CLUB 小川敏治/KGF00205
黒木さんにばらされてしまったので名前だけ出てきましたが、今年
2月世にも希な症例と思われるLhermitte-Duclos病を経験し、4月
はじめにすでに山形の地方会ですが、発表しましたので、ここの参
加者のみなさんにお見せしたいと思います。この患者さんの経験は
このニューロネットが始まったころに一致し、こういうところに症
例を報告する意味を考えるにもちょうどいいと思いますので。<意
味>は何度もいうようにあると思います。山形の1地方で経験され
た症例をほぼ同時に全国のみなさん(少なくともこの会議室をチェ
ックしている人)にお見せできる。議論もする気になればできる。
井出さんがわたしのgerminoma?のmal.lym.にコメントしてください
ました。盛り上がりませんでしたが。論文の方がいいに決まってい
るが、地方会同等のことが、こういう形式でも出来るということが
重要と思います。<意味>はない、やめろ、問題だというかたには
コメントしてほしいですが...
症例 52歳女性
家族歴;母 46歳乳癌で死亡
既往歴;H1とH3 慢性閉塞隅角緑内障で当院眼科で手術
H1 虚血性心疾患で当院内科に入院
現病歴;
H5春頃から軽くふらつきがあったが放置していた
H7はじめからふらつき、歩行障害が進行して来院した
現症;
頭囲66cm
意識清明、麻痺なし
左小脳症状、躯幹失調
視力 右0.3 左0.4
眼底 視神経萎縮
これ1枚目のスライドです。患者さんは自分から脳腫瘍じゃないか
と思って私の外来にやってきました。平成1年からうちの病院がか
かりつけというのになんということか。慢性的な頭囲拡大があるよ
うでした。(発言252以来Key Wordは頭囲拡大です。黒木さんの病
院にいかなかったのは、単に当院の眼科がかかりつけだったからで
す。)CTでは低吸収域のmassであまりenhanceされなかったので
low grade astroじゃないということで、手術してしまいました。
(専門医とも思われない間ぬけな...)MRIと手術所見をデータライブ
ラリにupします。以後の解説は次回....
HSNOOPY/ qb8m-amgs@j.asahi-net.or.jp
amagasa@st.rim.or.jp
377/ 415 MXC04352 井出 勝久 ついに出ましたか
(20) 95/05/01 17:58 372へのコメント
秘蔵の症例がついに出ましたね(^^)
>論文の方がいいに決まっているが
論文とは別種のmediaでしょう.立派なdigital publishingですね.
そういえばきのう本屋をのぞいたら例のBNNのMEDIA FRONT をはじめ
Internet 関係の雑誌が数種類平積みになっていましたね.力強いtrendを感じます.
活版印刷の発明以来数百年ぶりのmedia革命が始まっているわけです.
>地方会同等のことが、こういう形式でも出来る
その場限りで消えてしまう学会よりよっぽど有意義でしょう.
ところで数日前の朝日新聞に,考古学の分野でも研究にInternetを活用しようという
機運が高まっているとか出ていましたね.
発掘してから報告書が出るまで数年かかるそうですが, net上で巨大データベース
をつくって活用したらということらしいですね.
日夜脳ミソを発掘しているわれわれの世界でもこういうの有用なんじゃないでしょうか.
ただ相手が生きている人間ということで配慮が必要でしょうが.
経験の共有化というか人智の統合というか,論文書いて業績になんて言う
レベルの低い動機とは無縁な方向に発展してほしいものです.
ただ望むらくはこの新しいmediaで旧来の(無意味な)権威主義がのさばってほしくない
と思っております.
とこ ろでかんじんの症例ですが,いつも勉強させてもらってすいません(^^;
commentするにも勉強しなきゃと,Rubinsteinの教科書をちょっと開いてみましたが
要するにanomaly,hypertrophy,tumor の3つの境界に位置するような疾患なのですね.
hamartomaの様なものと思っていましたので当たらずといえども・・というところでした
.
>low grade astroじゃないということで、手術してしまいました
shunt だけでも良かったということなんでしょうか?
やはり切除して正解だったと思いますが(^^).
ついでに聞いちゃいますが,文献的にはどういう治療が一般的なんでしょうか.
>黒木さんの病院にいかなかったのは、単に当院の眼科がかかりつけだったからです
ははは.気配りしてますね.
# neuropathology をやった人のcommentがほしいとこですね.
病理写真も拝見しましたがbeautifulの一言ですね.どうやって取り込んだのかな?
* Dr.Robert * Nothing is real * http://www.st.rim.or.jp/‾idee
373/415 HCA02143 天笠雅春 Lhermitte-Duclos2
(20) 95/04/27 21:45
Lhermitte-Duclos(L-D)はレルミット、ダクロスと読むのだと、日
本脳神経外科学会用語委員会編、脳神経外科学用語集、南江堂に書
いてありました。(こういう本が発売になったとこういう会議室で
宣伝すればいいと思うが...)いままではレールミッテ、ダクロスっ
て読んでいましたが、学会の命には従わねばならぬ...
さて
MRIのT2で小脳のしわしわ模様がみえるのがこの腫瘍の特徴らしい
です。わたしが専門医試験を受けたときにはL-Dなんて名前だけ知
っていればよかったのですが、1989年のAJNRとJOURNAL OF
NEUREOSURGERYにこのMRI像がでています。gyral patternと記載さ
れていました。でもその論文をみるとわたしのCASEの方が腫瘍らし
いmass effectを呈していて、にせの小脳構造もきれいであるよう
に見えます。この人の正常左小脳はどこにいっちゃったのでしょう
か。かなり前からあったと思われ水頭症は超慢性的にあったものと
考えました。
手術はとりましたというだけですが、写真の左上これはあけたとこ
ろですが、脳回(葉folia)がみえこれは正常と手術の時は思ったの
ですが、これは腫瘍そのもののようです。脳回は不規則で正常であ
りません。上段右はとりはじめたところです。なんだか変だなと思
いながら取っていくわけですが、ここは動画では見せられません(
企業秘密!?)。GLIOMAを取っているようじゃないんです。にょろに
ょろとこの層のまんまに引き出されてくる。そのピークが左下の絵
です。わたしは寒鱈の白子を思いうかべました。右下は取り終った
ところです。出血は少なく、正常との境界はわかったといっておき
ますが、実際はこのにょろにょろにょろがなくなるまでとったとい
うことです。何か小脳を切っているような感じがしました。
術後は特に問題なくMRIではほぼ腫瘍は取れていました。VPSを1
週間後に行いました。組織所見は典型的なdysplastic
gangliocytomaでした。(ミクロの画像はあすアップします。)リハ
ビリを1カ月ほどして4月はじめに退院しました.....でいいのです
が、この人は前にも言ったようにCowden病だったのです!!!!!!(次
回に続く)
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376/415 HCA02143 天笠雅春 Lhermitte-Duclos3
(20) 95/04/29 22:43
病理所見については免疫染色と電顕の結果がまだですが、H-Eだけ
でも十分診断可能でかつあまり見かけない像ですのでここにupしま
す。新WHO分類でいうdysplastic gangliocytomaであります。新
WHO分類に関する日本の大家の解説論文がいくつかでていますが、
この腫瘍については実例がないのか写真がでていませんし、その解
説はRubinsteinの教科書を越えていません(たとえば
Neurosurgeons vol.14 p4)。わたしも病理所見は得意でないので、
うちの病理の先生が書いたこの所見を引用します。
小脳の正常構造は消失し(注:異常構造はあるということです。)
Purkinje cellに類似したnerve cell(ganglion cell)とnerve
fiberよりなる2層性(前者がinner layer,後者がouter layerを形
成)の増生病変を認めます。foliaは顕著に肥厚し、nerve cellの
巣状増生を伴います。主としてouter layer内にcalcification沈着
を伴います。Nerve cellにはNissel bodyが確認されます。ときに
enlarged nucleiを認めますが、mitosisやpleomorphismは明らかで
はありません。dysplastic gangliocytomaの像と言えます。
病理の先生もRubinsteinを見ながら書いているので、Rubinsteinを
読めばことたりるのですが.....
病理の先生がまだスライドを作ってくれないので、わたしが学会発
表用に作った3枚のスライドを合成して1枚としました。まだ満足
のいくものではありませんが、感じはわかるでしょう。
(Cowden病については次回)
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385/415 HCA02143 天笠雅春 Lhermitte-Duclos4(Cowden)
(20) 95/05/04 23:16 コメント数:1
Lhermitte-Ducosを文献検索すると最近の論文はCowden病との合併
が話題になっていることがわかる。しかしCowden病って何?でまる
で知識がない。で、調べると
Cowden病(multiple hamartoma syndromeともいう。)
常染色体優性遺伝
皮膚(顔面、体幹、四
肢および口腔粘膜)に特徴的な丘疹がみら
れ、甲状腺、乳房、消化管、生殖器、骨、神経などにさまざまな多
発性の過誤腫を生じる症候群。悪性腫瘍の発生頻度が高い。日本で
の報告例は37例くらい。
自分の症例はまあ関係ないと思っていたが、患者さんの顔をみると
ほくろくらいあるのでまあ一応調べて見るかと思って、皮膚科を紹
介した。皮膚科の先生も実はこの病気の知識がないらしく、最初の
返事は、<頚はいわゆるcutaneos tagでagingと太ってきたときよ
くでます。顔と背中にちょっとかわった小さなほくろが5ー6個あ
り....dysplastic nevusかもしれません>この***ちょっと変わっ
た***というところがくせもので、念のためbiopsyしてもらった
ら、外耳に2つふくれていた丘疹の組織はtricholemmomaで、この
病気の皮膚所見の特徴multiple facial tricholemmomasにぴったり
あう。よくみると顔面にもおなじようなのがでかかっている。あと
は文献をみながら特徴といわれる所見をみると舌の多発性乳頭腫も
あるようだ。同じのは口蓋にもある。あとは皮膚科の先生がよろこ
んで全身の皮膚を調べてくれた。手にも体幹にもある...全身の写
真をとられ、患者さんは変な顔をしていたが。
そのほか
甲状腺-adenomatous goiter(これも大きい)
生殖器-myoma uteri(巨大)
消化管-polyp(胃)polyposis(直腸)
膵臓-tumor(良性)
眼-glaucoma(congenital?)
乳房-multiple fibroadenomas
の所見が確認された。幸い癌はいまのところなく、患者さんは退院
した。この人は子どもがいないのだが、こんな大きな子宮筋腫があ
れば、妊娠するはずもない。母が乳ガンでなくなっている以外遺伝
歴がない(いとこに脊髄腫瘍で手術したひとがいると最近聞いた
が)。兄弟が4人もいるので、このへんからみんな調べてやろうと
思っています。
Cowden病の診断は1に皮膚、そして各臓器の腫瘍、そして家族性だ
と思います。頭は以前から巨大頭蓋、髄膜腫なんて所見が以前から
指摘されていましたが、この人は巨大頭蓋といっていいと思いま
す。だれも気付かなかったが(自分の病院に6年も通院していて2
回も手術していたのに....)。Lhermitte-Duclosの合併は前に引用
したAnn Neurol1991が最初でその後、Cancer, J Neurosurgなどに
報告されています。Lhermitte-Duclos-Cowden病という書き方をし
ている人もいます。(このあたりになると論文のようになっちゃう
が)。
Cowden病の個々の所見は皮膚と頭をのぞくとありふれているので気
付かないことが多いのかな。子宮筋腫と乳ガンを合併するひとは多
いでしょう。それと胃のpolypくらいもっているひとはいるでしょ
う。が、皮膚と頭の所見のあるひとはこれはあまりにめずらしい。
博物館的ですね。わたしのところに自分から脳腫瘍じゃないかっ
て、受診していただいたのはまったくラッキーとしかいえません
ね。
次回はDiscussionですか。井出さんの質問にも答えないといけない
し。online脳外科地方会には連休は関係ない。しかし15分の口演
を、やはり文章で説明するとずいぶん時間がかかる。
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389/415 MXC04352 井出 勝久 Cowden 病
(20) 95/05/05 15:43 385へのコメント
>multiple hamartoma syndrome
なるほど.小脳のlesionも一種のhamartoma といえなくもないのでしょうね.
ほっておいても増大することはないのかな.
>患者さんの顔をみるとほくろくらいあるのでまあ一応調べて見るかと思って、
皮膚科を紹介した
ほんと先生(と呼ばせてください)は臨床医の鏡ですよ.おせじ抜きで.
>しかし15分の口演を、.
山形の地方会って15分もしゃべるんですか.討論も盛り上がるでしょうね..
おもしろそう..
>自分から脳腫瘍じゃないかって、受診していただいたのは.
いますね(^^;ときどきこういう患者さんが.
>井出さんの質問にも答えないといけないし
いつも気楽にあれこれお尋ねしてすいません.
* Dr.Robert * Nothing is real * http://www.st.rim.or.jp/‾idee
411/415 HCA02143 天笠雅春 Lhermitte-Duclos5
(20) 95/05/14 23:23 コメント数:1
井出さんがつぎの症例をだされたので、わたしの発表を終えないと
いけないので、話題はそれてきたが、またもとにもどして...
通常座長が、何か質問は?ときて、無言だと座長がひとことほど質
問して終わりですが、わたしの症例の時はまあいろいろ聞かれまし
たが、そのときちょうどいた松谷先生のコメントでは、小脳に発生
するgliomaは少ないので、gliomaだと思ってとったという点をさし
て、まあ別の病気を考えなさいとおっしゃっていました。これから
は、Lhermitte-Duclosも考えましょう。とるかとらないかはまあと
るでしょうが、文献的には減圧、biopsyなんていうのもあります。
過誤腫だから、外減圧だけでも悪くないでしょう。また10年後に
内減圧になるかな?手術後わたしの知らないうちに(いつものone
patternで)化学療法が始まりかかったのですぐにやめさせました
が、まあ化学療法はbiopsyでもいらないでしょう。
gangliocytomaのdysplasticって何だときかれましたが、病理学者
にでも聞いてといいたいところですが、過誤腫という所を強調する
ことと、異常な層構造を保っていることなどが、他の腫瘍とちがう
からかな?
Cowden病はまだなぞです。家族性を証明しないといけないので、ご
家族のひとの協力をお願いしないと,,,,皮膚科、内科、眼科、病
理、あっちこっちの地方会で使えそうな症例です。
どうみてもこの症例はこれだけで終わりそうもないが、今回はこの
へんで発表をおわります。(ずいぶん時間のかかるonline地方会で
した。)
大学の先生方には、めずらしい症例をだすのはむずかしいでしょう
から、大学ではめずらしくもなくありふれているが、教育的(ある
いは学問的)にきれいなためになる画像をみせていただきたいと思
います。黒木さんのだされた画像はそういった絵ではないかなと思
います。
HSNOOPY/qb8m-amgs@j.asahi-net.or.jp
●http://www.st.rim.or.jp/‾amagasa/amagasa.html●
414/415 MXC04352 井出 勝久 RE:Lhermitte-Duclos5
(20) 95/05/15 18:27 411へのコメント コメント数:1
結局ろくなcommentができなくてすいません(^^;
でもおもしろかった.ありがとうございました.
>そのときちょうどいた松谷先生のコメントでは
何でまた松谷先生がいらしたのでしょう?
>小脳に発生するgliomaは少ないので
Lhermitte-Duclosよりは頻度が多いと思いますがね(^^;
>文献的には減圧、biopsyなんていうのもあります
なるほど.
>化学療法が始まりかかったので
先生のところではgliomaのchemo.には普段なにを使っておられます?
>井出さんがつぎの症例をだされたので、わたしの発表を終えないと
いけないので
そういう意図はございません(^^;同時進行ももちろんOKです.
大体私のは大した症例じゃないし.患者さんに失礼かな.
>黒木さんのだされた画像はそういった絵ではないかなと思います
こないだのJannettaの写真はほんときれいでしたね.
手術がきれいなせいかな(^^).
* Dr.Robert * Nothing is real * http://www.st.rim.or.jp/‾idee