上海人家 

上海人屋雲南路店


雲南路にあるこの店はまるで東京の下町の居酒屋のように私のこころをなごませてくれます。 小姐の応対もてきぱきとつぼをついたアドバイスをはさみ料理の選択もつつがなくすませることができました。 湯がダブっているのはご愛嬌ですがこれも前菜の後に1回だけ湯が出るというのは廣東料理が西洋料理の真似事をしたのが始まりだということを踏まえれば別に気にするほどのこともないでしょう。 そういえば日中国交回復時にあるグラフ誌に紹介されていた廣州北園の伝統的宴席の菜譜では実にその半数が湯のたぐいで占められているのです。 要するに料理を食べた後には湯で口を湿らせ、また次の料理を口に運ぶといった具合に宴席が組み立てられているのです。 更に洛陽に行けば全品スープという空恐ろしいものまで存在するようで、その名も水席と言うから言いえて妙ではないでしょうか。

この店でまず特筆すべきことはここの小姐がすすめてくれたトマトとレバのスープ「蕃茄猪肝湯」でしょうか。 最初はトマトとレバの相性を疑っていたのですがこの予感は見事に外れました。 嬉しい誤算です。

小黄魚焼豆腐は上海家庭料理の特徴である濃油赤醤の味付けが利いていてグッドです。 やはりこういったものは白飯と一緒に食すのがベターかと思うのですがアルコールを飲みながらだとついついこのつぼをはずしてしまいます。

蘿蔔絲酥餅これもいいですね。 以前の上海ではさめたものが出てくるのが普通だったのですが今回何箇所かで食してみたところ総て焼きたての熱々が出てまいりました。 競争の激しい今の上海ではそんな横着をしたら店がつぶれてしまうことを皆さん骨身に沁みて理解しているようです。

今回食したものとそのお値段を書いてみると・・・。 蕃茄猪肝湯 18元、本邦扣三絲 32元、小黄魚焼豆腐 32元、鶏毛菜と蘿蔔絲酥餅の値段はメモがありませんが高くても10元前後のはずです。


満ち足りた食事は心を豊かにする

小黄魚焼豆腐(左)、本邦扣三絲と鶏毛菜(右)

蕃茄猪肝湯(左)、蘿蔔絲酥餅(右)


基礎データ
住所雲南中路41号
電話6351-3060,5021
営業時間11:00am〜3;00am
お勧め料理蕃茄猪肝湯、小黄魚焼豆腐、本邦扣三絲、蘿蔔絲酥餅など
取材日時2000年8月5日




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