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平成10年12/30掲載
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3話その1・砂漠に落ちた星屑を求めて前編
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かつて中年男性とも言われた男・テム博士は愕然とした.
(↑一応科学者なのか!? 面倒くさいからもう名前を伏せるのはやめたらしい・・ ^^U)
かつて都阿留研究所があったらしき廃墟には,降下作戦が行われたのであろう,
それを唯一物語るかのように多数のVRの残骸が残るのみであった・・
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3話その1「砂漠に落ちた星くずを求めて」(前編)
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S砂漠のはるか東,N川のほとりに設営されたキャンプの一角・・
不吉を暗示する流れ星が大地に流れた,その日から既に幾日も経った後のことであった
テム博士「もうすぐS砂漠だな・・」
リボン結いのポニーテールで眼鏡っ娘のグリスボック乗り・
ブルースワット高嶋(たかしま)Ryu-ken少尉(25歳位?)ことBS高嶋「そうですね.
でもテムさん,これで・・良かったんでしょうか?Oさんや t さんに黙って嵐紅蓮を持ち出すなんて・・.」
テム博士「う・うむ・・確かにあいつ等には悪いと思ってはいる.だが事態がここまで早く進展するとは
予想しきれなかった以上,こうする事が私に出来るささやかな努力・・ではダメ・・かな?;^^)」
BS高嶋「くすくすっ(笑),そんな深刻ぶったセリフ,テムさんらしくもないですよぉ.(^-^」
白いグリスボック・嵐紅蓮(AI)
「アエイウエオアオ・・高嶋さま,テムさま,オハオハ(おはよう)で御座いますーん♪ ^ー^)」
テム博士「おぉ,嵐紅蓮,おはよう.起きたのだな?今日はいよいよあのS砂漠を越えてT研に向かう.そこに・・」
嵐紅蓮「このVアクセラレータを渡すD中尉が居るのですね?」
そう.その白い機体の背中にあるVコンバータの下面に取り付けられたCDドライブの様な物・・
Vアクセラレータだけは,あるライデン乗りの駆る”赤い悪魔”の物であるかのように赤黒い色をしていた・・
BS高嶋「そうよ.むこうのUさんや所長に失礼の無いようにねっ.」嵐紅蓮「はーいっ」
テム博士「よし,それでは嵐紅蓮!出発・・高嶋君,早速(さっそく)装甲車形態への変形を頼む.」
嵐紅蓮「了解ですーん☆」
BS高嶋「は・・はい,V-アクセラレータ,R・P・O・Dシステム始動!
シフト・オン・ビークル・フレーム,テイクオフ・プロテクション・ゴリラ!!
・・・・テムさぁ〜ん,この「ゴリラ」ってのはどういう意味ですかぁ??
(ガクガクガクン・・・・(変形中に生じる衝撃) )あわわわ〜!(OoO;;」
テム博士「すまん!言い忘れてた(笑).コイツの開発に関わった知り合いに頼まれて
変形システムを作る時に,”チーム・ゴリラ”を称(たた)える意味で,プロテクトを解除するコードの
最後に必ずゴリラって付けてくれってせがまれて仕方なく・・」
(チーム・ゴリラ:これまで開発コンセプトが食い違う為いがみ合っていたRNA・重戦闘VR開発陣と
同・可変型VR開発陣とが,月面総合開発プラントの「共に目指す物は同じ,故に共に歩むべき」
と言う名言を受け和解した後,これまでに無い全く新しいコンセプトの元に生んだ共同団体.)
装甲車形態の嵐紅蓮はV.C.80年代のロックミュージック(?)を流しながら
輸送トラックと共に砂漠を進んでいった・・
ドガガガガガ!! ピコーピコーピコー・・
BS高嶋「Vアクセラレータの活動限界が近いようですけど・・」
テム博士「うぅぅ〜む.コレでも何度も改良を重ねたはずなのだが・・
・・約13分13秒以上は無理と言う訳か.うわっ!」
長時間の起動で酷使されたV-コンバータが音を上げ,V-アクを強制的に止めるので
それによって稼働していた変形システムは解除されてしまい,
嵐紅蓮は元のグリスボック形態に戻ってしまう.
尚(なお),嵐紅蓮の変形の場合,Vアクセラレータを最大限度に使用するため,
その後最低1時間のインターバル(休憩)を必要とする.
S砂漠を少し進んだ辺りで・・
テム博士「輸送トラックの足取りが重いようだな.砂が深くなったせいでタイヤが滑りやすいのだろう・・」
トラック輸送班「これ以上トラックでは難しいという事ですね・・」
テム博士「仕方がない・・ここからは嵐紅蓮と私達だけで何とか進むことにしよう.
君たちはいったん引き返してキャンプで待機していてくれ.その間,闘蓮(ウォーレン)やO准尉達が
どの辺りにいるか調べて欲しい・・もし足取りが掴(つか)めたら私達が戻ったときに報告を頼む」
輸送班「分かりました博士,お気をつけて.」
テム博士「うむ,君たちも十分気を付けてくれ.
この辺りに偵察部隊が潜んでいる事も十分あり得るからな・・」
砂漠の中程にあるオアシス・・であった所・・そこに都阿留研究所があった・・はずであった.
テム博士「何か手がかり位はあるだろう.取りあえず探してみよう」
BS高嶋「・・有りました!裏のラベルに”都阿留研究所”って有りますから間違いありません!」
テム博士「殆ど原形を止めていないと思うが・・通信機のようだな・・確かにT研で使われていた物に
間違いない,コレを修理出来れば少なくとも使用されている周波数でも分かるかも知れない.
それに,材料はここに・・」
嵐紅蓮「一杯持ってきました〜♪」 テム博士「山ほどあるしな(笑)」
テム博士「よし!出来た,これをキャンプに持ち帰って分析すれば連中の足取りがつかめるぞ」
突如強い砂嵐が遠くから徐々に迫ってきた・・
????「フフフ・・!」 テム博士「この声はどこから?・・砂嵐の中!?・・誰だ!?」
砂嵐は嘘(ウソ)のように晴れ,中からヤガランデの様な機影が姿を現した・・
BS高嶋「!?あれは・・データにあったヤガランデ・・??どうしてここに・・」
嵐紅蓮「トッテンパラリのプウー!!
あわわわ・・や・ヤガ・・ヤガ・・(どうして良いか分からず慌てふためいている)」
メビウス「我が名は”メビウス”・・・・私を有るべき所へ帰してくれた男・・テム博士・・だったかな?
あのときはお陰でD中尉と熱き戦いを演じることが出来た.礼を言おう・・」
テム博士「(少し慌てるが必死に(?)気を落ち着かせるよう自分に言い聞かせる)
メビウス・・成る程・・確か以前,月の軌道に漂(ただよ)っていたD中尉のライデンが
救出された際,搭載されていたシステムのデータレコーダーから(独自の特殊な方法でこっそり^^;)
採取したデータにあった・・お前が.」
メビウス「ふっ・・.少なくとも私のことを感付いていたようだな.
今までは,お前達の行為が私にとって大した影響は無かろうと静観していたのだが,
ここで妙な力を付け加えられ,なおかつ・・アクセラレータ・・か.さすがにそんな物まで付けられては
悠長(ゆうちょう)なことは言ってられなくなるのでな・・今回ばかりは邪魔させて貰うぞっ・・!!」
テム博士「いかん!逃げるぞっ!!」 BS高嶋「え?あ・・は・はい!」 嵐紅蓮「・・あぅあぅ〜・・」
メビウス「勝ち目は無しと知って,逃げるつもりか・・どこまで逃げ切れるかな?
そんな鈍重なグリスボック如きで・・何!?変形だとぅ?しかも想像以上に早い・・待てっ!」
テム博士「くっそぉぉ〜・・思ったよりしつこいな.高嶋君,仕方がない.ミサイルを・・」
BS高嶋「そうですね,このまま振り切れそうとも思えませんから・・お願いっ,フルミサイル・ストォォォム!!」
(嵐紅蓮から数セットのミサイルが乱れ飛ぶ)
メビウス「ミサイルを細かい旋回でキャンセルすることで連発する技術の応用発展技か・・珍しくもない
その技見切ったぞ.ついでに素晴らしいお礼を受け取るが良い・・」
ビィィィムッ・エクステンションッッッ!!!!
・・これしきの芸当,朝飯前とは言え・・ぁぁ恥ずかしい・・
テム博士「何だ,あの技は!?・・ふぅ.何とかかわしたか・・」
メビウス「ちょこざいなっ!これでもかっ,」
(次々とグランドナパームを投げ,あるいはレーザーネットを網のように張り巡(はりめぐ)らす)
BS高嶋「くっ・・こんなに・・どうにか・・かわせた!!」
メビウス「おのれ,チョコマカとぉぉ・・!! くそ.もうあんなに小さく・・まあ良い.
いずれ引導を渡してくれよう・・・・フハハハハハ!(負け惜しみ)」
テム博士「この周波数と同じ反応を持つ物体をキャンプに設置してあるレーダーにかけて
分析した結果,・・アジア地方のタクラマカン砂漠にあることがわかった!!」
BS高嶋「と言うことは,T研の人達は恐らくそこに避難したのですね・・きっと.」
・・・・・・・・・・後半へ続く!!(爆)