*コーヒー豆知識*

コーヒーの名前のこと、ちょっとお話しましょう。

1、コーヒーの原種(植物としての種類)

<コーヒーの原種>

コーヒーの原種は3種類です。

アラビカ種…世界のコーヒー生産量の2/3を占めます。すなわちわれわれが飲むレギュラーコーヒーはたいていこのアラビカ種だと思っていて間違いはないです。

ロブスタ種…ブレンド用や缶コーヒー、インスタントなどに主につかわれる種類。酸味、香りがなく、苦みが強いですが、わたしはきらいじゃないです。

リベリカ種…生産量も品質も低く、日本には来ません。(でもそういわれると1度飲んでみたくなる)

レギュラーコーヒーがほとんどアラビカ種だっていうならみんな同じじゃないの?

あのさまざまなコーヒーの種類は何なの?

それはちょうど日本茶で、『茶』という植物の種類は1つなのに、産地で味が全然違ってしまうというのと同じです。宇治茶、静岡茶、八女茶、煎茶、玉露、抹茶、、、これは植物の種類を表したものではないのは皆さんごぞんじですよね。コーヒーもよく似ています。

コーヒーの名前
このようにわざわざコーヒーに『アラビカ』という名前が付いているものがあります。これはジャワという処ではアラビカ種のほかにもロブスタ種がつくられていて(とくにジャワをはじめとするインドネシアではロブスタ種の生産量は全体の90%)それと区別しています。ジャワ島でとれるアラビカ種はとくに良質です。

ジャワ・アラビカ
他に インド・アラビカ、 カメルーン・アラビカ、ウガンダ・ロブスタ など

2-、コーヒーの名前:“XXマウンテン”

標高による分類>

 コーヒーは意外と気難しい植物で、雨が多くてもダメ少なくてもダメ。気温が低くても高くてもダメ。年間平均気温20度。いうなれば“日本の夏の避暑地”みたいなところが好きなようです。(ぜーたくっ!)

ということで、1年中そういった環境が保てる『暑い国の高地』がコーヒーの産地となるわけです。さらにコーヒーは標高が高ければ高いところ(標高約1200m以上)でとれた豆ほど高品質とされ、当然運搬や手間がかかるため価格も高くなっています。

 そういうところから、一般的にコーヒー豆の名前にマウンテン(山の名前)がつくものは上質のコーヒーであるといえます。

同じ土地や山でも標高によって味や品質に差がでるということは、やはりコーヒーもじつに繊細なものであるといえるでしょう。

非常に大まかに図説するとこんな感じです。

有名なブルーマウンテンはカリブ海に浮かぶ、ジャマイカ島で生産されます。が、同じ島で同じアラビカ種で、生産される地区と標高の差で名前も値段も全然違ってくるのです。

ブルーマウンテンはハイマウンテンの約1.5倍の値段、ハイマウンテンはその他の豆の2.5倍ほどの値段になります。


*名前に山岳名がつくもの

キリマンジャロ   タンザニア お馴染み!
クリスタル・マウンテン キューバ 大型の高級豆
コーラル・マウンテン コスタリカ 大平洋側産の新製品
マウント・ハーゲン パプアニューギニア
ガヨ・マウンテン インドネシア スマトラ島北部
エメラルド・マウンテン コロンビアの特級品

*名前に標高(標高の高い地方)があらわされたもの

カルモブラジル ブラジルのカルモ市産。大統領令によってコーヒーは1000m以上の高地で栽培されることになった。
トラジャ インドネシア、1200mの山岳地帯“トラジャ”地方の産
メキシコ・アルツラー “アルツラー”というのは標高で品質を分けた時、メキシコでもっとも高い標高の産という意味になる。
ホンジュラスSHG、
エルサルバドルSHG

SHG、SHBともに“アルツラー”と同様、標高の高いところの産という意味。(基準が国によってまちまちなので表記が変わるのである)

コーヒー店ではこの記号を省略することが多い。したがってその豆を売っているコーヒー店の美味しさ、信頼度チェックにつかえるコーヒーでもある。(いやな客だなー。)
テスト用にはホンジュラスがお勧め。ホンジュラスの低地産の豆と高地産の豆はじぇーんじぇん味が違う。

グアテマラSHB

2-、コーヒーの名前:豆の形状

豆の形状による分類>

これがコーヒーの実の熟したものです。(コーヒーチェリーといいます)

 

ひと粒の拡大図→

 

=豆のでき方=
●上の図のように普通は1つのコーヒーの実の中には、豆が2つむきあってはいっています。これを『フラットベリー』といいます。

●ところが同じ木なのに先端のわずかなところだけ、2つではなくまん丸の豆が1つだけはいっていることがあります。これを『ピーベリー』といいます。基本的に味は変わらないと思いますが、全体の10%ほどの収穫量しかないので貴重です。

コーヒーの名前

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カルモ・ピーベリー カルモというのはブラジルの標高約1000mにある市の名前です。そこでとれるピーベーリーだけをあつめたもの。珈琲屋ビーンズのは日本人の方が経営している農園のもの(カルモ・シモサカ)が来ています。

=コーヒーの実の処理法=
上の図でわかるように、コーヒー豆として製品化するには、コーヒーチェリー実についている余分なもの(果肉、皮、外皮等)をすべてとりのぞかなくてはいけません。取り除く方法が2種類あります。

アンウオッシュト(サンドライ)…摘み取ったコーヒーチェリーをそのまま天日にさらして自然乾燥し(2、3週間)、脱殼機にかけて余分なものを取り除く方法。天候に左右されやすく、品質を保つのに労色がかかるが、こうやってできたコーヒー豆は、苦み酸味等バランスのとれた味のものができ上がる。

ウオッシュト…余分なものをとるのに、水をつかって洗い流したり、発酵させたりする方法。ちょうど“銀杏”を想像していただくとわかりやすいかもしれません。天候に左右されず、豆につやがでて、異物の混入などが少ないために、ほとんどの豆がこの方法で処理されている。味は酸味がまさる。

コーヒーの名前

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ガテマラ・サンドライ 日本でもなじみの深いガテマラでもやはり、豆の処理法にほとんど『ウオッシュト』をとっていますが、やはりガテマラ豆の深い苦みきいた味をいかすのは『アンウオッシュト』でしょう。全体の20数%の豆だけが天日干しで処理されています。

=豆の新しさ古さ=
収穫、処理されてからその豆がどのくらいたっているか。

ニュークロップ(新豆)…コーヒーの生豆独特の薄い緑色をいています。酸味がやや強い。

パストクロップ(1年経過)…やや豆に黄色みがかかってきます。酸味がやわらかくなる。

オールドクロップ(2年以上経過)…水分すっかりぬけて、色も黄色になります。酸味がすっかりぬけ、
 かえって平凡な味に。ブレンドやリキッドコーヒーにつかわれる。

コーヒーの名前

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ハワイ・オールドコナ 『オールドクロップ』は平凡な味、と書きましたが、ハワイコナは例外。普段のしつこい酸味がすっかりマイルドになり、また新豆より風味がまして、まるっきり別の味のハワイコナです。


=豆の大きさ=
コーヒーの等級わけに豆の大きさを基準とします。大きければ品質がいいと言うものでもありませんが、粒がそろえられているということで目安になります。『スクリーン』といいます。

コーヒーの名前

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ブラジル・スクリーン18
スクリーン19〜20=特大、 18=大形、 17=準大形 、、、、12〜13=特小形。という番号になっています。いいお店ではスクリーン番号を書いてなくても、『ブラジル』とあったらそれはもう大形豆使用のものなのです。

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