山口線・長門峡(中原中也詩集/河上徹太郎編)



中原中也詩集・在りし日の歌

私が10代のころ、詩人の中で一番傾倒していたのが中原中也(なかはら・ちゅうや)だった。その頃は、彼の代表的な詩は自然に暗記してしまうほど読み返していた。今でも、いくつかはスラスラと出てくるのだが、みっともないので人前で口に出したことはない。あまり役に立たない芸である。
再放送版で見ていた「柔道一直線」というテレビドラマで、主人公の一条(桜木健一)のライバルに結城(近藤正臣)という人物がいた。この結城は、あらゆる分野において異能の持ち主という設定になっており、足でピアノを弾くという離れ業で有名であった。しかし、私にはピアノの演奏よりも、結城が柔道の対戦中に相手を睨みながら、中原中也の「私の上に降る雪は ・ ・」の詩を朗読するシーンが忘れられない。この詩は詩集「山羊の歌」の中にある「生い立ちの歌」だ。

上の写真は、「長門峡に、水は流れてありにけり ・ ・」の長門峡への入口になる長門峡駅で撮ったSLやまぐち号である。この当時は現在のレトロ客車ではない。