東北本線・金田一温泉(お化けの住所録/スポーツ新聞)



お化けの住所録・ざしきわらし

「ざしきわらし」は善良な妖怪で、これに出会うと「軍隊に召集されても無傷で帰還できる」とか「数年のうちに金持ちになる」といった伝説がある。私は、一獲千金をねらって「ざしきわらし」の住む、岩手県・金田一温泉へと向かった。上の写真が、その旅館の写真である。

「ざしきわらし」は奥座敷だけに現れるそうで、予約のときに奥座敷を指定しておくことを、妖怪通の友人に教えてもらっていた。
さらに旅館に着いてみると、客室係のおばさんは、「ざしきわらしは座敷の隅にある小さな屏風(びょうぶ)のあたりから出てくる」と言う。私が、その屏風を見たところ、京助と書いてあった。おそらく、当地にゆかりのある金田一京助(言語学者・国語学者)の直筆なのであろう。

やがて夜も更け、就寝時間になったので、私は屏風前の一等地に寝ることにした。

何事もないだろうと思っていたが、夜明けごろ、何者かが寝ている私の肩をゆするではないか。「しめしめ」と思いつつ目をあけてみると、一瞬のうちに肩をゆする感触は消えてしまった。

それから5年以上になる。
潜伏期間が長いのだろうか、今のところ「ざしきわらし」の恩恵には浴していない。


この「ざしきわらし」の旅館で2009年10月4日夜に火災が発生し旅館が全焼したそうです。再建をお祈りします。