シリアル番号 | 986 |
書名 |
ヒトデはクモよりなぜ強い 21世紀はリーダーなき組織が勝つ |
著者 |
オリ・ブラフマン、ロッド・A・ベックストローム |
出版社 |
日経BP社 |
ジャンル |
ビジネス |
発行日 |
2007/9/3第1刷 |
購入日 |
2008/09/20 |
評価 |
良 |
原題:The Starfish and The Spide by Iri Brafman and Rod A.Beckstom
M氏からアステカやインカを滅ぼしたスペイン軍はなぜインディアン族アパッチを滅ぼせなかったか?それは、リーダーレス、ヒトデのようにどこを切って再生されるような組織だったから というつかみからはじまってWikiやInternetなどの組織を分析していて面白いとメールをいただいた。早速インターネットで調べるとほぼ以下のように要約できる。
ヒトデ型組織(権限分散型) VS クモ型組織(中央集権型)
クモ型組織:アメリカ政府、スペイン軍、マイクロソフト、大手レコード会社、
ヒトデ型組織:アルカイダ、アパッチ、インターネットの世界、ウィキノミクス、ナップスターなど無料音楽交換サイト
中央集権よりも、権力分散が強い。昔のヨーロッパみたいに、いろんな貴族(リーダー)が、いつでも次の君主(トップ)になれる準備をしている組織は強い。
興味深いのが権力分散した「急所の無い」組織をどうやったら壊せるか、という点で本書を読むと非常に知的に興奮できるポイントである。たとえばヒトデ型組織には頭である指導者がいないわけでなく、他者に行動を強要する権限のない精神的指導者がいる。クモ型組織がヒトデ型組織を打ち破る為には(1)イデオロギーを変える(2)より権限を集中させる(3)自らも分権型に変えるの3つしかない。スペイン軍が手に負えなかったアパッチ族を、アメリカは精神的なリーダに牛を与えることで、滅ぼしてしまった。
両者の長所を取り上げたハイブリッド組織:トヨタ
日本政府しかりで中央集権の弊害を正すのは何も地方分権だけではない。あらゆる組織が生き残る戦略とはどういうものかは、相手によって変る。大体言いたいことはわかったので
この本は読んだとみなして買わないことにする。
ジャック・アタリの「21世紀の歴史 未来の人類から見た世界」は遊牧民=ノマド(nomade)から定住民への移行が過去の人類の歴史だが、21世紀はグローバリゼーションのため、国境が消滅し、多極化するため、有能な人間はノマド化すると予言していることと背景は同じようだ。