Heart Warming Ekiden Story YELLOW GANGS

コサック藤澤の駅伝観戦レポート



皆さん、いつも「Yellow Gangs」をご愛読ありがとうございます。

大見得切って執筆を始めてみてはいいものの、私が駅伝選手として、はたまたボランティアの自主整理員として体験した駅伝はもう十ン年前の話であります。記憶もはるか彼方の地の果てぐらいまでにすっ飛んでしまっているので、リアリティに欠けるのではないだろうかと思います。
で、この際だから強引に現地取材を慣行してしまおう。そして、それを今後の執筆に役立てようと思ったのでした。
と言うわけで、今回は「Yellow Gangs」の舞台となる全国高校駅伝が開催される師走の都大路へいってきたレポートをおおくりしたいと思っています。



●概要


「Yellow Gangs」はせっかくだがらWebにも公開しちゃおう、挿し絵も入れちゃおうと思っております。
という訳で、今回はその挿し絵用の資料として写真を撮影するというのも目的の一つなのだ!


●駅伝観戦の必須アイテム

駅伝観戦にも必須アイテムというのがあります。沿道には通の駅伝ファンもおられて「おお!なるほど!」というグッズで応援および観戦されていたので、それをご紹介。都大路で観戦する場合は以下のグッズを用意しよう!

服装 できるだけあったかいもの、防寒対策は万全に!
双眼鏡 これがあれば遠くの選手もばっちり。特にスタート・ゴールの競技場で観戦する場合はグッドであります。一眼レフに望遠レンズでも代用できますよ。
ラジオまたは携帯テレビ レースの行く末を知りたい場合はこれを持っていこう! 超便利!
傘やウィンドウブレーカー 雨天対策には必要なのだ!

それ以外に現地でゲットすると便利なグッズもあるのだ!

パンフレット 競技の概要やルール、選手名鑑、そしてコース図が掲載されているのだ!競技場で販売。
¥1000(税込み)
「毎日新聞」と書かれた紙の旗。これを振りながら応援するのだ!
チラシ コース図と選手が通過する予定時刻が掲載されているから便利!

旗とチラシは沿道で「自主整理員」と書かれた腕章をつけたお兄さんやお姉さんが配ってくれているので、必ずゲットしよう。


●今回の撮影機材

一応取材なので撮影機材を持っていきました。スポーツなのでズーム主体の機材構成です。


今回は「作品」として撮影するのではなく、あくまでも資料用なので、機動力優先で選定です。フィルムも高速シャッターが切れる400のネガフィルムであります。
うう、久々のスポーツ撮影。腕がなるで〜!


●ゆっくり目ざめてふらりと出かけて

なんせ、地元ですからね。私ゃ。朝8時に起きても、10時20分出発の女子駅伝にも間に合うのだ。でゆっくり朝飯食って9時半に出発。現地の西京極競技場に到着したのは10時10分ぐらいの余裕のヨッちゃんでありやした。
西京極競技場 でも、朝からミゾレが降ったりでけっこう寒い。気温が7℃。折返し点の国際会館付近では朝から雪が降ったらしい。
実は私、駅伝選手ではありましたが、スタート地点を観戦するのは初めて。だって、選手が観戦できないですもの。当たり前か。ちなみにこの全国大会はものすごく人手がいるのです。で、地元高校の陸上選手達はすべてボランティアでスタッフとしてかり出されるのであります。私も高校時代は自主整理員として沿道に立っていたのでありました。で、生で見るのは今回は初めて。
競技場はとりあえずバックストレート側のスタンドに上がりました。ちょうど「スタート5分前!」のアナウンスがあり、競技場は緊張感いっぱいでありました。とにかく女子のスタートを見届けてから、資料用の競技場の外観を撮影。その後、沿道に出てみました。

●沿道で応援なのだ!

とにかく、競技場近くの五条通りを西大路方面へ歩きます。沿道にはすでにギャラリーがいっぱい。毎日新聞の旗を持って、帰ってくるランナーをひたすら待つギャラリー達。私も「あと1km」の地点でひたすらランナー達を待ちます。
近くのスポーツ用品店では沿道ギャラリーの為にガラス越しに街頭テレビを用意してくれたりしています。そこは人だかりであります。
携帯テレビを持っている人、ラジオを聞いている人。とにかく、レースの行く末が気になる人がそわそわしております。かくいう私も気になって近くで携帯テレビで観戦しているおばさんに声をかけてしまいました。
八王子高校の皆さん 「いま、どうなってます?」
すると、おばさんは私に携帯テレビをみせてくれました。
「今、どのあたりですか?」
「私、東京だからわからないの」
おばさんも画面を見ながら興奮しておりました。
「それよりも、うちの学校どうなってるのかなあ?」
「え?出場されているのですか?」
「そう、八王子。初出場なんですけどね」
私は恐れ多くも出場校の顧問の先生に声をかけてしまったのです。こうなってしまうと、お互いに連帯感というモノが出てまいりまして、私は画面に流れる風景から今どの位置なのかを知る事ができるので、逐一そのおばさん、もとい顧問の先生に現在位置とあとどれぐらいで通過するのか報告してあげました。そうこうしていくうちに、先頭集団が通り過ぎ、八王子高校のランナーも無事上位で通過いたしました。八王子高校の皆さん、お疲れさまでした。

●スタート観戦

女子駅伝が終わってからは、いよいよ男子駅伝がスタートです。現在11時50分。少し雨がぱらついてきました。私と言えばホームストレートを正面から望める第一コーナーの席へ陣取りました。観客席では各出場校のブラスバンドが応援合戦。チアリーダーも踊っております。「冬の甲子園」とも言われるだけあって、応援も白熱してまいります。
スタート パラパラと降り始めた雨も12時20分ぐらいになるとすっかりやんでしまいました。いよいよ、花の一区のランナーたちがトラックに登場し、最後のウォーミングアップをし始めます。場内アナウンスが「スタート5分前です!」と発すると場内の緊張感は更に増します。スタート3分前になると選手たちはいよいよスタートラインに3列に並びます。私の場所からはちょうど真っ正面です。ちょうどズームの300mmですべての選手が横並びに入るぐらいです。1分前になると、応援を止められ、場内がシーンとします。
スターターが号砲を上にさっと上げ、トリガーを引きます。ドーンと音がして、選手が一斉にスタート。その瞬間にワーっと歓声がわいて体中が響きます。私は愛用のEOSのシャッターを切ります。いつもは風景を撮影しているのでAFはあまり使わないのですが、この時、初めてAFの追随性能のすごさを体験。特に何もしていないのにピントは合っています。
「こりゃ、らくでええなあ・・・」
高校時代は仲間の走る姿を写真に撮影していたのですが、ピント合わせに苦労したものです。良くてワンショットぐらいしかできなかったと思いますが、近づいてくるランナーたちを10カットも撮影できました。
あっという間にランナー達はバックストレートにカッ飛んでいきます。私は先頭の仙台育英のジェームス・ワイナイナを見届けてから西京極競技場を後にします。

●いざ、折返し点へ

観戦する人たち 競技場を出た私は一路、もよりの阪急電鉄西京極駅へ早足で向かいます。そう、折返し点である岩倉の国際会館へ。運良くホームにたどりついた途端に電車が到着してくれました。慌てて飛び乗り、四条烏丸駅へ向かいます。烏丸駅に着くやいなや、私はダッシュし、地下鉄烏丸線の烏丸駅へ飛び込んでいきます。他にも多数の人たちが私と同じ行動を・・・。
「なんや、みんな俺と考えていること同じやんけ・・・」
とにかくみんな、我先とホームに向かってダッシュし、電車に乗りこみます。
この地下鉄烏丸線ができてから折り返し点へのアクセスがかなり楽になりました。この地下鉄を利用すれば、運がよければ最高四ヶ所での駅伝観戦が可能。丸太町で降りれば2区の観戦ができ、鞍馬口で降りれば第2、第5中継点の観戦ができます。ほとんどの乗客は案の定丸太町ないしは鞍馬口で降りていきます。欲張れば四ヶ所観戦はそれで可能ですが、私はあくまでも余裕をもって取材をしたいので、途中で降りず、終点の国際会館まで乗ります。
折り返し点のランナー 国際会館駅に降り立ち、地上にでてびっくり!沿道はすでにギャラリーで埋めつくされておりました。時間は13時10分。あと約20分余りでランナーたちは到着します。すでに最終コールは終了し最後のダッシュでコンディションを整える選手たちがいっぱい。時間が過ぎていくたびに沿道の緊張感は増していきます。
一度でも駅伝を体験すると、この緊張感がたまらなくなります。ランナー達が到着する前の役員の慌ただしさ、広報カーの「まもなく到着!」のアナウンス。報道陣が長玉をかまえる姿など、私のとって非常に刺激的です。まるで、私も選手になったような気分にさせてくれます。
ギャラリー達も自主整理員からもらった毎日新聞の旗を手に持ちながら、選手達が到着するのをひたすら待ちます。先導の白バイが通り過ぎると、その緊張感は絶頂に達し、歓声が上がります。そう、いよいよ先頭ランナーの到着。苦悶の表情で通り過ぎる、西脇工業の選手。その後、世羅高、仙台育英と続きます。折り返し点を回って、次の選手にたすきをリレー。この瞬間が一番エキサイトします。私は上位10位のランナーを見届けてから、また大急ぎで国際会館を後にします。

●ゴールはエキサイティング

ゴール 再び、西京極競技場に戻ってきたときにはすでに14時を過ぎていました。観客席は出場校の応援団や肉親の方々が、首を長くして、ひたすらゴールの瞬間を待ちわびておりました。応援団も校歌やはやりのヒットソングを演奏し志気を高めます。
私は最初いた第一コーナーの場所に陣取ります。実は私のすぐ横にはごーるの瞬間を捕らえるNHKのハイビジョンカメラが威風堂々の門構え。そして、私の前には報道陣の長玉が三脚につけられずらりと並べられております。競技場すべてがランナーたちの受け入れ態勢が万全に整えられておりました。
いよいよ、競技場の入り口のゲートが開かれます。開かれてから1分も経たないうちに、ランナーが競技場に入ってきます。仙台育英と西脇工業の一騎討ち。つばぜり合いのデッドヒート。観客はドーッっと歓声をわかします。トラックを一周し、最終的に逃げ切ったのは仙台育英。思わず拍手したくなるようなすばらしいラストスパートを飾ります。電工掲示板には楷書で「優勝!仙台育英」の大きな文字。仙台育英の関係者は抱き合ったり、握手しあっての大喜び。かくいう私も、高校時代を思い出し、ちょっと涙がちょちょぎれしそうな瞬間でありました。

おわり
(2000.1.4)


※この物語は著者の体験を一部取り入れたフィクションであり、
実在の人物、団体等とは無関係です。

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