イワナ飼育日記


12月17日、イワナの発眼卵(Eyed Egg)が届きました。今年は放流活動をしないつもりでしたが近くに住むフライフィッシャーマンで、釣りの啓蒙活動をしているKさんから、この地方に棲むネイティブ・イワナの形質を受け継いでいると言われる発眼卵500個ほどを頂きました。
 ヤマメの発眼卵放流とアクアリウムでの飼育は経験済みですが、イワナは初めてです。初めて見るイワナの卵は思いの外大きく、ヤマメのそれと変わりがない大きさです。直径3〜4mm位と想像していたのですが、6mm位もあります。受精してから通算320度C。 (恒温動物ではない魚たちの場合、日数で孵化までの時間が判断できません。水温の積算で判断します) カワイイ目が観察されます。

とても簡単なアクアリウム。
上部フィルター装置、エアーポンプそれに水温計。これだけで水温の上がり過ぎがない冬から春の3,4ヶ月の飼育はだいじょうぶ。ただし、直射日光や紫外線は禁物。

この写真ではハッキリしませんが黒い点がついた卵が中央近くに見えます。この黒い点が目です。すでに積算温度は346度C、早くも孵化したもの(Sac Fry)も見えます。
白く濁った卵は死んでしまった卵で早く健康な卵と分けなくてはなりません。


発眼卵(Eyed Egg)のクローズアップ。ちゃんと身体もできているのがみえます。弾力のある卵殻の中でクルクルと動き回るのが観察できます。

平均的なサイズは直径5.5mm位。この写真のものは死卵ですが6mmを越えるサイズで、食卓に上るサケのイクラと同じ位。

予想では98年度いっぱいに孵化し終わり、2月頃にはさい嚢を吸収してスイムアップ。5月頃放流
。と考えていますが、さてどうなる事でしょうか、楽しみです。
1月28日、44日目、積算温度490度C。
予想はまったくはずれました。一ヶ月半前、来たばかりの時点で(340度C)すでにかなりの数の卵が孵化を始めたものですからすっかり慌ててしまい、ヤマメのように一気にすべての卵が孵化してしまうと錯覚してしまいました。500度C前後の積算温度が必要なはずでしたのにこれでは変です。
 水温の急激な変化でしょうか、水槽の遮光が不完全だったのがいけなかったのでしょうか、それとも濾過フィルターを途中で取り替えたのがよくなかったのでしょうか、原因は特定できませんが・・・たぶんそれらの複合だと思うのですが・・・大量の死卵が発生してしまいました。しかし1月に入ると落ち着き始め、それと同時に孵化も下火になりました。水温は2〜3度Cと低くなりましたが却って正常に戻ったようです。

孵化が完了し、水槽の底で横たわる稚魚。(1月28日撮影)
ゴロゴロと横たわっていますがこれでも何かあると元気に底をはい回ります。
お腹に付けたさい嚢は彼らの栄養源。
これが吸収されると泳ぎ上がって自分で餌を摂らなければなりません。スイムアップはいつ頃になるでしょうか。

2月28日、75日目。積算温度583度C
だいぶ成長しました。ヨークサックも小さくなり体長は20ミリメートル、体色も黒っぽくなりなりました。
覆いをとってのぞき込むと底を元気に走り回るのが観察されます。そろそろ餌付けを考えなければなりません。ヤマメはこの頃になると中層を泳ぎ回ったりしますので餌付けのタイミングが分かり易いのですが、聞くところによりますとイワナはスイムアップしないそうで餌付けのタイミングの判断が難しいとの事で心配です。ここは一番!慎重にいかなければ、と考えています。


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