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カシミール3DとPCナビゲーション(2004年)

運用中のディスプレイ画像

中央自動車道を飯田ICに向かって北上中のディスプレイ画像

ディスプレイ右の黄色の数字はGPSが測定した実測地。位置情報・時刻・移動速度・衛星補足数が表示されている。
白地の数字は地図上のカーソルが指す位置のデータ。

 カシミール3D・携帯GPS・ノートPCを使用し、車載用の簡易ナビゲーションシステムを試作しました。(ナビゲーションシステムと云うよりは、現在位置表示システムと云った方が適切かもしれませんが・・)
 GPS・PC取り付け方法、使用機材、使用方法、問題点等を掲載しました。

1.導入前の課題と問題点
2.使用機材
3.eTrexについて
4.GPSの取り付け
5.ノートPCの取り付け
6.GPS−PCの接続と起動手順
7.使用して

1.導入前の課題と問題点
ア) 携帯GPSが衛星がらの電波を常に受信できる位置と固定方法
イ) ノートPCのディスプレイが運転席と助手席から良く見える位置で、またPCの発熱や
   直射日光から温度を如何に下げるか。それと車に極力傷を付けづに固定出来るか。
ウ) 携帯GPS”GARMIN社製のeTrex”のPC間の接続がRS232Cであるが、RS232Cを
   持たないPCとの接続方法

2.使用機材等
GPS関連 GARMIN社のeTrex(PCケーブルなし)英語版 \17,325
eTrex用パソコン接続ケーブル(1m、外部電源コネクタ付き) \8,190
AC100V電源アダプター(DC3V出力) : eTrex外部電源 \999
RS-232C/USB変換ケーブル(15cm、ラリ−さん推薦) \3,129
インバータ電源 大自工業(株)製 KA-150 : DC12V→AC100V \1,980
ノートPC ※ HITACHI FLORA 220CX   重量約1.2kg(電池別) \15,000
GPS関連機材は(株)SPAのパソコンGPSショップで購入

※ノートパソコン
   OS:WindowsME  CPU:Celelon300Mhz  HDD:4.3GB  
   メモリ:64M+64M=128M  ディスプレイ:10.4型
   このシステムの為に安価な中古PCを購入、余分なアプリケーションが入っていない
   ので、動きは以外と軽快。

地図表示ソフト : カシミール3D
使用地図 : 山旅倶楽部20万分の1地図(東北地方以西をダウンロード)と
         4万分の1地図(目的地とその周辺)

3.eTrexについて
  eTrexのGPSの基本的な精能は、他のeTrexシリーズ上位機種と同一であり、カーナビゲーションとして使うのであれば、低価格のeTrex英語版で十分だと思う。操作についても日本語の取説が付いているので支障は無い。

1.カーナビゲーション以外の利用について
  今年の夏山では、地図上で作成したウェイポイント(山小屋や主な頂上)を、eTrexに
  転送し持参。GOTO機能を使い現在位置から、目的地や出発地までの直線距離を
  測定することにより、行程のどの当たりに居るのか、判断ができるようになった。
 
  実業之日本社出版のカシミール3DGPS応用編(杉本智彦著)には、色々な
  使い方が詳しく紹介されている。

2.eTrexの標高測定値の精度について
  せっかくアルプスまで来たので、標高を測定してみました。
場所 鹿島槍ヶ岳 赤沢岳 蓮華岳
標高 2889.1m 2677.8m 2798.6m
測定値 2902m 2679m 2805m
誤差 +12.9m +1.2m +6.4m

3.eTrexを使用して気づいた点
 ・ディスプレイの解像度が他のeTrexシリーズが160×288pixelなのに対し、64×128pixe
  と低い為、特に緯度・経度の数値が見にくい。

4.GPS(eTrex)の取り付け

使用材料

@スベリ止めシート
Aスポンジシート(5×150×150)
Bゴムシート(5×150×150)
Cマジックテープ

硬めのスポンジシートと重量のあるゴムシートを重ね、eTrexと共にマジックテープで固定する。


材料は全てホームセンターで購入。

スベリ止めシートをダッシュボードに置き、その上にスポンジとゴムシートに固定したeTrexを乗せる。

7月18日大峰越えのカーブの多いR309を走行したが、定位置よりずれることはなかった。

電波の受信も良好。

5.ノートPCの取り付け

運転席と助手席の間で、エアコンの吹き出し口の下にあり、高さも丁度良いドリンクホルダーを利用することにする。
鉄製のアングルを組み合わせて作った、ドリンクホルダー補強金具。
パソコン台

軽くするため、シナベニアを使用、アルミアングルを四辺にはめ込み、補強。

スチール缶を必要な高さでカットし、2本のボルトで固定。
ドリンクホルダーには蝶ナットで固定する。
補強用の金具を取り付けたところ
パソコン台の取り付け

5個のグレーの突起は少し硬めのスポンジで緩衝材の役目と、台とパソコンの間に空間を作り、冷却効果を高めるのが狙い。
パソコンを取り付けたところ
念のため台とパソコンをマジックテープで固定

電源部分はサイドブレーキの横に置く
電源部(側面面)

メッシュのカゴ2個の底を合わせ、ネジで固定。左右にPC用ACアダプタとeTrex用ACアダプタをいれ、その上にインバータ電源乗せる。更にカゴにボルト4本を立て、マウスパッドを取り付ける。
電源部(正面)

インバータ電源コード(右)
PC用電源コード(手前)
eTrex用電源コード(左)
後部座席から見たところ


6.GPS−PCの接続と起動手順

接 続 イ メ ー ジ 図



1.RS−232Cを持たないPCとeTrexを接続するには
  シリアルポートを持つPCMCIAカードを使用する方法と
  USB−シリアル変換ケーブルを使用する2つの方法がある。
  
  関連のホームページを参考させて頂いたところ、PCMCIAカードは動作は安定
  しているが、USB変換では動作が信頼出来ない。との情報は得ていたが、
  あえて価格の安価なUSB変換を選択した。但し製品にドライバーが添付されており、
  しかも最新版のドライバーをダウンロード出来る製品を購入。

2.起動手順
    
  エンジン始動
     ↓
  インバータ電源SW-ON----間違ってもエンジンより先にONにしないこと
     ↓
  パソコン電源ON
     ↓
  USB−シリアル変換ケーブルをPCに差込む-----COMの認識
     ↓
  eTrexの電源ON-----電源ONのままUSB−シリアル変換ケーブルを差込むとCOMは
                 認識されない。(カーソルがディスク上を走りまわる。)
     ↓
  カシミール3Dの起動
     ↓
  通信()クリック
     ↓
  GPSナビゲーションの開始...()→NMEA/SONY()クリック(Ver8.2.1)
      

  ※eTrexは事前に次の設定をしておく

     GPSからの位置情報をカシミール3Dに伝えるために
       MENU画面→SETUP→INTERFACE→NMER OUT

     衛星からの電波を常時受信するために
       MENU画面→SETUP→SYSTEM→MODEをNORMAL

     ちなみにGPS単体で持ち歩く場合は、MODEをBATTERY SAVE
     にしておくことで、電池が長持ちする。

3.終了は起動とは逆の手順で問題はないと思う。少なくともパソコンの電源を切る
  まえに、  エンジンを切らないこと。(PCの電池を取外している場合)
  尚、インバータ電源の取り扱いは説明書で十分確認しておくこと。


7.使用して

 本格的な使用は、7月18日の大峰山系の行者還岳の往復で使用したのと、8月1日からの北アルプス行での2度である。
大峰行では出発時の起動手順ミスに寄るトラブル以外は、特に問題はなかった。
北アルプス行では往路は全く問題はなかったが、復路では下記の事象が発生した。

今年の夏山登山で、長野県大町市まで出かけた際、次の2つの事象が発生。(’04.08)

1.松本から平湯温泉に向かうR158を走行中エラーが発生し、アプリケ−ション(カシミール3D)の再起動を促すメッセ−ジが表示された。支持通りにするとカシミール3Dが終了し、再度起動したときには、それまでの軌跡(トラックデータ)は消去されていた。
この事象は1度だけしか発生しなかったが、原因は不明。(Ver8.2.1)

2.やはりR158と東海北陸自動車道のトンネルが連続した区間で、電波が途切れた際にPCのディスプレイがブルーになった。再び電波を受信すると現在地の地図は表示するが、軌跡を示す赤い線が左下に向かって延びていた。この事象は3〜4回発生。帰宅後トラックデータをチェックすると、その箇所に緯度・経度共に0度の記録があり、軌跡を示す赤い線はおそらく緯度・経度共に0度まで延びていたものと思われる。(Ver8.2.1)

 上記の様な問題が発生したものの、時間的には短時間であり、大部分は正常に動作をした。
本格的なカーナビ(まだ使ったことはない。)のようにはいかないが、常にディスプレイの中央に現在位置を表示してくれるだけで十分である。現在位置さえ判れば、次はどちらに行けばいいのか、おのずから判断できるのだから・・。
また、このシステムでは今まで通過した経路は、軌跡として赤い線で表示されているので、同一ルートで帰る場合、この赤い軌跡を辿れば、元に戻ることができる。


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