春国岱(しゅんくにたい) 
北海道を廻っていて、「何処が素晴らしいですか?」と、よく聞かれました。即座に「春国岱」と答えると、次に「それは何処にあるのですか?」との質問が返ってくる。北海道の人にすら、殆ど知名度のない春国岱。本州からの観光バスもいまだに立ち寄らない秘境。手つかずの、自然が残っている、貴重な場所です。
私はここに2回行き、今年の7月には3回目の自然観察に参ります。では、私を引きつけるものは何でしょうか。
春国岱は、オホーツク海と風蓮湖の間に出来た砂州ですが、最初に出来た砂州にはエゾアカマツの林があり(砂丘に自生するエゾアカマツ林は世界で2例しかないそうです)、何万年か後に、この林の東に次の砂州が出来、林との間に湿原が出来ました。この春国岱は湿原・干潟・針葉樹林・広葉樹林など環境が多様で、2000m級の山に咲く高山植物から、海岸の花まで、四季折々の花が見られ、キタキツネ・エゾシカ・をはじめ、丹頂鶴など海洋から山地の鳥まで100種類近い野鳥が観察できる素敵な場所です。
春国岱の自然観察コースは4コースに別れているが、全てを、じっくりと見て回っても、半日もあれば十分でしょう。
車は右にあるパーキングに置いて出かける。(島の中には自動車道はない)
緑のコース・・・・・・ヒバリコースと名付けられ、春夏はハマニンニクの草原に、ヒバリが多数見られる
青のコース・・・・・・キタキツネコースと名付けられ、アカエゾマツの立ち枯れの荒涼たる風景はわびしさを感じる
赤のコース・・・・・・アカエゾマツのコース、自然林アカエゾマツの壮絶な一生を見ることが出来る
赤紫のコース・・・・ハマナスのコース、3kmにも及ぶ自生ハマナスの大群落は見事
※ 春国岱の中はトイレがない。当然であるがジュースの自販機もない(電柱なし) それだけに自然を堪能する事が出来る


初めての春国岱 96年春 5月 駐車場に車を置いて春国岱に 奥がエゾアカマツ林
立ち枯れ、倒木が多い。その原因は砂地
であり、下の方は塩水であるため→→
根は下に張らずに、横に伸びるので、強い
風が吹けば、すぐに倒れる
しかし、林の中はお互いが風よけになって
エゾアカマツ林が形成されている
この森にも異変が起きつつある。倒木が
腐って肥料になり、土地が肥えたので、
トドマツが進入してきた(写真はトドマツ林)
下が湿地帯のため種子は簡単には発芽で
きない。倒木の上に落ちた種子が発芽して
成長している
湿地帯を好む水芭蕉はコケの合間から可
憐な花を咲かせている
林の中に響くドラミング
アカゲラも巣作りに忙しい
湿地帯には丹頂鶴の姿も 林を抜けると広々とした湿原 知床の山並
みが望める
99年7月 2度目の訪問 今度は湿原を中心に歩いてみた 左が湿原・右がオホーツク海
日本一のハマナス大群落 ハマナスの花は1日しか保たない バラ科のハマナスの花は女性的で美しい
ハマナスには強烈な棘があるので、キタキ
ツネなどの動物は潜り込めない
となれば野鳥にとっては巣作りの天国 しかも水は豊富にあるし
餌にも事欠かない 野鳥を見ていて、半日
が過ぎてしまった
春国岱から橋を渡って根室の本土に 長靴があるので、風蓮湖で貝拾い
ことしの7月、3回目の訪問はどんなドラマ
が待つことやら


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