北海道を廻っていて、「何処が素晴らしいですか?」と、よく聞かれました。即座に「春国岱」と答えると、次に「それは何処にあるのですか?」との質問が返ってくる。北海道の人にすら、殆ど知名度のない春国岱。本州からの観光バスもいまだに立ち寄らない秘境。手つかずの、自然が残っている、貴重な場所です。 私はここに2回行き、今年の7月には3回目の自然観察に参ります。では、私を引きつけるものは何でしょうか。 春国岱は、オホーツク海と風蓮湖の間に出来た砂州ですが、最初に出来た砂州にはエゾアカマツの林があり(砂丘に自生するエゾアカマツ林は世界で2例しかないそうです)、何万年か後に、この林の東に次の砂州が出来、林との間に湿原が出来ました。この春国岱は湿原・干潟・針葉樹林・広葉樹林など環境が多様で、2000m級の山に咲く高山植物から、海岸の花まで、四季折々の花が見られ、キタキツネ・エゾシカ・をはじめ、丹頂鶴など海洋から山地の鳥まで100種類近い野鳥が観察できる素敵な場所です。 |
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初めての春国岱 96年春 5月 | 駐車場に車を置いて春国岱に | 奥がエゾアカマツ林 |
立ち枯れ、倒木が多い。その原因は砂地 であり、下の方は塩水であるため→→ |
根は下に張らずに、横に伸びるので、強い 風が吹けば、すぐに倒れる |
しかし、林の中はお互いが風よけになって エゾアカマツ林が形成されている |
この森にも異変が起きつつある。倒木が 腐って肥料になり、土地が肥えたので、 トドマツが進入してきた(写真はトドマツ林) |
下が湿地帯のため種子は簡単には発芽で きない。倒木の上に落ちた種子が発芽して 成長している |
湿地帯を好む水芭蕉はコケの合間から可 憐な花を咲かせている |
林の中に響くドラミング アカゲラも巣作りに忙しい |
湿地帯には丹頂鶴の姿も | 林を抜けると広々とした湿原 知床の山並 みが望める |
99年7月 2度目の訪問 | 今度は湿原を中心に歩いてみた | 左が湿原・右がオホーツク海 |
日本一のハマナス大群落 | ハマナスの花は1日しか保たない | バラ科のハマナスの花は女性的で美しい |
ハマナスには強烈な棘があるので、キタキ ツネなどの動物は潜り込めない |
となれば野鳥にとっては巣作りの天国 | しかも水は豊富にあるし |
餌にも事欠かない 野鳥を見ていて、半日 が過ぎてしまった |
春国岱から橋を渡って根室の本土に | 長靴があるので、風蓮湖で貝拾い ことしの7月、3回目の訪問はどんなドラマ が待つことやら |