今度は念写カメラ

ふたたび Kodak の mc3 である.前回は焦点距離の微調整だったが,レンズをどんどんねじっていくと,レンズを外すことができる.レンズが外れたデジカメではもちろん何も写らない…が,かわりにピンホール「レンズ」をつけたら,何か写るかもしれない.さっそくやってみよう.

Kodak mc3 正面図Kodak mc3 ピンホール「レンズ」装着ピンホール装着

ピンホール「レンズ」はアルミホイルに穴を開けて作成し,純正レンズ装着用の筒にかぶせて輪ゴムで固定した.センサー面からピンホールまでの距離があるので,かなりの望遠「レンズ」になりそうな気配である.それは良いのだが,実はここで一つ問題がある.mc3 はシャッター速度が 1/20秒以下にはならないらしく,今まで撮影した写真の Exif 情報を見ても 1/20秒以下のスローシャッターは一枚も無い.ピンホールカメラのシャッタースピードは 1秒とか 2秒,天気によっては 20秒とか 2分なんてことも普通にある.これで本当に写るのだろうか.

論より証拠.やってみた結果がこれである.

電球のパッケージの写真mc3 作例 1 ホンダビートの写真mc3 作例 2
ビルと桜の写真mc3 作例 3

電球のパッケージの写真(作例 1)は室内で,100W 電球下で撮影している.ただし,かなりライトをパッケージに近づけた上に,後処理で明るさとコントラストとあげてある.作例 2 と 3 は明るさとコントラストは変えず,画像のサイズを変えただけである.ともあれ,写っているといえば写っている,写ってないといえば写ってないともいえる,つまり,かなり微妙な写りだといえよう.前回は「近視カメラ」であったが,これはさしずめ念写カメラといったところだろうか(笑).しかし,ピーカンでなければならないとはいえ,意外に写るものでは,ある.

なお,今回の作業には CMOS センサー破壊の可能性に加えて,センサー面に埃をつけてしまう可能性がある.メーカーはもちろんそんなことまで面倒を見てくれない(ハズ)なので,自己責任でやってほしい.

TOP に戻る

2004 Copyright (C) Hajime Tsuchiya. All rights reserved.