ラジオの研究

年を取ったせいか, 最近テレビを見る必要性を感じることが減りました. テレビを見ないわけではなく, 見たい番組が無いわけでもないけれども, 見なければ見ないで済むことが多くなりました.

その代わり, よくラジオを聴くようになりました. 私は大学入学の年にもラジオをよく聴いていましたが, 当時はテレビを持っていなかったので, 選択の余地はありませんでした. 今は家にテレビは2台ありますが, どうやら人間の方がテレビのペースと合っていない気がします. 「今時のテレビは」と罵るのは簡単ですが, よく考えてみるとやはり見る側の問題のような気もします. つまり, テレビは昔からこんなモノだが, 人間の方はそうでもなかったんじゃないかと.

つちや家には, ラジカセを除いて考えても大小とりまぜて6台のラジオがあります. その中にボタン選局 (正確には PLL 選局) の短波ラジオがあり, 家で使うならこれでもよいのですが, スタンバイ状態での電気をたっぷり使っているようなので, ケチな持ち主としては好きになれません. かといって, ダイヤル選局では局間の移動が面倒です. 結局, ボタン選局のスピーカー付き通勤ラジオを使っていたのですが, 電器屋で良さそうなラジオを見つけました.

ソニーの製品で, 電池と電灯線のどちらも使えます. 選局はプリセットされた放送局を, 十字キーで選びます. プリセットも 14枚のカードの中から自分の住んでいる地域のカードを選んでラジオにセットするだけ. 全体的に操作が簡単で, よく考えられて作られているようです.

早速購入して使ってみます. 感度も悪くなく, 音質もラジオとしてはこんなもの. ただ, 電源を切っても液晶表示が完全には消えませんし, 前回聴いていた局を記憶するためや電源ボタンをフェザータッチにするために, いくらか電気を使っているようです.

心配なので, 短波ラジオと併せてスタンバイ電流を測ってみることにしました. 電源を切った状態で電池に直列に電流計を入れて測ってみると, 短波ラジオでは常時 1mA 以上流れていますが, 今度のは 30μA くらいで済んでいます. 短波ラジオの電池は単三でしたが, 今度のは単二になっているので, これなら充分使い物になるようです.

ここでふと, 妻が自分の携帯ラジオに文句を言っていたことを思い出しました. やはり, 電池を入れておくと聴いていなくても電池が勝手になくなってしまう, と言います. このラジオには時計がついていて, 電池がある限り時計が動いているのですが, これが電池を喰う原因だと, 妻は疑っているようです.

測ってみると 20μA ほど流れています. ところが, 時計のついていない私の携帯ラジオでは 30μA くらい流れていますから, 妻のラジオはどちらかといえば優秀なようです.

話をよく聞いてみると, どうやらラジオの使用頻度が低すぎるのが, 不満の原因のようです. 私は自分の携帯ラジオをほぼ毎日使っているので, 電池が無くなっても「そんなもの」で済みますが, 普段使わないのに勝手に時計が動いたあげく, 使いたいときに電池が無くなっていたら, 不満を感じても仕方ないと思います.

しかしもう少し考えてみると, 今時腕時計か携帯電話か, 何かしら時間のわかるものは持っているはずなので, 何も携帯ラジオに時計はついていなくても良いように思います. とすれば, 時計を無くして電源はメカニカルスイッチにし, 前回聴いていた局のメモリーを無くすか電流を流さなくても記憶できるようにする. プリセットは ROM にして地域で選ぶようにしておけば, ボタン選局ラジオでもスタンバイ電流をゼロにできるはずです.

そういう要望は, たぶん無いでしょうけれど.

今回研究したラジオ.
[左上] SONY ICF-A100V.今回購入の簡単操作ラジオ
[右上] SONY ICF-SW55.電池大喰らいの短波ラジオ
[左下] Hioki F-75 と SONY SRF-SX230R.測定用テスターと妻の通勤ラジオ
[右下] AIWA CR-DS300.筆者の通勤ラジオ

なお, この文章はワープロの原稿用紙フォームを使用して, 縦書きで執筆されました. 横書きで字数を気にせず書いているときと比べて, 文章濃度が3割増しぐらいになっている気もしますが, さていかがでしょうか.

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