自動車マニアには,マニアとしてのいろいろな義務があります(嘘).できるだけ多くの種類の車に乗ってみるとか,いろいろな車の壊れ方(壊し方)とその修理の方法を体験しておくなんてのもそうなの背ですが(大嘘),いろいろなパーツを試してみるということも,義務の一つなので,あります.
筆者はサスについてはワンオフもの車高調とサスキット2種(ロゴも含む)を常用していましたから,減衰力調整以外はおなかいっぱい.エンジンはオーバーホールまでは体験したので,この先はフルチューンしかないのですが,それは今後の課題 ^_^;;;.定番パーツのマフラーについては,あまりに定番なのとどうせ馬力がちょびっと上がる「だけ」とおもっているのであえて避けることにして.そうすると残るのは,
L.S.D. (Limited Slip Differential)
LSD についてですが,周囲のヒトに聞いても「いや,スポーツ走行するならあれは必須ダヨ」という意見しか帰ってこず,なにがどうイイのか,どこがどう変わるのかという話は,あまり伝わってこないんです.で,まぁ,その,マニアの義務として,買ってみるしかないかな,と(笑)
さて.
ビートの LSD ですが,以下のような選択肢があります.
ワンオフで頼めば,マニアにふさわしい妙なものができてくるのは間違いないので,とりあえずクワイフにメール打ってみました... が,
作ってあげてもいいけど,できるかどうか先にチェックしたいから,この設計図に必要な数値入れて送り返してちょうだいね.
といって送られてきた図がどうにも理解不能だったので挫折しました.そりゃ,デフの直径とか取り付け穴の数とかだけだったらどうにでもなりますけど,ドライブシャフトスプラインの歯車のタイプはなに?とか,聞かれても,ねぇ.
ホンダ純正 2way は,そもそも装着車が非常に少なく,パーツもほぼ無いという噂だったので,一番簡単に入手できるクスコの RS にしました.装着はホンダツインカムにて.というか,いつものオートテラス(ディーラー)に頼んだら,
ソレハちゅーにんぐニナッテシマイマスノデ,勘弁シテクダサイ
なんて断られてしまいました.するってーと,お宅でつけてもらったアゼクトのサスや無限のサス,お宅で売ってるマフラーやらエアロやらは,あれは「ちゅーにんぐ」じゃ無いとでも?(謎)
註: いやまぁ,ディーラーの言い分もわかりますが,それにしても,もうちょっと言い方があるんじゃないと...
本題に入る前に,ここでちょっと仕様をまとめておきます.
それと,恒例の費用リスト.今回はクラッチ板も交換しましたので,その分の部品代も入っています.
LSD クスコ タイプ RS 108,000 トランスミッションオイル クスコ 80W-90 3,200 ショートパーツ 1,000 クラッチディスク 5,700 クラッチディスクカバー 11,000 クラッチケースオイルシール 380 トランスミッションケースオイルシール 390 シム 340 レリーズベアリング 2,700 レリーズフォーク 1,050 レリーズフォークスプリング 165 -------------------------------------------------- 小計 133,845 作業工賃 70,000 消費税 10,192 -------------------------------------------------- 合計 214,037
マニアも大変です ^_^;;;
「LSD 付きのクルマ」というと,「ぺきぺき,ぱきぱき」という LSD 動作音の印象が強いのですが,今回のタイプ RS + クスコオイルの組み合わせでは,ぺきともぱきとも言わず,物足りないくらいです(笑).最初は(差動を)ロックしていないのかと思っていたのですが,景気よく発進しながら曲がろうとするとちゃんとずるずる行くので,どちらかといえば差動していないのかも ^_^;;;.タイヤが負けてるだけだったら良いのですが.
ギアの入りはあからさまに悪くなりました.これはホンダツインカムでも警告されていたのですが,オイルの問題らしいです.で,入りが悪いだけじゃなく,ギア(シンクロ)がいたむそうです.ホンダツインカムでは「結局,デフの耐久性を取るか,ギアの耐久性をとるか,どっちがいいか,ってことなんですよ」と言っていたのですが,どっちでもいいから壊れたときに安いほうを犠牲にしてほしい(笑)
ついでながら,LSD オイルは 5,000キロで交換と言われました.筆者の場合は
4,5 ヶ月に一度ということになりますが,面倒なので,できれば半年ごとにしたいなぁ.
運転感覚は,普通です.街中でスピンターンするわけではないので,全然普通です.ギアが入りにくいといってもちょっと調子の悪いクルマだったらこんなもの,という程度なので,ますます普通です.ただ,妻に運転させてみると
LSD 無しの時はリアの落ち着きが無くて怖いクルマだなぁと思っていたけれど,LSD 付いたら直進性がすごく良くなって,運転しやすくなった
と言います.そう言われて見れば,そうかもしれない.
えーっと,とりあえず 360度ターンができます.それから,ミスコースしそうになったときに,スピンターンでコースに戻れます.あと,路面が滑りやすいときは,制御がやりやすいような気がします.以上,おしまい.
...と言うか,そもそもジムカーナで LSD が必要になるケースって,これだけのような,気が...
サーキットで MR 車(もしくは後輪駆動車)の 1way の LSD が有効な場合は
という2点じゃないかと思っていました(違ったら指摘してください).で,ビートに LSD つけて TC1000(筑波東コース)に持ち込んでどうだったかと言うと,
高速コーナーの方は良く考えてみるとあたりまえで,オープンデフの時もイン側は浮いてなかった(駆動力がかかり続けていた)んです. LSD になったからといって余計に駆動力がかかるわけでもないので,結局変化なし.
低速コーナーの方はもっとあたりまえで ^_^;;; 横方向のグリップがいっぱいいっぱいの状況で,今までは前に進まなくなることでかろうじてクルマの安定が保たれていたのに,LSD で前に進めるようになってしまったので,ついに破綻してしまった,と.で,この場合,アクセル踏まないか(LSD の意味なし),ハンドル戻して横に滑りながら前に進むか,おとなしく回るに任せるか ^_^;;; の選択なのかな,と思います.あとは,トラクションコントロールでも付けますか?(意味なし)
しかしこのあたり,実はタイヤがしょぼいせいという気も,しないではないのですが.
世間で LSD の話を聞くと,どうも
付けた→(デフロックが)効いた→ウレシイ
と言う話にしかならないような気がするのですが(気のせい?),筆者はヘソマガリなのか何なのか,どうもそういう結論にはならないのでした.つまり,
まぁしかし,つけちゃったものいまさらどうこう言っても始まりませんしね.練習してずっと横向きで走れるようになれば,また違う結論になる鴨.
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