マレーシア日記

マレーシアで,草レースを見てきました.

というのはもちろん半分嘘で,本当のところは「全日本 GT 選手権の第四戦マレーシア GP をセパンサーキットまで見に行ったのだけれど,あまりのツマラナサに飽きてしまってサポートレース(前座レース)のパドックに入りびたってました」といったあたりなのです.

ツマラナイのは主催者のせいでもドライバーのせいでもなく,エアコンの効いたピットスイートで観戦するには年齢的にも性格的にも無理があることは分かり切っているのに,そう言うツアーに参加した自分がもちろんイケナイんです.でも,一度くらいはピットスイートも見ておきたかったんです.まさか,F1 でピットスイート席なんて取れませんし.

私はセパンサーキットには 2000年の F1 Malaysia GP を見に来ていて,その時はグランドスタンド席でした.今回はピットスイートだったわけですが,それ以外にあちこち歩き回った結果を考え合わせて観戦場所ランキング@セパンサーキット(つちや版)を作るとすると,こんな感じになります.

  1. ピットのビルの屋上,1コーナー側
  2. 1コーナースタンド
  3. バックストレート側スタンド(サポートレースのピットがない場合)
  4. 最終ヘアピン

ピットスイートは,レースに興味がない方にお薦めですね ^_^;;;
私は当分遠慮します.

で,サポートレース.

これは Malaysian Super Series といって,今年の 5月に第一回が行われたそうです(今回は二回目).クラス分けは

となっていて,スーパーカークラスにはマレーシアの有名なドライバーが多数出場しているそうです.「草レース」なんて言っちゃぁいけませんね ^_^; しかしスパーカークラスといってもランボルギーニとかフェラーリとかが出てくるわけではなく,GT ウィングの生えた RX-7(FC のようだけど改造が凄くて良くわからない)やランエボ,シビックRあたりが S タイヤ履いて出てくるだけのことなので,にっぽん国の走行会の方がクルマ的にはスゴイかも ^_^;;;

クラシックカーレースも日本で言えば「ネオ・クラシック」あたりでして,240Z とか初代シビックとか,Mini Cooper あたりが出ていました.それに混じって Porsche 911 と TVR Tuscan が出ているのは,いいんでしょうか ^_^;;; Mini なんかはボディが完全に FRP だったようだし,このクラスはスリックタイヤありのようなので,もうちょっと狭いコースだったらイイ線行くかもしれませんけど,セパンのフルコースってのは,ちょっと…

プロダクションカークラスというのは,PROTON 社の 1.5リッターセダンのクラス,Satria GTi クラスは同じ PROTON 社の Satria というクルマのワンメイクのクラスです.この二つのクラスはタイヤがワンメイク,それもにっぽん国で言えばルマンか B500i のようなふつーのタイヤを履いてました.車体は内装をはがし,運転席以外を外しロールケージを入れてありますが,外観の改造は特になし.マフラーは外してあるらしく爆音君状態で,ネジ式の車高調整サスが付いてます.ナンバーも付いているので車高調とロールケージは車検(あるのか?)上問題なさそう.道で出会ったときは爆音君ではなかったので,たぶんサーキットでマフラーを外すんでしょう.

プロダクションカークラスと Satria GTi クラスの走りを 1コーナーで見た感じ,上位半分はかなりまともな走り,残り半分は「ちょっと,ライン教えてあげるからオレにクルマ貸してみ?」な感じでした ^_^;;; セパンの 1コーナーはアウトに抜けると 2コーナーのインに詰まってどうにもならなくなるのでインベタで抜けないといけないのですが,毎回 2コーナーで詰まっているクルマが…
この二つのクラスであれば,にっぽん国の走行会でちょっと速いヒトならいいところに行けそうです.誰か,出ませんか?

参戦はもちろん冗談ですが,せめて GT のドライバーによるドライビングレッスンやデモランをするとかした方が,キャンギャルの輸出なんかするよりはよほど意味もあるし,尊敬もされると思うんですけどねぇ.もちろんキャンギャルのイベントもそれはそれで望まれているのかもしれないけれど.2000年の F1 の時には,ミカサロが地元の子供にカートの指導をしたのが報道されていたので,それと,つい,比較しちゃうんですが.

サポートレースのパドックにはほとんどチーム関係者しかおらず,観客はほとんどいません.もちろん日本人はほとんど来ませんが,そう言えばチーム国光のヒトが地元のレース関係者らしいヒトに連れられて,一周まわってました.しかしその風情は「熱心に見て回った」という感じではなく,どちらかといえば「顔を立ててあげました」といった様子でした.行くだけ立派とも言えるけれど,もう少しコミュニケーションがあってもいいんじゃないかしらん.

土曜日の予選終了後にホテルに帰ってテレビを見ていたら,マレーシア首相 Datuk Seri Dr Mahathir Mohamad 氏が,与党 UNMO の党大会で突然の引退声明を発表して大騒ぎ,のニュースをやっていました.翌日(日曜日)にピットスイートで配られていた英字新聞の一面トップには,まるで「加藤の乱」の時の「殿の切腹を止める側近の図」みたいな写真がデカデカと載り,紙面の半分はこのニュースでした.

食い入るように新聞を読むのは現地のヒトだけで,レース関係者も観客も,日本人は見開き2ページしかない GT の記事しか読んでいないようでした.首相が自動車産業やモーターレースに注いでいる情熱のことを考えると,このニュースに反応しないのは単なる不勉強?それとも,とりあえず市場としてイベントを消化してもらえれば,それで良いとか?

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