ビートのアンダーステア, ビートとアンダーステア

ビートと言えば軽自動車でミッドシップリア駆動, しかしサスは良く調教され過ぎていて何があってもアンダーステアと, たいていの紹介記事には書いてあります. 自分の持っている分だと国沢光宏氏の書いた CAR SENSOR vol.150 の 試乗記もそうなっています.

成田モーターランドで大石さんのビートを運転させてもらった時 もリアがブレークする気配は全くなかったし, ブレーキ掛けるとフロントが先にロックしてしまい, リアを振り回すところまでは至らなかったので, これはもうそういうクルマである. ビートはミッドシップだけど, オーバーステアとかスピンとかとは無縁なクルマであると思い込んでいました. プレステのグランツーリスモ2にはビートが出てきますが, これだってスピンさせた記憶はないし...

ところで.

筑波サーキットには本コース以外に「東コース」というコースがあります. 本コースは一周約 2キロ, 東コースは約 1キロでして, 最近ではそれぞれカッコ良く :-) 「TC2000」「TC1000」と呼ぶようです. この TC1000 で 3/22 に走行会があったので, 行ってきました.

ここの場合, ビートの性能だと度胸を試される (笑) のは 1コーナーだけです. 約 200メートルのホームストレートから 80度くらい右に 25Rで曲がり, 100R でちょこっと曲がった後 100度くらい右に 40R. 入り口では 3速が売り切れて 4速に入っていますから, 100km/h 弱くらいでしょうか (見てない (苦笑) ).

最初のうちは一周 52秒台でグリップ走行. この段階ではどこへ行ってもアンダーステア. ところが一周 51秒を切るあたりになると, 1コーナーのターンインでリアの 185/55R14 が悲鳴を上げはじめます. 純正サイズは 165 (/60R14), つまり 2サイズも太いんだから, そうめったなことで鳴いてもらっちゃ困るんですけど (笑).

しかし, 良く考えてみると, TC2000 (本コース) の最終コーナーを 120km/h で曲がろうとすれば, 普段はグリップしまくってしょうがないトゥデイのリアタイヤだってブレークしてオーバーステアになります. そこでアクセル踏んでフロントも流してドリフト状態に持っていけば安定して曲がれるんですが, 失敗してフロントをグリップさせてしまえばイキナリ回るんですから, 結局「普通のクルマはアンダーステアにしてある」というご託宣は, 「ある速度域においては」という条件付きなんじゃないかと思います. で, 一般のヒトは 100km/h とか 120km/h とかでコーナリングしようとは考えないから, 条件文は省略してしまってかまわない, と.

雪道とか凍結路面とか, 極端な路面条件になるとアンダーからオーバーに転ずる速度がずっと低くなる筈で, そうすると一般人でもスピンすることになる訳ですから, あんまり単純に条件文を省略して良いかどうかはちょっと疑問ですが.

しかし, 本当の一般人は試乗記やら自動車評論やらを読まないような気もしますし, そうなるとやっぱり時速何キロで試乗したかは書いておいて欲しいようにも思いますが.

ともあれ, リア駆動のクルマは初めてなので, 制御法をいろいろ試してみることにします.

タイヤが鳴いている時にアクセルを緩めてトラクションを抜いてしまうと, かえってリアが安定せずちょっとふらつきます. 少し荷重を掛けてあげた方が良さそう. ところが景気良くトラクションを掛けるとリアタイヤが

ぎょわぎょわぎょわ... ぎゅわわわわ... ぎゃー

ぎゅわわわのあたりでカウンターを当てはじめ, ぎゃーのあたりでフルカウンター. と, 一瞬音が止まって次の瞬間クルマは反対方向にスピーン (笑)

ひえぇぇぇ

クルマはそのままコース外へ. トゥデイで転んだときの情景が頭の中に浮かびますが, 周りに土ホコリは立っても石は流れません. ここは元々は芝生, 今はみんながあまりにも多く飛び出すので芝生が剥がれてただの土になっていますが, 足をとられて転ぶことは余り無いようで助かりました (保証はしません).

結局この日は飛びだしたのはこれだけで済みましたが, 回ってコース内に止まったのが 2回, タコ踊ってカウンター当てまくったのが 1回あり, かなり反省点が残りました. 自己ベストタイムは 49秒761 で, これはビートとしてはこんなものらしい (良くわからない).

それにしても, 一体自動車評論家の皆様は, 時速何キロで試乗しているんだろう. 国沢氏のは箱根のようだし, 違法な速度では無いとすると 30km/h か? (笑)

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