バブルの遺産 その2

せっかく納車になったビートだったが, 一ヶ月点検の時にエアコンが効かないことが発覚し, いきなり入院することになった. で, 代車で出てきたのがこのクルマ.

[INLINE]BB4 Prelude

どう見ても代車には見えない (笑)

このクルマもバブル期に売っていたクルマ, しかもこの前の型あたりまでは売れ筋のクルマだったので, 設計にしろ内装にしろ, かなり気合いが入っている (ようだ). その割にあまり売れていなかった記憶があるが, なぜだろう?

とにかく乗ってみることにする. もちろん, これに乗らないと会社に行けないのだから, 選択の余地がある訳ではない. このクルマはオートマだが, VTEC の 2.2 リッターともなるとオートマであっても全く問題なく, 必要十分以上の加速ができる. 追い越しも進路変更をし, ちょっとアクセルを踏み込むとほとんど瞬間的ともいうべき短時間に, 相手の前に出ることができる. 信号での全開発進は... ほとんど反社会的行為になってしまうので止めておいた方がよかろう. とにかく速い. しかもおそろしく.

しかし全開加速中に 1速から 2速にシフトアップすると, その瞬間ハンドルがとられてクルマの挙動を乱すことがある. トルクステアだろうか? これがあるので, 常人は公道で全開加速を「しない方がよい」ではなく, 明確に「してはならない」というべきであろう. むろん, 別の理由からもしてはならないのだが.

また, 普通に道路をまっすぐ走っている時でも, このクルマは路面の変化を敏感に拾ってハンドルを取られることが, 良くある. 下半分はほぼ共通のはずの CD アコードに乗っている横尾さんに聞くと, アコード純正サイズ 205/55R15 だと上記フル加速中シフトアップ時は同様にハンドルをとられることがあるけれど, 普通に流して走っている時はそういうことは無いそうである. とすると, このクルマについている 215/40ZR17 のタイヤ (代車のくせにこんなの履いていいのか?) のせいだろうか? しかし, 加減速による姿勢 (荷重) 変化をさせると舵の効きがあからさまに変わるので, もしかしたらある特定のパターン (加速時に舵を切るとか) に合わせてチューニングしたあげく, 普通の状態で訳がわからなくなったの, かも知れない.

ちなみにこのプレリュードも純正指定サイズは 205/55R15 (または 195 サイズ(扁平率失念) )である. このサイズに対してタイヤメーカーが推奨するインチアップサイズには, 実は 215/40ZR17 は入っていない. 外径はほんど一緒なのだが, ロードインデックスが 87 (205/55R15) から 83 (215/40ZR17) と, -4 になってしまうからである (推奨は -3 まで).
ホントにこれでいいのか? > オートテラス

このクルマのダブルウイッシュボーンサスペンションは, まっすぐ走っている間はごつごつとした固さを感じさせるのに, コーナーではだらしなくロールしてしまい, 運転者に「転倒するのではないか」という恐怖感を与える. ロゴ改アゼクト足仕様よりも限界を感じる速度は明らかに低い.

内装は「がんばったんだけど, ちょっと今見ると古いよね」という感じ. シートは大きくて背もたれは厚みがあり, まぁまぁしっかりしているのだけれど, いかんせん座面が柔らかく, 座るとだらしなく沈んでいくのでなかなか上手く座れない. ただし, 比較の対象はレカロ (の一番安いやつだけど) なので, 元々比較するのがおかしいのかも. 運転席から助手席が押し倒せるように, 助手席の運転席側にレバーがついているのはプレリュード一族の伝統の仕様だったような気がするが (最近のは違うのかな), じゃぁ助手席から運転席を押し倒せるようにはなっていないのはなぜだろう?

ハンドルの向こう側は室内幅いっぱいに棚になっていて, その奥にメーターやら警告灯やら時計やらが埋めこまれている. 棚中央には蛍光表示管を使った燃料計と水温計があって, なんとなくオーディオ機器のようである. もっともこの燃料計はあまり信用できない (クルマが傾くとすぐに指針が 2目盛くらい動く) し, そのうえクルマ自体燃費がそれほど良くはないので, 助手席から見ていてあまり楽しいものではなかろう (笑). ここに埋めるのだったらオーディオのレベルメーターか何かがいいんじゃないだろうか. それも, できるならば McIntosh か B&O が良かろう.

[INLINE]Prelude Instrument Panel

走っていて道路のコブ (マンホールの蓋とか) に乗り上げると, リアの窓枠のどこかがみしりときしむ. これがあったので, 最初このクルマはセリカリフトバック (古いね) のようにリアの窓ごとトランクが開くのだとばかり思っていたのだが, 開けてみると窓は動かなかった. それならそれでもうちょっと強度がありそうなものだが...

そんな訳で, まとめると,

というクルマであった. 私はこういうクルマ (大排気量オートマ車) も嫌いではないが, どうせならもっとステアリングの反応をダルにして, のんびりと運転したいものだと思った.


○: つまり, これも「バブルの遺産」なのかしら?

●: 確かにそうなんだけど, あのインパネ見てるとむしろ「ついに来なかった未来」っていう感じだと思うんだよね.

○: 鉄腕アトムみたいなもの?

●: アトム作ってるじゃん (笑)

○: あ, そうか (笑)

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