ビート補完計画 (その1) 無限 Sports Suspension Kit

前回の TC1000 走行会までで純正状態のビートの弱点はわかってきたので, そろそろ補強を考えることにしました.

まずどうしてもやらないといけないのが足周り. 純正は乗り心地もあまり良くない (笑) 割にはロールが大きく, コーナーでアクセルを踏んで行けないのでストレスが溜まります.

2001 年 8月の時点で, 比較的低価格なビートのサスペンションキットは以下の 3つがありました. 無限と HALF WAY は車高固定, HONDA TWINCAM は車高調整式です.

  1. 無限, Sports Suspension Kit 102,000円
  2. HALF WAY, CAT WALK 128,000円
  3. HONDA TWINCAM, サスペンションキット 158,000円

キットにこだわらないのであれば, タナベや AZECT のバネ + カヤバや GAB のショックという方法はもちろんありますし, もっとお金を出して HALF WAY や AZECT の車高調整式もあります. 純正バネにカヤバのショックという組みあわせも, 当座かかるお金を節約するという意味もあって, ちょっとやってみたい気もしました.

それや, これや. ネット上での評判. お金. デリバリー状況(註). いろいろ考えた末に, 順当に無限に決定. 月曜日にオートテラスに手配と装着依頼をして, 金曜日に装着完了.

  無限サスペンションキット      102,000円
  工賃 (サイドスリップ,ヘッド    18,200円
  ライト光軸調整込)
  消費税                          6,010円
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  合計                          126,210円
註: 情報収集中に「無限は生産中止だって聞きましたけど?」と言いながら, 自社製品を薦めるショップがありました (しかもその自社製品は欠品中). 現実には無限に在庫があったので, この情報は善意に取れば「誤り」, 悪意に取れば「嘘」ということになります. いづれにせよ, 状況に応じて複数の情報源を利用されることをお勧めします.

スペック等

まず最初に, 無限のカタログに出ているバネレートの値と, キットの取り扱い説明書に出ている値とが, なぜか違っています. カタログ (2000年版, 2001年版共) では前後 2.9kg/mm, 取説では後は 2.9kg/mm ですが前は 2.1kg/mm. 乗った感じでは取説の方が正しそうで, リアからの突き上げは結構貰いますが, フロントからはさほどでもありません.

ショックは純正と同じ SHOWA 製で, 径は純正と全く同じ. バネ径は...測ってません.
トゥデイ用テクニカ車高調はバンプストップラバーが付いていて, ロゴ用アゼクトキットにも付いている感触があるのですが, ビート用は純正サスにも無限サスキットにも付いている感触がありません. そこから考えると, 純正バネにカヤバショック, それに適当なサイズのウレタンラバーという組み合わせが, 実は結構面白かったかも.

無限脚は痛いか (街乗り編)

[リア側装着状況] リア側装着状況. 下側のピッチの細かい部分は車重で密着する.

ネット上では「純正と同じ (純正も痛いけど)」から「胃に来る」「やっぱ痛い」 までいろいろな評価のある無限脚ですが, 私は「サス単体ではちょっと痛い, でも許容範囲」と思います. ただし, 前提条件は「タイヤが純正サイズで, 適正空気圧であること」.

今使っているのは純正サイズの GRID II ですが, 適正空気圧 (というか, 純正指定空気圧) で使っている限りでは, それほど痛さを感じずに済みます. が, 空気圧が高ければ跳ねまくり, 低ければ衝撃が直接胃に響きますので, 結局「タイヤさん, がんばって」なサスだとは言えます.
面白いことに, 適正空気圧で乗っている限りにおいては, 運転席のレカロよりは助手席の純正シートの方が振動を感じにくいようです. 固有振動数の関係なのかな?

テクニカ車高調 (バネ 6kg/mm) よりはずっと乗り心地は良いです. ロゴ用アゼクト脚 + GRID II 175/70R13 よりも良いかも.

無限脚は楽しいか (ジムカーナ編)

ビートの場合, 幌の上げ下げによって操縦性は結構変化します. 純正脚で幌を下げれば強アンダー (という話なんだけど). 幌を上げると重い幌の骨が前上方に移動するので重心も前上方に移動, 従ってロールは大きく, ハンドリングは弱アンダーに変わります. 以下の評価は幌を上げた状態での話なので, その点ご留意下さい.

で.
富山県の IOX AROSA というスキー場の駐車場でジムカーナをする機会があり, そこできっちり走り込んできました.

操作に対する反応や切り返しの速さは「純正よりちょっと速い, かな?」 というくらいで, ほぼ純正と一緒.

ロールは結構押さえられていて, ストレスはあまり溜まりません (笑). ただ, 縮み側は良いんですが伸び側はやっぱりどうしようもないので, 脚が伸びきったあげくにインリフト, そこでトラクションを失ってリア荷重が抜け, リアのグリップを失ってスピン, というケースが何回かありました. 助手席に人を乗せると重量バランスが良くなってトラクションが抜けにくくなり, タイムも若干上がる場合があるようです.

ハンドリングは純正脚の頃から「これって, 本当にアンダー?」なところがあったのですが, 無限脚になってビートには珍しい「明確に弱オーバー」になりました (笑). 中速コーナーでちょっと気を抜くとリアが外に流れていきます. タイヤの空気圧を前 240kPa 後 260kPa と, けっこう高めにしていたこともあるかも知れませんし, リアのバネレートだけ上がってスクワットが減る分, 傾向としては正しいのかも知れませんが, それにしてもちょっと行き過ぎのような気もします.

運転手の性格には, 合ってるみたいですが :-)

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