バブルの遺産

ちょっと, このタイトルは何のこと?

え?この間トゥデイ廃車してクルマ買ったじゃん

あのクルマってそんなにヒドいの?

???

だってバブルの遺産って言ったら株で大損こいたとか地上げで町が消えたとか, 借金が返せなくて会社がツブれたとか住宅ローンが返せないとか, ロクでもない話ばっかりじゃん.

うーん, それはその通りなんだけど, 遺産って言ったら財産と借金と両方あるよね. ヒトラーだってフォルクスワーゲンとアウトバーンは遺したんだしさぁ.

それはそうだけど.

このクルマに関しては, 「バブルの時期にしか市販できなかった」という意味で, 遺産と言いたいんだよね.

ふーん


例えばさ, NSX なんてバブルの時でもなきゃ売れないよね. 今でも作ってるし売ってるけど, 今企画して売り出したりはできないでしょ.

今売ってるのはオデッセイにステップワゴンにライフだもんね... あれ? でも S2000 は?

(うぐぐ, 痛いところを...) でもあれ 300万円くらいだし, そもそもそんなに売れてないじゃん.

そっかー

M社の場合は 3ローターのコスモとかね.

さすがにリッター 2キロじゃ売れないもんね.

七宝焼きのエンブレムに漆塗りのインパネの某社の最高級車とか.

大T社様は?

あそこは全体的に高級化に走ったような気がするけど... 「大きな愛」 のあたりのカローラって, それ以後よりずいぶん高級そうだった筈だし.

うーん, 確かに

あ, 待った, あるよバブルの珍車. ガルウイングのあれ. 夏やたら暑いやつ.

(笑)


バブル期って, 売れるかどうかよくわからんような迷車, 珍車のたぐいまで商品化されたんだけど, そういう「今だったら商品化は無理だろう」っていうクルマを 「バブルの遺産」と呼びたいんだな.

それはわかったけど, じゃぁこの間買ったこのクルマのどの辺が「遺産」なわけ?

だって二人しか乗れなくて 140万円もするような軽自動車を売ろうなんて思うやつ, 今はいないよ.

ちょっと待って. 今地球環境がどうだとか, CO2 の排出を減らさないとオランダが水没するだとか, 結構問題になってるよね.

うん.

そうしたら小排気量で燃料消費の少ない, でも二人しか乗れませんという乗り物って, 売れる筈じゃない?

確かにそういう考え方はあると思うし, 実際地方で軽自動車をセカンドカーで使っているのなんかは二人乗りでもいい筈なんだけど, 今だかつてにっぽん国でそういうクルマが売れたことはないんだよね.

なんで?

よっつイスが無いと不安だから.

無駄じゃん

アメリカ人が一人でトーラスか何かに乗ってる方が無駄だよ

無駄だけど, アメリカはガソリン安いから...

そういう問題じゃないって (笑)

それはともかく, この間ダイムラーがスマートを持ち込むっていうニュースがあったよね. あれも二人乗りで 130万円とか言ってたし.

うん. 確かにアレが売れるかどうかはちょっと興味があるな.


二人しか乗れない. 140万円の軽自動車. それから?

屋根が開く.

ふむ

カーステを入れる場所が狭すぎて, 専用品しか使えない.

壊れたら?

修理するんじゃない? 代わりに入れられるのなんか無いんだし

不便じゃん

バブルだからいいの (笑). タイヤの直径が前後で違う.

スペアは?

確か中間のサイズ

そんなんで大丈夫なの?

ちょっとしか走らないから大丈夫. あ, LSD 入れてリアが終わった時は駄目かも.

どうするの?

JAF 呼ぶんじゃん?

来ればね

(相当恨んでるな...) 荷物も載らない.

エンジン変な場所にあるしね. あれどうやって整備するの?

オイルはリアのトランクを開ければ入れられるけど, プラグとかは運転席の後のハッチを開けてやる. あれ開けると, なんか見覚えのあるエンジンが出てくるんだよね.


えーっと, つまり人も乗れない. 荷物も積めない. メンテもしにくい. 共通品でない部品もある. それにトゥデイより重いんでしょ?

そう. トゥデイが 690kg, これが 760kg.

馬力は?

トゥデイが 58馬力でこれが 64馬力. パワーウエイトレシオはいい勝負だけど, これの 64馬力はちょっとサバ読みなんじゃ?と言われてる.

何でそんなの買ったの?

背が低いからコーナリングはちょっと有利かも. 重い分で差し引きゼロかも知れないけれど.

それから?

ミッドシップでリア駆動.

それだと何がいいの?

えーっと (汗)... あ, そうだ, ここにプレステのグランツーリスモのマニュアルがあるから, これ読んでね...

あれ, ちょっと, どこ行くの? ねぇ...

TOP に戻る

2001 Copyright (C) Hajime Tsuchiya. All rights reserved.