富士サマーフェスティバル 軽自動車四時間耐久走行会

一ヶ月前

私の妻は物事をその場のイキオイで決めることが多いらしい.

その現場は今まで何回も目撃していたのだから, 今回こうなってしまったのも後から考えれば納得の行くことではあるのだけれど, その瞬間はやっぱりウロタエてしまうものなのである.

私: 竹下さんから聞いたんだけど, 来月富士スピードウェイで, 軽自動車の四時間耐久があるんだって.

妻: ふーん... それってどういうヒトが出られるの?

私: なんか, 元々はマッドハウスっていう店の社長が旗を振っているらしいんだけど, 別に店の客でなくても申し込めば出られるらしいよ.

妻: あたしも FISCO 走れるんだ.

私: まぁ, 申し込めば.

妻: じゃ, 明日電話して聞いてみるね. 富士も一度走ってみたいとは思っていたのよね〜

私: ....

実は私は参加するつもりは全然無かったのですが, そのことはつい言いそびれました (苦笑).


ここでざっとレギュレーションのおさらいを.

「レース」は軽自動車による四時間耐久 (「予選」は別に 15分). 車両の仕様によって二クラスに分かれていて, クラス 1 は車検に通る程度の改造まで可で Sタイヤ可, クラス 2 は車検に通らなくなるまでどこまでも改造可でスリックタイヤ可. 燃料は最初 35リッター (35リッター入らない車は入るだけ) 入れてスタート, 途中の給油は 20リッターを二回まで可. 給油時は 10分間休憩を取らなければならない (整備も不可). ドライバーは 3人まで可.

非常に大雑把なレギュレーションですね. さすがお祭り (笑).
「レース」と「予選」のところが括弧付きになっているのは, 準備途中でにっぽん国で自動車レースを統轄管理している某団体から,

こういったイベントをレースと呼ぶのはけしからん,
スタートもルマン式なぞもっての他, グリッドからのスタンディングスタートもローリングスタートもやっちゃ駄目,
予選というのはレースの一部なんだからそう呼ぶのもそういうことをするのも駄目
表彰も表彰式も, やっていい訳ないだろう

などなど, ありがたーいご指導があったそうで (伝聞), 結局のところ実態はレースに近いのですが, そうは呼べなくなってしまったそうです. で, 付いた名前が「ファイナル走行会」と「練習走行会」(苦笑).

この某団体 (JAF ですが) の件については, JAF の立場もあるだろうし主催者の言い分もあるだろうけれど, 私も両方に対して言っておきたいことがある. まず JAF 殿.
官僚的に駄目出しばかりしていると, にっぽん国のモータースポーツってのが終わっちゃいまっせ. もうかなり「終わってる」らしいけど.
次, 主催者殿. 趣旨はわかるけど, 運営の方もうちょっと何とかなりませんか? 何で 12:15 開始の筈のミーティングが 12:10 には始まっていて, しかも遅く来たのが悪いようなことを言われなきゃならないの?
黄旗中の追い越しは危険だって言うんだったら, なんでそれをしたヒトに注意を与えないの? 黄旗中に私を追い越していったビビオと AZ-1 は, どう見ても黄旗が見えていなかったと思うのだけれど, 彼らに注意を与えなかったら, 旗を見ながら走る習慣なんか, 一生身に付かないんじゃ, ありません? 別にペナルティという訳じゃなく, そういうことをやってたという事実を指摘することは, 必要なんじゃありませんかね.

一週間前

野暮を言うのはこのくらいにして, 準備の話を.

ドライバーは三人まで可なので, 参加費のことも考えてもう一人某 ML で募集. 厳正なるオンラインジャンケンの結果, こばやしさんにお願いすることにしました. パルサー GTI-R 乗り. ジムカーナ少々. 混走はエビスのナイターのみ. それに私と私の妻. 初心者軍団 (笑).

このあたりになると, 私の妻が「ほんとに私なんかが走って良いのかしら」などと, いつものように泣きを入れ始めたのですが, 何を今さらなので無視むし〜 (笑).

いくら軽自動車といっても FISCO の直線は 1.5キロもあるので, たぶん 140km/h の自主規制リミッターには当たっちゃうだろうから, リミッターカット用に永井電子のスピードメーターを装着. オイルは最後まで悩んだのだけれど, 茂原行った時のモービル半合成 10W-40 がまだ走行 1200キロだったので, それをそのまま使うことにしました. 40 だもんね. なんとかなるでしょう.

[永井 ULTRA スピードメータ]永井のメーターを装着したところ

ブレーキパッドは車検の時に交換した純正パッド, フルードはホンダ純正 DOT3 です. 「タイヤが苦しいんじゃ?」と言われていたので, 予備用に GRID II 155/65R13 を買って純正鉄ホイールに組んでもらいました. 履いてみると, ネオバより全然乗り心地が良いです (笑). これは通勤に (も) 使うことにしました.

前日

運良くこばやしさんが FISCO 近くにお住まいだったので, 前日は泊めていただくことにしました.
こばやしさんは近くの駅まで原付で迎えに来てくださって, ご自宅まで先導していただいたのですが, 途中でいきなりチギられてしまいました (大粒涙).
こんなんで, 明日大丈夫か?

スタート 3時間前 (「予選」)

「予選」は 15分しか無いことになっていたので, 今日初めてトゥデイに乗るこばやしさんの, 慣熟走行にあてることにしました. ピットロードのコンクリート壁に貼りついて待っていると, こばやしさんがホームストレートを駆け抜けていきました.

タイムは 2分 49秒 70. 予想タイムは 3分ぐらいだったのですが, そんなにはかからないようです.

スタート

本当は「予選」で妻の慣熟走行もしたかったのですが, さすがに 15分ではできなかったので, ローリングスタートのセーフティーカーの入っているラップで慣熟走行してもらうことにしました. これだとスタート直後の 1コーナーの混乱に巻き込まれる可能性があるので, とにかく 1コーナーだけは注意して, 前後左右見ながら逃げまわってくれと言っておきました.
しかし, こんなことでいいのかな (笑).

[グリッド上のトゥデイ]グリッド上のトゥデイ (手前側)

スタート時はピットから外に出てくれということだったので, ヘアピンの土手の上から眺めていると, まずセーフティーカーが走り, 軽自動車がぞろぞろと走っていって... あれ?
トゥデイの前がずいぶん空いてますね
トゥデイの後ろは渋滞してます

冷汗が流れました (笑)

とにかくもう一周回ってくるのを見ようと待っていると, 今度はセーフティーカー抜きでクラス 2 のバケモノ車が走っていき, その後から普通に見える軽自動車がぞろぞろと続き, ウチのトゥデイは... あーいたいた, ちゃんと抜かれながら走っています.
やれやれ. 見てるのって疲れますね.

走行一回目

今回全員耐久は初めて, 混走の経験も少ないので, 運転は一回の枠を 40分にして, それぞれ 2枠づつ走ることにしました. これだと 40分× 6枠で 240分, 給油の時間が無いので, 最初の妻の走行を 30分にして給油の時間にあてることにしていました.

妻は予定より数分遅れてピットイン. 後で聞いたらピットに入りそこなって二周余計に回ったとのこと. ま, これはしょうがないですね初めてなんだし.
ともあれ, ここで私と交代します.

今回は耐久「レース」なので, 普段と違ってなるべくクルマに負荷を掛けないように走ります.
1 コーナーは 150メートル看板から弱目にブレーキ, 完全に減速してターンイン, 三速で回ってサントリーコーナーまで全開, ここで四速までだとリミッターがかかってしまい, さりとて五速にするのが良いかどうかはずっと疑問だったのですが, とりあえず五速には入れることにしてサントリーコーナーの 100メーター看板あたりから弱目に減速, 三速で立ち上がって 100R 250R あたりをインベタで (速いクルマに譲るため), 四速に入れてヘアピン手前 (距離失念) でブレーキ, ヘアピンは奥がゆるいのでラインがちょっとぐらい変でも飛び出さないぞ (笑). ここも三速から四速まで行ってダンロップの手前 150メーターあたりで弱くブレーキ, 三速でダンロップを立ち上がるも, こっちは左 25R のラインで失敗すると右 80R 手前がすごく苦しいぞ (失敗多数). 最終コーナーを四速 100km/h で立ち上がり, ストレートを五速で駆け抜けて最高到達速度 156km/h (@永井のメーター). ブレーキは 100m 看板あたりまで詰められる所がいくらでもあるけれど, DOT3 に純正パッドだから我慢ガマン :-) . これでベストラップ 2分 28秒台.

受け持ち時間の終了直前になってセーフティーカーが入ったので, そこでピットインしてこばやしさんと交代しました.


ピットウォールでこばやしさんの走りを眺めていると, 妻が話しかけてきました.

妻: あのさ, もしかしてあたしもう走らないで, 残りの時間あなたとこばやしさんに走ってもらった方がいいんじゃない?

私: なんで?

妻: なんでって, あたし遅いから...

私: あー, 前にも言ったけど, 今回勝つつもりは全然ないんだよね.

妻: それは聞いた.

私: で, 勝つつもりのないチームの, 正規に登録されてるドライバーが, 何で走るの遠慮しなきゃいけないわけ?

妻: ...すいません走ります

チーム監督は, いろんな事を考えないといけないらしい.

走行二回目

こばやしさんが戻ってきて私の妻と交代. ラップモニターを見ていると, 順調にタイムを縮めているようだ (よしよし). ほとんど 40分走って私と交代
...と思ったら, 燃料がかなりキビしくなっていたので, ピットアウトしてコース一周走らずにピットイン, 燃料補給のためパドックの日石三菱のスタンドへ.

給油後レギュレーション通り 10分待って再びコースイン. 一回目の走行ではヘアピン手前をインベタで行ったけれど, たいがいの相手に対して自分はそんなことしなくても良いほど, 十分速いことが判ったので, サントリーコーナー後のラインを普通にアウト側まで使うようにする. 赤いビビオとバトルを繰り広げるが, 相手はどうやらリミッターを切ってなかったらしく, 1コーナー入り口ではどえらい差がついている. それでも最終コーナーにくるまでに結構挽回していて, ストレートの最初の方で一瞬抜かれちゃうから, コーナーで相当頑張ってるんですな... というか, こっちがコーナー遅いのか (涙).
まぁその頑張りも長くは続かなかったようで, じわじわとですが引き離すことができました.

最終的にベストラップは 2分 24秒 525 で, 最高速度は 159km/h でした.

終了 40分前にこばやしさんと交代. こばやしさんは冷静かつ淡々と運転をコナし, 85周したところでチェッカーを受けました.
完走 44台中 27位. クラス 1 では 36台中 21位でした.
心配されたタイヤは余裕で持ちました... というか, 1ミリくらいしか使ってないんじゃないかと思います.

ゴール 5時間後, 首都高にて

妻: あのさ, あたしがあなたと一緒にコース走ったら, 邪魔?

私: どういうこと?

妻: こういうの (モータースポーツ) って, あなたの趣味でしょう. で, あたしも一緒にやったら, 「オレの趣味にクチバシ突っ込んできやがって」って, ならない?

私: んー, そういうことは〜

妻: ?

私: オレをブチ抜いてから言ってくれ

妻: (笑)

この場はこれで済んだけど, ホントにブチ抜かれたら, さて, どうしよう (笑).

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