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「子どもの居場所を考える集い」第一回

日時:20002221330分〜1530
記録:筒井
校正:赤川、小西、岡本、中村

■はじめに

◆高橋
 子どもの居場所を考える集いということで声をかけた。今まで「子ども」と「街」の二つをキーワードに活動していた「遊プラス」が、いろいろな活動の中でいろいろな人とつながりを持ってきた時に、点が線になって行かないことに疑問を持ってきた。子どもの問題が後回しになる中で、主軸になるものを求めてゆきたい。

 皆さんの活動の中心にあることをとりだして、問題点を拾い上げながら、今後の活動の参考にしたい。


■活動紹介

◆東
 弁護士は活動とは直接関係ないが、現在中高生の三人の子どもの父親で中学のPTAの会長。遊びとは関係ないが、小学校の制服の問題にぶつかって、制服を考える会のメンバーが色々8年くらいやってきていた、こどもに関ることはそのくらい。

 今回高橋さんから、弁護士としてできることをと言われてやってきた。

 自分の子どもはすでに中学高校で街に出て色々なことをやっている。スケボーは石山公園でやったりしている。

 子どもがのびのびと遊び健やかに育つことが自分の老後の安泰にもつながるので、自分のためにもこどものことを考えたい。

◆小西。
 こういう視点で、今まであまり考えたことがなかった。番町在住。自宅は古い街で八つ墓村のロケも来た。五件長屋で一件は祖母が、一件は自分が、一件は「スクールふたば」で、あと二件は空き地。「帰りに小西君ちで遊んできた」って感じの場所になりつつある。

 「ふたば」は結果的に学童保育的でもあり、教えない教育をしている。筑紫「ニュース23」でも二秒くらい出た。

 自分自身、家庭環境の問題から、教育には兼ねてから興味があった。小学校の教師になったが自分が不登校になって、というのは、子どもの為にと思ってすることが、空回りしてしまって、結局子どもの可能性を摘んでしまっているので、結局やめた。その後は家庭教師や塾など。

 「子どもの為に」と思えば思うほど、矛盾に突き当たり、なにか子どもの為になることをすることばかりをしてきたが、「しないことで育つ」という平井雷太氏の考えに出会う。子どもを信頼していないとできないが、居場所を探すことはやめて、子どもが自分たちで見つけるのを待つ。子どもを信頼しさえすれば、子どもはどこでも居場所にするだろう。

 結果としてそこが居場所になった。子どもの居場所、親の居場所、親子の居場所を作るINAHOアイネット。「見えない学校」をつくって、教育論ではなく、些細なことをお互い出しながら、話をする場を作っている。例えば「子どもが宿題をしない」とかいう程度のこと。

 子ずれ合宿を川上町の「わら」で一年に一回やっていたが、次回からは牛窓のペンションでやることに。

 平井雷太さんのつくったモデルで、幼児から高校生までが一緒に机を並べて、勉強している。不登校の子どももいるが、「できないことはあるがやったらできるじゃない」ということを何となく体で感じた子は、学校にいったりする。それが目的ではないが、結果的にはそういう場所になっている。

 ポリシーがあってやってきたわけではないが、たまれる場所がニーズとしてあるらしい。

 ただ何気なく聞いたり話したりしたことも大事だが、文字に書くことをし始めている。書いて残して雑誌にすることをしている。考現学。それをFAXやEメールで情報交換(日にちを決めて全員が全メンバーに発信。たまにテーマなどの投げかけも)している。それが地域の情報を掘り起こすことに。

 教育改革は、こういうことを地域で丁寧にすることから始まるかな。大人と子どもが一緒にいることのできる居場所作りを考えている。

◆赤川
 福山からきた。自分がやっている会は世田谷のプレーパークの流れを目指した会で、現在は町内の神社の境内を借りて、月一回活動している。

 自分は野外でやっているが、小西さんと同様だと思う。子どもが遊ぶのに、既成の遊具ではなく、いつでも出入りできる「遊んでもいい場所」が重要。その空き地がないので、空き地を取り戻す活動をしている。何がなくてはならないと言うのはなく、場所を奪ったのは大人であるから、それを取り戻して確保するのが大人の努め。場所さえあれば、子どもは自分で使う。

 ただ、今の子どもは、遊ぶのが下手なので、取っ掛かりとしてハンモックなどは大人が用意する(世田谷は子どもがプランコまでつくる)。

 プレーパークと出会い、東京都江戸川区で始めた活動から三年たつ。最初は大人の方が接点がなかった。共通の話題がなかった。ところが「子どもの遊び場を作ろう」ということで集まったことが、地域の親の為になっていると感じている。

 ほんとに田舎なので、まだまだ子供会もしっかりしているし、小学校一校区の中に、かなりの数の子供会が有るし、PTAと同レベルで子供会の会長の発言力がある。が子どもの数の減少等で子供会などの地域のつながりが崩れかけていて、このさきどうするかと思っているが、崩れる前に次のつながりを今作ろうとしている。崩れたら取り戻すのが大変。

 その第一歩として、我が子の学区内にある児童公園を借りて「しんいち発見きち」を始める.この活動を通して、地域の子供会や学校、保育所も巻き込んでいきたい。

◆筒井
 
14年前天体観測会を開始。出前型は五、六年前。科学というものは子どもの体験を通して子どもの中へ入って行くものである。どんなところにでも自然は発見できる。このあたりから物理→教育へと踏みこんでいった。子どもの遊び場調査は五、六年前から六学区。子どもにとってすみ良い町は誰にでもすみ良い街。アイディアは子どもに直接聞く。場所がないから遊ばないのではない、場所はきっかけに過ぎず決定的なことではない。2年前2500人の小学生調査をした。現代はゲーム・テレビ・おもちゃが子どもを圧迫している。ゲームは仮想なんだけど、彼らにとってはそれが現実。ドラクエのクッパの塔が共通体験になっていることから、心の中に大きな位置を占めていると思い至る。五感を使った体験が必要。

 中高生は虐げられている。とくに中学生は、社会から取り残されていると10年くらい感じている。エネルギーはたくさんあるのに囲われているで、その状況を何とかできないのかな。ネットワークの更にネットワーク化。インターネットを上手に利用しながら。

◆岡本
 倉敷チボリから徒歩八分のコーポに住んでいる。もともと倉敷だけど結婚して六年前に東京にいった。夫の転勤で三年前から倉敷に帰ってきた。東京でプレーパークに出会って、子どものたくましさ目の輝きに感激したが、こちらに帰ってきて、田んぼはあっても除草剤とか農薬とかがあって、こちらの方がかえって危険だったりする。蝶をとるのにも田んぼの地主に怒られる。

 東京とは住宅事情とか違っても都会の子も地方の子も遊びは同じでゲームばかり。

 どうにかしてやりたいし自分の子どももして欲しいというので、幼稚園で声をかけた時は大人が35人は集まってきたがPTAの役員とか子どもの会の役員の地域の一部の人に理解してもらえず、すごい反対にあった。現在は遊び場とは言わずあえて菜園として、休耕田をかりて、レンゲ、イチゴなどを植えてブランコを作った。ビニールハウスの残骸などが有る。今後ハンモックなどを作ろうとしている。

 一日プレイパークを考えているので、企画書を見ていただいて、スタッフになってくださる方またはアイディアがあればお願いします。

◆冨岡
 岡山の制服を考える会、今は活動していないが、検討委員会に名を連ねていたら、岡本から誘いがあった。制服の会の方で、岡山の方は、PTAとかが活動している所もあるが、倉敷では、万寿小学校では全然そういう親どうしが、集まって意見を交わすことが、はばかられる。八年前に大阪から来て、制服に驚いて慌てて会に入った。制服だけでなく、それに付随して行われる頭髪などの管理など、いちいち先生にお伺いをたてなくてはならない。先生も聞かれるから答えるということもあって、管理する側とされる側が代々、脈々と歴史が続いているが、それは子どもにとって幸せなことではないと考える。

 制服だけではなく、教育に関することを、普通の親に疑問に思って欲しい。

 制服に関しては、孤立無援。下の娘が小学校を卒業してしまうが、今回ご縁があったので、とにかく子どもに関して自分にできることがあれば、と思って参加している。

◆中村
 まずは「遊プラス」の紹介を(レジュメあり)。子どもが四年生と五年生。自分の子どもにロクヨン(NINTENDOU
64)をさせながらこれでいいのかと思いながらも、何をしていいのかわからない時に、今の活動にと声がかかった。

 子どもの遊びに問題が有るのではないかと思っていたのだが、自由な遊び場というのが、子どもにとって必要であろうと考え、それを公園という場で実現できるのではと思って、公園行政に働きかけた。

 はじめは遊具の破損調査を始めたが、公園は非常に貧しい場所になっている。行政に子どもの為になることをお願いするのは簡単かと思っていたら、なかなか解っていただけない。子どもの問題はどうしても後回しになっている。これはなぜかなと思ったり、私たちだけでは微力であると考えて、皆さんとネットワークを組んで、一の力を十の力に、さらに百の力にすれば行政に働き掛けられるのではと思う。

 子どもの遊び場を奪ってきたのは大人社会なので、それを保障するのは大人の義務である。

 皆さんと一緒に考えていきたい。

◆高橋
 不登校の会の松下のレジュメを読む。

 子ども子育てネットワークのビラを紹介。

 あとで浜野から、児童館の報告がある?

 倉敷の児島の特殊性が気になっていた。瀬戸大橋ができた時にインターができたのだが、その高速にのる車もあるし、競艇場もある。十年前は瀬戸大橋博があって、交通事故の被害が地元の赤碕地区が一番に上がってきた、それを聞いて自分は大変な所に住んでいるんだと感じた。作られたけどケアーはない。ギャンブルと観光。美観地区とチボリで600万人の観光行政。

 観光バスがメイン通りを通り渋滞が起きるので、地区の人は細い道を使う。地元の人が地元に被害を与えている。

 観光地になってしまうと飲食店などでパートができるので、婦人会などが最初は反対しているのにいざできたら、働きに行っている。

 制服のシェアは日本一。水島もある。倉敷の産業基盤すべてが子どもをしいたげる方向に働いている。しかもケアーがない。そういった倉敷の行政に疑問。

 地盤はかわらず、小さい所には目を向けない。子どもと街を考えた時、行政を絡めないと大きく変えることはできないと考えて、考えざるをえないことになってきた。

 いま、行政とのパートナーシップという線を結びながら、何をすれば一歩近づけていけるのかということを見つめて行きたいと考えている。

 市長選挙が近いので、それも考えている。


■フリートークとワークショップ

◆東、

 倉敷の市役所の職員は自分たちが非常に優秀だと思っていて、岡山の市役所を悪く言う。

 岡山は体制ができていない。

 倉敷はそつがない。岡山のほうが志気が落ちている。

◆ワークショップ。キーワードは「居場所」「ネットワーク」「行政・学校・地域」

 「子どもの居場所」「大人の居場所」「手に入れる方法」について連想するものを各自書き出す。

 子どもの居場所

  何でもできる
  管理されない出入り自由
  気軽に相談できる人がいる
  家庭
  友達と一緒に過ごせる場所
  約束をしなくても仲間と会える場所
  自発的に何かをやろうとしたとき、実現できる
  試してみることができる
  何にもしばられず、時間を気にせず、何も考えなくてもよい、時間・空間
  自動車の危険のない場
  広場
  自分の足で通える
  何かをやりたくなる
  安心感、下校時、ひみつ基地

 大人の居場所

  本音で心ゆくまで話せる人がいる
  ありのままの自分を出せる
  居心地のいい空間
  丸ごと受け止めてくれる相手のことを理解しようとしてくれる仲間
  家庭
  子ども、生活について共に考え悩める場
  語りあえる場
  木のトンネル(竜の口)
  映画館
  認められる

 両方の居場所

  評価、目的、強制、命令のない
  ありのままの自分でいられる
  何でも話せる

 手に入れる方法

  大人の意識を変える
  地域の大人が手をつないで行政とパートナーシップを築き、真剣に取り組む
  自分の活動
  それぞれの活動が結びつく(一つに片寄らずお互いの活動を認め合いながら)
  自分が本当に何を求めているかに気づく
  Workの時間が短くなること。
  自動車の規制


◆小西
 これまで、大きく分けてハードを作ることを考えている人とソフトを考えているんだなと思った。ハードを作ることと、ソフト意識を変えることと両方が必要。

 ファミコンのこと。

◆赤川
 なぜはやったかと言えば、聞いた話だが、子ども同志のスケジュールが忙しくなってきて、友達と約束をして遊ぶ時間がない。ぱっととりかかって遊べる生活を強いられている。そういう生活スタイルに合っている。ひとりで没頭できるし、時間がくればセーブしておき、次に時間ができた時に続きをい始めればよい。頭では分かっていても、今までは分からなかったが。

◆岡本
 私の弟は高校生の頃からゲームを毎日一人でしていたが、動物の世話も好きだった。今はエンジニアになっている。プレーリーダーに聞いた話だが「親がいくら自然と関わるような五感を使って遊ぶ方が大事とは言っても、今の子どもはゲームがあるのがあたりまえの時代で、ゲームを与えないというのは、子どもだってだから大変なのよー。でも第一子とかは親の考えにすごくわかってるから…ネ」と言われてました。

◆中村
 ハードとソフトを分けて考えることはなぜ。今の時代ソフトが伴わないハードは無意味だと思うが。

◆小西
 場所を作ることを意識することになると、それ自体が目的になってしまう。むしろ意識が重要。

◆東
 遊び場をつくるという活動を共通項にしたい。

 いろいろな立場の人がそれぞれの立場で協力できることが有る。

◆高橋
 今回出席されてない方がいて、学童保育と児童館の現状と問題点が見えなかった。もう少しネットワークの情報を充実しながら、皆の中で「やっぱりいるよね」という意識が見えなかった。

◆赤川
 遊び場のことを今回は話さなかったのだが、新市でやっている遊び場は神社なので行政とは関れなかった活動だったが、今回保育所の保護者会を通して行政と関ることになった。今の活動は学区外なので、学区内でやりたかったのだが、ようやく、関りができて、児童公園が使えるようになった。その公園は既成の公園だが、そこは学校にも、子ども会にも管理を委託しており、いろいろな繋がりのある場所なので、自分の中では、既成の公園で構わないと考えている。

 そうすることで、長期休暇の学童保育の遊び場にもなると考えた。連携がとれると考えた。だから公共の場所を使うことにした。いつも新しいものを作るのではなく、そこを使うことで、行政にも認めさせやすい。

 初めてのことなのでどうなって行くかはわからないが、今後リアルタイムで報告できる。

 児童館の限界を児童館のスタッフ自身から聞く。

 既存の公園をどう使うか。

 試みが少ないので、

 地域とどうからむかが問題。

 実践・情報交換・

◆東
 やはり物をつくるという形で、まとまっていくのがいい。

◆赤川
 
3月27日に福山でプレーパーク。学生ボランティア。世田谷からも現役のプレーリーダーがくる。福山にもプレイパークをと、地元の大人が動き出した。

 段ボールで迷路という目的を取っかかりにして活動予定。

 福山メモリアルパークは芝生、スケート、遊園地広場、アスレチック広場の大きな総合公園。岡山方面。バスで東深津。裁判所よりは東。十時から三時。以前プレーパーク学習会の一環として二日間あったので、とりあえずやって見る。

◆高橋
 岡山でも一度、一日プレーパークを。大人が自分で見て必要だと思わないと作り手にはならない。

◆岡本
 倉敷に小学校の先生で、子どもをつかんでいる人がいると聞いて、まだ連絡をしていないが誰か知っていたら教えて欲しい。子どものことを話題にする時、大人ばかりでなく、子どもか子ども自身の意見が出てこないといけないと思うので、早い時期に子どもの意見が出て来るような人が参加するようになるといい。


 ワークショップなどの体験を先ずはして行く。

 先に帰ったのは、小西。中村。 次回三月十日金曜日一時から、

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