赤色葡萄酒艦隊 図書室
英国陸軍


ジョンソン、ポール『近代の誕生 1』 共同通信社、1995年

 英国陸軍を特に取り上げているわけではないものの、欧米の近代史を英米関係を軸にナポレオン戦争後期と第2次独立戦争から説く。軍事的な面のみならず、当時の国際関係や科学技術、社会までがジャーナリスティックかつ緻密に描かれる。特に第2次独立戦争の記述は和書では貴重な存在であるが、著者が英国人であるために、いささかアメリカ人とそのファンにはきつい内容になっているかもしれない。全3巻。

     目次
はじめに
第1章 特別な関係
第2章 会議は踊る
第3章 野生の終わり
第4章 世界の警察官

ストローソン、ジョン 『公爵と皇帝』 新潮社、1998年
 タイトルの通りウェリントン公アーサーとナポレオン1世を比較した良書。ありがちな、エピソードの羅列による個性の比較にとどまらず、軍事面においても公正な評論を試みている。著者は英国陸軍少将で、評伝を中心とした著作物が多い。
 問題があるとすれば、訳者が書き加えた「はじめに」と「おわりに」である。この形式で書かれると、まるで著者が書いたかのように見え、しかもオリジナルの質を損ねる内容である。くわえて、翻訳姿勢にも不審を抱かせる。というのは、本来、「はじめに」と「おわりに」はそれぞれ序説と結論に換えて著者が書くもので、そのどちらにも本文の内容が凝縮されているべき部分であり、訳者が個人的な感想を書き連ねる部分ではないからである。

     目次
第一章 運命の二人
第二章 職業教育
第三章 征服
第四章 栄光の東方
第五章 ナポレオン皇帝とインド人傭兵(セポイ)軍の将軍
第六章 権力の頂点と致命的な失策
第七章 栄光のかげり
第八章 一八一二年
第九章 前進するウェリントンと後退するナポレオン
第十章 対決
第十一章 囚人と政治家
第十二章 偉大な公爵とボナパルト王朝の復活
第十三章 遺産と伝説


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