第85連隊に敬礼!
タイトルはフランスの行進曲である。ガルド・レピュブリケーヌの録音のものでしか聴いたことがないが、大好きな一曲である。
さて、敬礼ついて。
ナポレオン時代の英国海軍士官の敬礼は海洋冒険小説に「帽子に手を触れる」とあるように、相手に手の甲を向ける。これはタールのついた掌を見せないようにと言う意味がある。水兵は拳を額に付けるか、前髪をつかんで引っぱる。この時、士官は足をそろえてぴしっと「気を付け」の姿勢であるのに対し、水兵はやや肘が体側から離れ、ひざも軽く曲がっている印象がある。
「帽子に手を触れる」と言えば、自衛隊の敬礼も、そういう表現をするそうだ。航空自衛隊OBによれば、まず掌を上に腕をまっすぐ横に伸ばし、そこから肘を折り曲げて「帽子の庇に手を触れる」のである。これはアメリカ陸軍や空軍の敬礼とも同じ様式で、非常にスマートなものである。
これに対して、英国陸軍の敬礼は掌を相手に向ける。映画『アラビアのロレンス』ではロレンス「中尉」のイヤミたっぷりの敬礼や、アウダ・アブ・タイの息子の、相手をからかうような敬礼、ロレンス「少佐」の相手と距離を置くような敬礼など、その動作に様々な意味を持たせていたのが印象的である。
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