英国海軍の武装スクーナー
トパーズ号(1810年)



砲8門搭載の武装スクーナー。

実は、竹内久氏によるオリジナルの設計図によって作成された、架空の艦である。この当時の設計の原則に忠実に従って設計されたため、実際、そうと言われるまで、これが架空艦とは気がつかなかった。言われてみれば、あまりに典型的ではある。各艦長や掌帆長の経験や好みによって、細かな違いが現れてくるのが、この時代の特長である。

当時、このような小型艦が多数、就役し、沿岸警備や船団護衛、連絡、補給など、様々な任務に活躍していた。その快速は他艦種の及ぶところではなかった。逆風に対する登り角度では横帆船をしのぎ、耐航性の面でラガーやカッターを上回っていたためである。1805年のトラファルガル沖の海戦の戦勝を最初に英国にもたらしたのも、このような武装スクーナーであった。


設計:故 竹内 久
制作:松本善文
ザ・ロープ第27回帆船模型展 2002年1月・伊東屋