§.帆走

間切る

 風上に向かってジグザグに進むこと。帆船はまっすぐ風上を向いて走ることが出来ないため、目的地が風上にある時はこうするしかなかった。


詰め開き(クローズ・ホールド)

 向かい風に帆船が性能ぎりぎりまで風上方向へのぼるときの帆の状態。このとき帆は可能な限り船首尾線に平行して広げられ、帆船が「絵になる」一瞬である。とはいえ、動揺が激しく、船酔い患者の胃袋には試練の時である。


上手まわし(tacking)

 帆船が風上に向かって回頭しながら開きをかえること。旋回圏が小さいため、海戦では非常に有効な回頭法であるが、1時的に船が風を真正面から受けるため、横帆船は裏帆をうって失速する可能性がある。


下手まわし(wearing)

 帆船が風下に向かって回頭しながら開きをかえること。横帆船の場合、失敗の可能性は上手回しに比べて遥かに少なく、容易な操船であるが、旋回圏が広く、時間がかかる。

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