§.艦砲と砲弾

カノン砲(cannon)

 砲身の長い艦載砲。砲弾の重さによって分類され、3ポンド砲から48ポンド砲まであった。「長砲」とも訳される。


カロネード砲(carronade)

 砲身の短い艦載砲。英国のカロン社が開発したためにこの名がつけられた。口径が大きく、軽量な為に重宝な補助兵器とされたが、欠点は射程が短いことであった。実戦に投入されたのは1782年でその後も秘密兵器として存在が伏せられていたため「74門艦」といえども実際にはそれ以上の数の砲弾が発射できた。最大のものは68ポンド・カロネード砲。


臼砲(mortar)

 高い弾道を描く榴弾(導火線によって爆発する火薬入りの弾丸)を発射する。炸裂弾は陸軍でも用いられていたが、木造の海軍艦では暴発が致命傷となるので一般的には用いられなかった。軍艦で炸裂弾と臼砲を用いたのは爆弾ケッチのみである。


実質弾(round shot)

 鉄製の弾丸。最も基本的な砲弾である。「丸弾」とも訳される。


葡萄弾(grape shot)

 小さい鉄製の弾丸を9つ以上束ねたもの。人員の殺傷を目的とする。


散弾(霰弾、case shot)

 カートリッジの中にマスケット銃の銃弾を大量に(150個)いれたもの。人員の殺傷を目的とする。


棒つき弾(rod shot)

 鉄製の弾丸を棒で繋いだもの。帆や索具の破壊を狙う。


鎖つき弾(chain shot)

 半分に割った弾丸を鎖で繋いだもの。用途は棒つき弾と同じ。

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