艦長、士官、候補生、准士官の寝台。天井の梁から吊るすようになっており、4辺は高く囲われている。このため、蓋の無い棺桶に見えないこともないが、どんなに揺れても転げ落ちない。
ハンモック(hammock)
候補生、准士官、下士官、水兵の寝具。これも天井の梁から吊るす。使わない時は硬く縛って、舷側のハンモック・ネッティングに詰め込んだ。
「脚を見せろ!」(Show a leg!)
起床の号令の一つ。他にTurn outというのがある。この時代、入港中の軍艦には女性が乗組員の妻であると自己申告するだけで乗艦できた。そのため水兵「夫妻」は並べてハンモックを吊る。「夫人」には日常勤務がないが、水兵にはあるので、起床命令に従わなければならない。そこで、ハンモックの中身を確かめるために、「足を見せろ」ということになる。女性のすらりとした足なら見逃され、ごつい毛むくじゃらの足なら、たたき出される。そして、航海中もこの言い回しは使われ、最後まで寝ている不届きな水兵は、ハンモックの紐を切られて甲板にまっさかさまという運命にあった。
水兵用便所(head)
入れれば出る。とはいえ、出すところがhead(頭)というのは珍である。これは水兵用の便所が船(艦)首にあったためである。船首斜桁の両側に便座が並んでおり、下は格子状になっているため、世界最大の水洗便所である。現在でも俗語としてheadには便所の意味が残っている。