§.海兵隊 The Royal Marines



 海兵隊は上陸作戦のほか、対艦戦闘中のマスケット銃射撃や斬り込みなどで活躍した艦上の歩兵兼砲兵である。平時は艦内外の歩哨任務を担当し、人手不足の艦では操帆作業も手伝っていた。陸軍と異なって船と海には慣れているものの、長距離行軍は不得意であった。海兵隊員の不足から陸軍兵士が艦上に派遣されることもあった。
 英国海兵隊の階級はおおむね陸軍のものに準じている。しかし、ナポレオン戦争の時代には元の歩兵の階級とは若干の変化が見られる。具体的には少尉に当たる階級が陸軍歩兵ではEnsignであるが、海兵隊ではSecond Lieutenantである。

大佐(Colonel)

 海兵隊大佐という階級は、功績のあった艦長への報償であった。具体的な職務はなく、年金が支給された。ネルソン提督は1795年にチャタム軍団の大佐に任じられている。
大尉(Captain)
 74門艦以上で1名の大尉が3名の中射または少尉とともに乗り組んだ。64門艦の場合は大尉1名、中尉または少尉2名であった。
中尉(First Lieutenant)
 50門艦では中尉または少尉1名が乗り組んだ。
少尉(Second Lieutenant)
 44〜20門艦では中尉または少尉1名が乗り組んだ。
軍曹(Sergeant)
 等外艦には軍曹1名が海兵隊を指揮した。
伍長(Corpotal)
 伍長の割合は陸軍と同じと思われる。
兵卒(Private)
 海兵隊員は砲1門につき1名の割合で配属された。


 
各師団の配置
配置 兵力
第1師団 チャタム 47個中隊+第1砲兵中隊
第2師団 ポーツマス 48個中隊+第2砲兵中隊
第3師団 プリマス 48個中隊+第3砲兵中隊
第4師団 ウリッジ 30個中隊+第4砲兵中隊

 
各中隊の兵力
大尉 中尉 少尉 軍曹 伍長 鼓手 兵卒
1801年
140
1802年
100
1803年
130
1808年
140


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