准士官の役職。航海士、先任操舵手、操舵手などの上官。位置の観測、水路の測量、操帆等の航海業務の責任者。船倉の積荷・バラストの点検も行い、薪、清水、酒類の管理も行った。掌帆長(Boatswain, Bosun)
航海長に次ぐ准士官の役職。掌帆兵曹、掌帆手の上官。水兵出身で下士官としての経歴1年以上をもつものから選抜・任命された。軍艦旗、ボート、帆、索具、錨の管理を行う。掌砲長(Gunner)
掌帆長と同格の准士官の役職。掌砲兵曹、砲手長の上官。水兵出身で下士官としての経歴1年以上をもつもので砲術試験に合格したものが任命された。
航海士(Master's mate)
航海長の部下。下級の准士官ではあるものの、士官候補生より上席とされ、給料も高かった。士官候補生と共に海尉昇進試験の受験資格が得られる地位になっている。
士官候補生と総称される少年(から中年)の一群は数種類にわけることができる。しかしほぼ共通の軍服で、同じようにyoung gentlemanと呼ばれ、先任順を除けば、特に差別はなかった。軍艦上での地位は最先任の下士官で、艦長によって任免された。軍医(Surgeon)
艦長従僕(Captain's servant)はネルソン提督が軍艦に乗り組んだ方法である。実際に艦長の世話をすることはなく、士官候補生としての修練に励んだ。1794年にこの制度が廃止されると、その代わりに1等志願兵(volunteer 1st class)という階級がこれに取って代わった。
艦長従僕、1等志願兵ともに、空席ができれば正式に士官候補生として登録された。艦長との関係が深い場合や、偶然、空きがあった場合は乗艦してすぐに士官候補生として登録されることもあった。
年季の入った候補生や商船での経験がある候補生は航海士(master's mate)の資格を持つ場合が多かった。航海士は先任候補生としての地位が主張でき、俸給もやや高い。
海尉への昇進は年齢19歳以上、航海歴6年以上、候補生としての勤務歴3年以上で昇進試験の受験資格が得られる。この条件は、実際にはあまり顧みられていなかった。
専門職。主に外科医。数人の助手を持つ。戦闘後に軍医が作る死傷者リストは「肉屋の勘定書き」、そして軍医自身は「骨挽き」と呼ばれた。医療業務の他、汚水処理、通風、ハンモックや衣服の洗濯など、衛生面の管理も担当していた。主計長(Purser)
准士官待遇の専門職。書記としての経験1年以上を有するものが艦長の推薦を得て任命される。主計員の上官。船匠(Carpenter)
准士官待遇の専門職。乗艦の修理、整備などを行う。数人の見習い・助手を持つ。
●下士官(petty officer)
経験を積んだ水兵が昇進する。上級下士官(senior petty officer)、下士官(petty officer)、下級下士官(junior petty officer)に大別される。
先任操舵兵曹(Quartermaster)
操舵の他、時鐘の管理も行った下士官。操舵兵曹(Quartermaster's mate)
操舵に当たる。掌帆兵曹(Boatswain's mate)
掌帆長を補佐した下士官。掌砲兵曹(Gunner's mate)
掌砲長を補佐した下士官。砲4門を統括した。
砲手長(Gun captain)
砲の責任者。各砲1人。照準等にあたった。砲は各個照準であったため、砲手長の責任は大きかった。檣楼長(Captain of xxxtop)
各マストのトップを統括する兵曹。艦長付き艇長(Coxswain)
ギグ(gig)の艇長。戦闘時に艦長の脇に控える者と、配置につく者がいる。下士官待遇の艦長の私的な部下である場合と艦内の水兵から選ばれる場合があった。
衛兵伍長(Master-at-arms)
防火責任者で艦上の警官。全水兵の憎まれ役。
司厨長(Cook)
グリニッジの年金受領者の中から選任される下士官待遇の専門職。乗組員の食事を担当したため、その不満を1身に浴びた。