更年期障害・強い月経痛・子宮内膜症・のぼせと発汗

 (・電話中立っていられなくなる・のぼせと冷や汗・顔面紅潮・暖房で顔が真っ赤になるのぼせと足冷、子宮内膜症・強い生理痛・嘔吐・おりもの・陰部掻痒・陰部潰瘍・出血がとまらない・生理が少しずつだらだらと長い・生理がこない・月経時の下痢・月経時の発熱)・月経前症候群・月経の前になると頭痛・肩こり・嘔気・立っていられない・食欲不振・乳癌切除後の上腕の振り袖状の垂れ)


・子宮内膜症の症例、40代後半

生理時に、生理痛・絞られるような腹痛が強い。鎮痛剤が効かない。出産後、7-8年してから生理痛・腰痛が強くなった。卵巣膿腫を4年前に内視鏡手術した。子宮筋腫もあり、現在直径4cmで、出血は二日目にひどい。

昨年、腹痛のために救急で10日間入院して点滴を受けた。その後、リュープリン注射を月に1回おこない6回が1クールと言われたが、注射によって腕があがらなくなったり、かーっとのぼせたり、手がしびれたり、注射痕が痛んだりで、つらくて4回で中止となった。

(ストレスをとらないで、生命エネルギーを注入したために交通渋滞というストレスが生じて、副作用が生じたのでしょう。)

もう二度とリュープリン注射はしたくないが、子宮筋腫の直径が5cmになったら再開すると医師からいわれているので、漢方をたよって来局。

昨年は膝痛・腰痛になった。人混みでは気分が悪くなるという。

上記の症状に対して漢方薬処方後、1ヶ月で生理痛や人混みでの気分の悪化などのストレスの改善に対して、気分も落ち着きよく効いたとのこと。

次回、もうすぐ病院受診するので、その結果を踏まえて漢方を処方してほしいとのことで、2週間分の処方をお渡ししたところ、超音波検査では子宮筋腫は4cmのままで大きくならず、このまま様子をみることになった。

変化としては、今回の生理痛は、ほとんどなかったと感謝された。体調もよくなり、人混みでも疲れず、目の疲れも解消し、色々な事に対して感じていた、イライラを感じないようになってとても、すべてにわたって楽になったと言う。

3ヶ月飲み終わって、生理痛はなくなり、今回は出血もとても少なくて、もうすぐ生理が終わりになるのでは?・・と本人は感じている。


以上は、女性ホルモン剤を使わなくても、生理痛・子宮内膜症は治るという症例です。

その理由は、ホルモンの異常はさまざまなストレス(精神的な、肉体的な)によって生じたあくまでも結果であって、ホルモン不足やバランスの失調が、症状の根本的な原因ではないからです。

婦人病の異常を治すには、プレマリン錠0.625mg、プロゲストン錠2.5mg、スプレキュアやナサニールなどで女性ホルモンを補充するのではなくて、ホルモン異常を引き起こしている体の症状として現れている、あちこちのストレスや五臓六腑の不調を、場所やその症状の性質に応じて漢方薬を使い分けて、解消することです。

上記のホルモン剤が適応となる状態は、女性ホルモンの急激な減少による、ある種ののぼせに限られています。単なる腎虚(ストレスは無く、生命力の低下)だけという場合です。

しかし、ほとんどの場合、現に存在するストレスによって腎虚状態が生じているので、ストレスを解消しながら、同時に体の元気をつける漢方薬を処方しないと、ホルモン異常は解消されません。

ホルモン剤というものは、漢方的に分析すると元気をつける薬(精力剤:生命エネルギーを高める薬)に分類される(腎虚という症状につかう薬)ですが、生命エネルギー(元気)が、のびやかに体の中を流れるようにしないと、つまり、体の中の生命エネルギーの流れの交通渋滞を起こしているその場所のストレスを解消しないと、エネルギーを補充することによって、さらなる多大な交通渋滞を、あちこちに起こして塊をつくるようになるおそれがあります。

女性ホルモン剤で、癌(塊のなれのはて)の発生率が高まるというのはこの理由です。

元気にする薬(漢方薬も同じだが)だけでは、体はスムーズに動かないという理屈です。

子宮筋腫(直径6cm以下にかぎる)・子宮内膜症・生理痛・のぼせ・発汗・めまい・強い冷え性などは、生命エネルギーがスムースに流れないために生じているので、それを解消するように、その方にあった漢方薬を処方するならば、とてもよく効きます。

しかし、漢方薬の効能効果の記載にしばられた使用では、余り効果は期待できません。

1ヶ月漢方薬を飲んで、自覚的な効果改善がなければ、婦人科の病気に関しては処方間違いとさえいえます。

たとえば、生理痛や子宮内膜症の腹痛や冷えのぼせに、桂枝茯苓丸を単独で使うと悪化する場合が、とても多いことは注意すべきです。


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