99/12/13 認定調査員・主治医意見書に依頼したい事項
(各在宅介護支援センターには、12/13の平塚市在宅介護支援センター連絡協議会の前にFAXします)
介護認定審査会で認定審査をおこなっての、介護支援専門員としての個人的な意見です。
認定調査員へ改善を要望したい点
読みやすい字で記入してくださるようお願いします!
認定調査の特記事項の記入欄が大変狭いため、字が読みづらい場合は、介護認定審査員の事前の読み込みに相当な労力を要します。審査会では、1回に40件を審査します。そのために認定審査員は、日常業務をしながら、資料の読み込みや介護像の一致するレーダーチャートの選択・仮の認定度の事前検討に毎週3日はかかります。日中 介護業務に従事する勤務者の審査員は、夜に調査資料を読んでいて相当な疲労をもたらします。
記入について、介護保険推進室から調査員に対して問い合わせが多く発生しています。認定調査にあたった病棟の看護婦等が問い合わせに忙殺されているとのこと。認定調査は、文章力と調査力に優れた調査員に依頼して欲しい。(施設や介護保険推進室への要望です)
療養型病床群の認定調査員に多い事例ですが、特記事項が一行程度しか書いていないものがあります。そのため介護認定審査会では、調査が不十分として再調査にするのですが、再び一行の記載でした。再調査にされたものは、原則 別の調査員に依頼してください。介護保険の判定の仕組みや介護保険の理想を理解しているのか疑問です。
<記述について、認定調査員に依頼したいこと>
文章について
- 「概況調査」は、第三者にわかりやすい文章で記してほしい。
- 第三者である認定審査員が、一読で特記事項の内容が理解できるような記述に!
- 字は大きく、楷書で。概況調査の、字が大きい方の記載は、とても読みやすく楽でした。
全体的な記述について
- 概況調査には、申請者の生活状態の全体像が想像できるエピソードがほしい。3行程度で簡潔に表現してください。 例えば、(病院入院中、痴呆のため歩行困難から筋力低下となり手足が約80度に拘縮し経管栄養ですが、4年間じょくそうもできず静かな患者といわれています。など)
- 身体状態の悪化してきた経過の記述があると、付記する審査会の意見が述べやすい。
- 介護の手間に影響を与える具体的な状況・エピソードを、簡潔に記述してほしい。
- 重篤度の高い症状群についての特記事項欄に未記入が多い。重篤度の高い症候群については、介護の手間への影響が大きく、審査会で検討する必要がありますので、必ず主たる群の特記事項に記載を。
- 重篤度の高い症状群の特記事項の記載が、少なくても困ります。
家族関係の記述について
- 主たる介護者(娘・嫁・長男など)の年齢や身体状況、家族構成、親族関係の簡潔な記載を。
- 要介護者と介護者など、家族の相関図が頭の中に描きにくい特記事項の記述が多いので、分かりやすくお願いします。認定審査員に、介護者と要介護者の混同が生じやすい記述となっています。
- 概況調査欄で、人間関係の記述が不明瞭で、どういう関係かわかりづらい。例として、介護者は「娘」という記述も、(娘が65歳だと)読んでいてピンとこない。「65歳の娘が介護している」のように、なるべく年齢を入れて欲しい。
- 家族の介護力が分からず、介護サービスのアドバイスが難しい。介護者情報がほしい。
- 一般的に、主たる介護者は嫁が多いが、概況調査の特記事項に息子の影が見えない。介護していない例が多いのでしょうか?介護者への補助介護者の記載も、おねがいしたい。
調査票の特記事項の記述の依頼
- 調査票の特記事項の記述が全くないのは、介護保険の判定の仕組みや意義を理解していないと思われます。今後、その調査員に依頼しないようにおねがいしたい。市民へ審査会の義務が果たせない。
- 認定調査員の評価を認定審査会時に判定する等、調査に責任をもたせる必要があります。調査能力の評価にもなります。書けばよいというシステムでは改善しない。認定調査票のA,B,Cの評価を認定審査会で行うべきです。
- 調査票の概況調査には、介護に至った「原因と経過」を簡潔に記すことが、予後の対策や悪化防止施策のため必要です。これらは、統計処理し、市の介護保険事業計画の重要な検討資料とすべきです。
- 要介護者は、脳卒中後の廃用性疾患による方が、非常に多いことが分かりました。
拘縮・麻痺について、
- 「両下肢の筋力低下」のみの記述では、その程度がわかりません。 両下肢の筋力低下で、「なになにが出来るのみ」、又は「なになにが出来ない」、「なになにする時は介護者が片手を支える」などの、筋力低下度が分かるエピソードを記述してください。
- 拘縮は、おおよその可動角度や拘縮度数を入れてください。 膝は120度に曲がったまま、肘は約90度に曲がったまま、股関節は80度くらいまでしか開かず、おむつ交換が大変など。拘縮の角度から、歩行や介護の手間等への影響を考慮します。
移動・歩行について、
- 移動に関して、イメージできる表現を(壁づたいにゆっくりとつたい歩き何メートルは可能。隣の家までは何メートルくらいは、杖でやっと歩けるなど)
- 「長くは歩けない」などの表現は避けてください。 何メートルくらい、又は、スーパーまで何メートルは可能などの、歩行の様子が分かるように。日によって、全く歩けなくなる人もいるが、それは特記事項に。
- 歩行は、「平均的に歩いている距離と態様」を示してほしい。たとえば、トイレまでは、室内は可能、隣の家までは、近所までの何メートルくらいは、壁につかまりながら、杖で、歩行器で、シルバーカーにつかまりながら等の記述で。(平均歩行可能距離のメートルを入れて欲しい)
- 主語と述語、「目的とする動作」と「可能かどうかの結果」、を簡潔に記述してください。
- (原因)なになにの理由で、(目的語)なになにが、(結果)出来ない等を、しっかり記して欲しい
- 「血圧の薬をのんでいる」との記載だけで、薬品名と用法用量(mg数)が未記入が多い。
- 介護者の年齢を書いて欲しい(老老介護・年齢が、どの程度、家族介護の手間に影響するのか?)
問題行動について
- ひどい物忘れ等の頻度を(1カ月に一度以上、1週間に1度以上など)回数だけでなく、「回数」と、どのような「種類」の物忘れを、どれくらいの「強弱の程度」するか、エピソードを記述してわかるように。
- 中間評価項目の評価が、身体不備に偏りすぎている。痴呆に対しての要介護度の評価が低すぎるように感じており、介護認定審査会では、特に家族介護の場合、介護の手間がかかるとして二次判定を重度に変更している例が多い。
- 現在は、「なになに」と書いてあるが、過去の問題行動についてハッキリと書いていないものがある。特記事項には、過去の問題行動も記すべきです。
主治医意見書に、改善を要望したい点
医師の意見書の字が読めないことが、事前の読み込みで最大の労力を要しています。半数以上の意見書は、悪筆のために読みにくい。へたでもよいから読める字で書いて欲しい。医学的検査料は別枠で、意見書だけで5000円が支払われています。一方で、少数の医師は、記入にワープロを使用し、内容も充実していて、しかも簡潔に要領よく記載されているものもある。調査員の中にも、分かりやすいエーピソードの記載とともに、すべての処方薬とその内容などがワープロ・パソコンできっちりと書かれた優秀な特記事項の記載例がある。優秀な調査員と不備な調査員の差が大きすぎます。
意見書と調査員との障害老人自立度・痴呆性老人自立度の違いが3-5ランクも有るものが多い。乖離が大きすぎるのは問題です。自立度が未記入の例もある。両者とも完全に一致しているのは、例外なく介護療養型医療施設に入所している申請者だが、あわせているようでこれも問題です。
医師会の会合で、病名の1番目には主として介護を要するに至った原因となる疾患を書くように、との申し合わせがあった。介護に至った原因病名とは無関係な病名、例えば慢性胃炎等が1番目にかかれている。
意見書で、1-3まで、病名が羅列されているが、特記事項にそれぞれの病気の程度を示す記載がない場合は、「介護を必要とする程度」が判断しにくい。
大部分の主治医意見書では、処方薬はすべて記載されていたが、少数の意見書では、薬の処方が記載されておらず、薬学的に判定しようがないものがあります。安定剤で、ふらつきや転倒が起きていないか、幻覚・見当識障害が起きていないか? それらによって握力等の脱力・麻痺等に影響を与えていないか検討できません。
薬を3錠と書いてありますが、薬のmg数が抜けていたり、1日投与量が記載していないものがあり、薬の介護に与える影響は判断できない意見書がみられます。
尿閉の危険性が意見書にかかれていのですが、薬局から購入している薬も含めて、薬の調査・記載が無い。(胃薬にも抗コリン剤等の尿閉を起こす薬が入っていることが多い)
「血圧の薬をのんでいる」だけの記載。薬品名と用法用量の記載をお願いしたい!
「痛みが強い」と記述されているのに、薬名が書いていない。全部の処方薬を書いていないと思われる意見書もあります。他科の、たとえば整形の薬が書かれていないのは、医師間で連携がとれていないか、他科の処方薬にかかわらないものと思われ、それでは重複投薬等で、患者が不利益を被るおそれがあります。
意見書にも調査票にも「昼夜の逆転」があります。よくある症状ですが、「日常生活に支障がある場合」かどうかの観点で主治医意見書は記載しておらず、医学的観点から記載しています。意見書と調査票の「昼夜逆転」の記載の基準が異なるため、加重なチェックが必要となっている点を改善してほしい。
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