99/4/10 DDIポケットの文字専用PHSが人気、契約者増える◇朝日新聞ニュース速報
PHS(簡易型携帯電話)のDDIポケットが2月中旬に始めた「文字電話」の滑り出しが好調だ。音声による通話という電話機なら当たり前の機能をあえて取り払った文字専用のサービスで、月額基本料を980円と通常のほぼ3分の1に設定。この割安さがパソコン世代のビジネスマンに受け、PHS離れが進む中で早くも4万1000人の利用者を獲得した。
「文字電話」の専用PHS端末は、ポケベルを大きくした形。液晶画面に文字やイラストを手書きして送信する。同社では、データ通信など会話以外の使われ方が、全通信回数の半分程度まで増えているのに着目し、「文字電話」を生み出した。
当初女子高生らをターゲットに売り込んだが、実際に飛び付いたのは20代後半から30代のビジネスマン。割安さに加え、職場に届いた電子メールを「文字電話」に転送して外出先で読む、といった利便性が受けているようだ。
携帯電話に顧客を奪われているPHS市場は、利用者の減少が3月末時点で18カ月連続となった。その中でDDIポケットは「文字電話」の効果で、昨年7月以来久しぶりに新規契約が解約を上回った。同社では「機能や形が携帯電話と同じままではPHSは負けてしまう。生き残るための象徴的な商品にしたい」と期待している。(時事)[1999-04-10-14:47]