99/03/23 富士通にニフティ全株売却 日商岩井255億円で 共同通信ニュース速報
経営再建中の総合商社、日商岩井は99年3月23日、富士通と折半出資するパソコン通信大手ニフティの自社保有分一万株を、99年3月末にすべて富士通側に売却すると発表した。売却益は二百五十五億円で、全額を財テク失敗に伴う損失千六百億円の処理原資に充てる。
日商岩井は先に、大阪本社ビルなど不動産を百六十一億円で処分済み。今回の措置と合わせて損失処理にめどがつくため、一九九九年三月期の最終赤字は当初予想の四百四十五億円になる。ただ優良資産の大半を失う結果となり、財テク失敗のつけは大きかったと言えそうだ。
一方、富士通はニフティを完全子会社とし、インターネットを通じたネットワーク事業を一気に拡大する布石を打った。
富士通は、今回の株購入について「ニフティは個人会員が多く、当社は企業中心のインターネット接続サービス『Info Web』を展開している。それぞれの強みを生かしネットワークビジネスを強化したい」としている。
ニフティは八六年設立で、資本金十億円。八七年からパソコン通信サービス「ニフティサーブ」を始め、現在二百六十九万人の会員を抱える日本最大のオンラインサービスを展開。九八年三月期の年商は四百三十一億円。早ければ九九年度中にも上場する計画だったが、富士通による完全子会社化を機に、計画が修正される可能性も出てきた。[1999-03-23-17:46]