99/5/22関東周辺で調剤薬局ドロ暗躍 読売新聞ニュース速報

病院などに併設されている調剤薬局から、向精神薬などの薬品類がゴッソリ盗み出される被害が関東周辺で相次いでいることが5月23日、警察当局の調べでわかった。都内では今年1999年に入り六件起きているほか、逮捕された中国人の供述から、盗んだ薬品を中国や台湾に流す「ヤミルート」の存在も浮かび上がっている。いずれも外国人窃盗団の犯行とみられ、警視庁や各県警では、全容解明に全力をあげている。

調べによると、今月十四日夜から十五日朝にかけて、東京都青梅市内の調剤薬局に何者かが侵入し、現金二百万円と箱入りの向精神薬など五百種類の薬品を盗んだ。神奈川の伝言サービス事件でも使用された向精神薬のトリアゾラム千錠も含まれていた。

また、直前の十三日夜から十四日朝にかけて、葛飾区亀有の調剤薬局で、モルヒネなど約三百五十種の薬品と現金五万円が盗まれたほか、先月二十九日にも、杉並区薬剤師会の薬品庫から、抗がん剤などの高価な薬品ばかり約百六十種類が盗み出された。

このほか、北区の調剤薬局や江戸川区内でも計二件の被害が相次いだほか、千葉県浦安市の薬局でも今月十九日から二十日にかけて、劇薬指定の不整脈の治療薬など約一千万円の薬品や化粧品が盗まれた。埼玉、群馬、茨城の関東各県でも被害が確認されている。

いずれも夜間に無人の薬局にバールなどで窓ガラスや壁などを破って侵入し、倉庫などから医薬品を箱ごとそっくり盗み出す手口で、レジや金庫から現金や高価なパソコンなども盗んでいったケースもあった。

群馬県内などでも、今年になって被害が十数件相次いでいたが、三月に中国人留学生らの窃盗団三人が群馬県警に逮捕された。[1999-05-22-22:51]


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