99/4/21 ◇福岡赤十字血液センター職員着服◇朝日新聞ニュース速報

福岡県赤十字血液センター(前田義章所長、同県筑紫野市)の職員が、医薬品卸会社から検査試薬を購入したとする架空の契約を結び、実際にはパソコンを買い取って転売、3年弱の間に約1億1700万円を着服していたことが20日、分かった。センター側が記者会見して明らかにした。職員はセンターの調査に着服を認め、その金は「飲食に使った」などといっている、という。

同センターによると、この職員は1996年12月から検査第1課長をしていた男性(47)。今年3月30日付で懲戒解雇になった。

センターの説明では、元課長は95年1月から97年9月までに、医薬品卸会社2社との間で、計約1億3910万円分の検査試薬や試験管などの消耗品をセンターが購入したとする架空伝票を作成。実際は、両社が扱っているノートパソコンを計約310台購入し、福岡市内のパソコン業者に転売、約1億1758万円を得ていた、という。

センターは、元課長を懲戒解雇するとともに、前田所長ら3人を戒告処分に、関係課長2人を減給処分にした。架空請求した医薬品卸会社2社については現在、取引を停止しており、架空請求による支払額の返還を求める方針。さらに、元課長については損害額を精査した上で、賠償請求訴訟と刑事告訴を検討しているという。[1999-04-21-00:59]


99/4/21 <水増し請求>福岡・赤十字血液センター元課長が1億4千万 毎日新聞ニュース速報

福岡県赤十字血液センター(同県筑紫野市)の元検査課長(47)が約2年半にわたって検査試薬を業者に水増し請求し、実際との差額分として受け取った310台のノートパソコンを換金する手口で、約1億4000万円をだまし取っていたことが20日わかった。センターは課長を懲戒解雇し、刑事告訴を検討している。

同センターは県内の献血が集まる施設で、この課長は献血検査をする検査1課の課長をしていた。同センターによると、課長は1995年1月ごろから97年9月ごろまで、血液検査に使う試薬や試験管などを、福岡県内の医薬品卸売会社2社に発注する際、書類上の数字を水増しして請求。2社から実際の納品との差額分としてノートパソコンを毎月数台から数十台受け取っていた。パソコンは計310台になり、課長は福岡市のパソコン販売店で換金していたという。

2社はパソコンも取り扱っており1社の担当者はセンターの調べに対し「課長から当初、経費が足りずパソコンが購入できない、こういう形で納入してくれないかと、請求された」と話している

薬品購入をめぐり、この課長が不自然に特定の業者を推薦する言動があったことなどから、センターが今年1月から調査。課長が事実関係を認めたため3月30日付で懲戒解雇した。また所長ら5人を戒告や減給処分にした。

課長は金の使途について「博多区の中洲などで飲食に使った」と話しているという。課長は発注や購入、検品などの事務を1人でやっていたため長期間、発覚しなかったらしい。

センターは医薬品卸業者も不正に関与していたと見て、損害の返還を求めていく方針。うち1社は不正期間中、取引額が通常の2倍になっていた。前田義章所長は「献血をしていただいた人の信頼を裏切り、大変申し訳ない」と話している。[1999-04-21-00:36]


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