2001/6/27 空自機誤射「電気系統の異常」と断定  読売新聞ニュース速報

北海道恵庭、北広島両市にまたがる自衛隊島松射撃場で起きた空自戦闘機「F4EJ改」による誤射事故で、自衛隊の航空幕僚監部の事故調査委員会は27日、「操縦かんを動かすだけで機関砲の発射信号が出てしまう、電気的なトラブルが主な原因だった」と断定する中間報告を発表した。

今回の事故は、機材の故障によるものと判明したことで、防衛庁では今後、事故を起こした機材に特有のトラブルなのか、F4EJ改を含め同様のメカニズムを持つ自衛隊機に共通のトラブルの可能性があるのかどうかなどを徹底チェックする。同委員会では、「約30年にわたってF4型戦闘機を使用しているが、世界的にもこのようなトラブルは聞いたことがない」と話している。

事故調査委員会の中間報告によると事故機は操縦かんを特定の位置に動かすだけで、機関砲の弾丸を発射するための引き金(トリガー)を引くのと同様の電気信号が流れる異常が確認されたという。空幕ではさらに、この電流がどこから流れているかなどの機体の分析を進めるとしているが、機体整備や点検に問題があった可能性も出てきた。

今回の事故は25日午前、空対地射爆撃訓練を行っていた空自戦闘機「F4EJ改」が同射撃場上空を旋回中、突然、20ミリ機関砲が発射され、計188発が約5キロ離れた北広島市の福祉施設などの一帯に着弾したもの。

事故調査委員会では、「トリガーの安全ピンが入ったままなのに突然、射撃が始まった」とのパイロットの証言に基づき、機関砲の電気系統を中心として機体の分析や関係者の事情聴取を進めてきた。当時、事故機は訓練のため、武器を発射する火器管制システムの主電源を入れていたが、通常はトリガーやボタンを押さないと発射されない。機関砲発射と同時に表示装置部分を自動録画するビデオにも、発射状態を示すランプの点灯は映っていなかった。ところが、事故調査委員会が事故機の主電源を入れ、操縦かんを左右に動かしてみたところ、機関砲を作動させる電流が流れた。[2001-06-27-14:20]


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