2001/6/1 高齢者の潜在能力に期待 高齢社会白書  朝日新聞ニュース速報

政府は1日、高齢化の現状や対策などをまとめた「高齢社会白書」を閣議決定した。

20年には65歳以上の高齢者が国民の4人に1人を超える本格的な高齢社会を迎えるため、高齢者の潜在能力に期待し、価値観や生活様式の多様化に合わせた政策の必要性を指摘。高齢者と若い世代の交流を積極的に進める政策を求めている。

白書は、社会保障給付費が2000年度の約78兆円(予算ベース)から25年度には約207兆円に増えると推計。本格的な高齢社会になる前に、持続可能な制度を再構築することが重要な課題と指摘。そのために高齢者にも能力に応じた負担を求めている。

40年代後半生まれの団塊の世代が高齢者になることから、社会的弱者ではなく「新しい『自立』した高齢者像をつくる潜在力を持っている」と評価。公的年金だけでなく就業など自助努力で生活費を得る意識が強いことや、生涯学習への高い関心、情報技術(IT)への適応能力の高さなどを特徴として挙げた。

そのうえで

(1)年齢にかかわりなく社会参加活動が可能

(2)生涯教育と社会的安全装置の整備

(3)世代間の理解と尊敬の確保―

―という社会の実現を今後の課題としている。

昨年10月現在の高齢者人口は2193万人で、総人口の17.3%を占めた。高齢者世帯(世帯主が高齢者)の平均貯蓄は約2739万円で、全世帯平均の約1781万円を大きく上回っている。

[2001-06-01-09:38]


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