2001/4/15 雇用時の色覚検査の一律義務付けを廃止へ 政府 共同通信ニュース速報

政府は十四日、事業者が従業員を雇い入れる際、色覚異常の有無について調べる検査を一律に義務付けている労働安全衛生規則の関係条項を見直す方針を固めた。厚生労働省の検討会が六月にもまとめる最終報告を受け、規則改正する。

改正は「検査の不要な職種もある」との判断に基づき、一律義務付けを廃止。@警報ランプの色の識別など安全にかかわる作業を伴う職場や、生産管理に色の識別が問われる専門職・技術職など一部職種に義務付けを限定するA事業者の自主性に任せる―などとする案が出ている。

検討会は昨年七月の中間報告で「感染症情報や、色覚検査などの遺伝情報は誤解や偏見を招きやすく、社会的差別につながる可能性が大きい」と指摘。「治療などで改善できるものではなく、事業者が積極的に収集すべきではない」と是正を求めていた。

色覚検査については、旧文部省(現文部科学省)が一九九四年十二月に省令を改正。九五年度から学校の健康診断での実施回数を減らし、集団から個別検査に変わった。教育現場とともに就職現場でもプライバシー配慮が強まる形だ。

労働安全衛生規則第四三条は就職時の健康診断について、血液、心電図、視力や色覚検査など十一項目の実施を義務付けている。

旧労働省は九九年度に企業の健康診断に関する研究を外部に委託。厚生労働省の検討会は色覚異常による危険が予測される職業や職務、検査の在り方などについても検討を進めている。[2001-04-15-07:47]


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