ハンセン病(Mycobacterium Leprae)
ハンセン病は抗酸菌に属する、らい菌(Mycobacterium Leprae)による感染症で、主に皮膚、末梢神経に病変をおこします。
わが国では、1907年「らい予防ニ関スル法律」が公布され、その後数回の改正を経て1953年の「らい予防法」により、強制入所や外出制限など、療養所中心の医療が行われてきました。
最近、治療法ができてからも強制入所継続や断種手術、強制堕胎などの人権侵害が、この法律がなくなる1996年に至るまで法律的に存在してきたことに対して、過去の功罪の論議のなかでも、強い非難が起きています。
現在は発病率は低く、また、仮に発病しても感染率は弱く、適切な治療で完治するため1996年にこの予防法は廃止され、病名は「らい」から「ハンセン病」に変わりました。
日本では1900年には約3万人のハンセン病患者の報告があり、その後1919年には約1万6千人と減少し、最近では10人以下となりました。
一方、日本へ入国の外国人が10人前後(20-30代)の新規患者がみられます。現在、全国15のハンセン病療養所には約4500名が入所し、ほとんど治癒しており、また700名余り(元療養所入所者や外来患者など)が通院しています。
しかし、半世紀にもわたる長期の入所のため、根強い差別により帰郷することもできず、社会的にも働く場がなく、入所施設からでることができない高齢者が大部分で社会問題化しています。
現在、治療法としては、WHOが提唱している多剤併用療法(multidrug therapy: MDT)を基本に行われています。
リファンピシン(RFP)
ジアフェニルスルホン(DDS)
クロファジミン(CLF,色素系抗菌剤)
の3剤を、病型によって半年間(PB-少菌型)ないし1年間(MB-多菌型)内服します。
MDTにより1985年から1999年末までに、全世界で1000万人以上が治癒され、2000年当初の有病者数は75万人に減少しました。
なお年間の新規ハンセン病患者登録数が多い国は、
インド(約52.7万人)、ブラジル(約7.3万人)、インドネシア(約2.9万人)、バングラデシュ、ミャンマー、ネパール、ナイジェリア(各約1.3万人)、フィリピン(約0.9万人)などです。
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