2001/4/10 <養護施設で虐待>不満述べにくい弱い立場の子供=解説 毎日新聞ニュース速報
何らかの事情で親元から離れ、傷ついた子供が、保護された児童養護施設でさらに虐待を受ける――。日本の児童福祉行政の貧困を象徴するような出来事が最近相次いでいるが、それは氷山の一角だ。
弱い立場の子供たちが処遇への不満を施設内で口にすることは難しい。厚生労働省は昨年秋、553の全児童養護施設に子供から苦情を受ける担当者をようやく置いた。外部のオンブズマンを導入する施設も出始めたが、どこまで広がるかは未知数だ。
児童虐待防止法では、保護された子供や親の心をケアし、親子関係を修復する視点が十分とは言えない。心理療法担当の常勤職員を雇う資金的な余裕のある施設は少なく、同省は今年度から虐待した親にカウンセリングを受けさせる予算を初めて付けたが、4000万円にすぎない。
「大人を悪魔だと思っていました」。千葉県船橋市の「恩寵園」で激しい虐待を受けた女性の言葉は重い。家庭に恵まれず、その傷をいやすはずの場所で子供たちに再び同じ苦しみを与えてはならない。 【児童虐待取材班】[2001-04-10-22:30]