2000/12/3 <幼児虐待>長男長女死なせ山に放置 母親と同居男性逮捕 毎日新聞ニュース速報

広島県呉市の休山(やすみやま)山中に、同居していた女性の長女の遺体を捨てたとして広島県警は3日、無職、健一(28)=広島市中区銀山町=と、長女の実母で無職、光子(26)=住所不定=の2容疑者を死体遺棄容疑で逮捕した。

N容疑者はM容疑者の長女と長男の2人を虐待して死なせ、それぞれ別の山中に放置したと供述し、この2人とみられる遺体の一部が見つかった。県警は捜査本部を設置し、殺人の疑いもあるとして虐待の状況や動機などを追及している。

調べでは、両容疑者は昨年夏ごろから広島市東区の賃貸マンションで、M容疑者の長女祥子ちゃん(当時4歳)と長男の慶樹(よしき)ちゃん(当時6歳)の4人で住んでいた。しかし、両容疑者は同年秋に同居生活を解消する直前の10月中旬ごろの深夜、祥子ちゃんの遺体を車で休山に運び、2人で山中に放置した疑い。

N容疑者は先月28日、瀬川容疑者に対する恐喝容疑などで逮捕され、取り調べの中で、「昨年秋ごろ、(M容疑者の)子ども2人を殴ったりけったりしたら死んだので、遺体を山中に捨てた」と供述。今月1日の捜索で、幼児の頭骨などが休山と広島市安芸区阿戸の山中で見つかった。阿戸で見つかった白骨はビニール袋に入れられ、慶樹ちゃんとみられる。捜査本部はDNA鑑定をして身元の特定を急いでいる。

N容疑者は調べに対し、虐待の動機について「むしゃくしゃして憂さ晴らしに殴ったりしたら死んだ」などと供述しているという。また、県警は祥子ちゃんの死に関しては、母親の容疑者も虐待に加わっていたとみて追及する。

事件は9月末、母親の容疑者の知人が「(M容疑者の)子ども2人がいなくなった。N容疑者に殺害された可能性がある」と県警に相談して発覚した。M容疑者はその場に同席してN容疑者から金を強要されているとして、恐喝の被害届を出していた。【高橋 一隆】

警察庁によると、昨年1〜10月に虐待で死亡した児童(18歳未満)は40人、113人が検挙された。一方、厚生省のまとめでは、昨年度中に全国の児童相談所に寄せられた児童虐待に関する相談件数は1万1631件で、1990年度の10倍以上にのぼった。

相談の中で、加害者とされた大人の内訳は実母58%、実父25%、実父以外の父7%などだった。また、虐待された児童は小学校入学前までが半数を占め、小学生が34・5%子ども自身から通報があったのは全体の2%にすぎず、救いを求める声を上げられない小さくて無力な被害者の姿が浮かび上がる。

こうした虐待の急増に歯止めをかけるため、先月20日、児童相談所による立ち入り調査権の強化▽親権の事実上の一時停止――などを規定した児童虐待防止法が施行された。 【庭田 学】

[2000-12-03-19:50]


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