99/03/26 <文書隠し>慰謝料など秋田県へ約90万円の支払いを命じる−秋田毎日新聞ニュース速報
情報公開請求に対して、県が公文書を隠したり、虚偽文書を公開したのは違法だとして、秋田県の市民グループが県に約1475万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が3月26日、秋田地裁であった。手島徹裁判長は「大規模かつ組織的な大量の文書隠しや公文書偽造で、公文書公開を受ける権利を侵害した」と原告の請求を認め、慰謝料など約90万円の支払いを命じた。
訴えていたのは「秋田県生活と健康を守る会連合会」(鈴木正和会長)。判決によると、同会が県の公文書公開条例に基づき請求した1991〜94年度の食糧費・旅費関連文書のうち、県は秘書課や財政課、土木部監理課など44部署以上にまたがる規模で、計約1万8600件の文書隠しや虚偽文書公開を行った。
判決は「不正を隠すための悪質な違法行為」と県の行為を厳しく指摘し、同会が「知る権利」の侵害として求めた慰謝料の請求については、「個人の財産上の私生活や精神の平穏に直結するものでないから、一般的な不法行為より低額とならざるを得ない」との判断を示した。 【上田 宏明】[1999-03-26-19:50]