■ 第7回 関東甲信地区臨床化学研究会 H12.2.3UP


平成12年1月29日・30日、静岡県熱海市の湯河原厚生年金会館にて、第7回関東甲信地区臨床化学研究会が開催されました。

 

その研究会の模様を紹介します。第1弾に引き続き第2弾を掲載しました。

レポートは、海老名総合病院の鈴木 雪絵さんです。

 

 

レポート第2弾 H12.2.3UP


 

       「 パニック値(要緊急治療異常値検査)の設定と

                                   情報システムの実際と問題点」

 

        千代 孝夫 先生 

                           (関西医科大学救急医学 助教授)

 

 

検査部の臨床医学への関与(Drと検査部はもっとかかわっていなければならない)今は疎遠になった夫婦のようだ!相思相愛でなければ!

 

ではどうすれば??

 

「このひとつの方策がパニック値ではないかと思う」

と言う事から先生のお話が始まりました。

見る!この事が大切! いかに臨床に検査が不可欠か!と言う事を、貴重なスライドを用いて示していただきました。(見た目にわかる病態は簡単、見た目元気で徐々に病態が変わっていくものは検査の力が必要。データが動いているのが重要。とのこと)

 

普段、検査室にいると検査技師としか会わないなんて事もある。生理機能や採血業務などにたずさわっていれば患者さんと接する機会があるが、生化学などのルーチン業務などやっていると・・・。

 

たまに、検査データを報告した患者さんの心電図などを取りに行く事があり予想を越える患者さんの状態にびっくりする事がある。「なんだぁ???このデータで?いったいどうしたんだろう」(逆に、データが悪くても患者さんは比較的元気そうなときもある)こういった時、「患者さん直接見なきゃだめだ・・・」と思う。

 

病棟に上がってカルテを見るついでに患者さんを見るのも大切なんだなぁ

(まあなんでも自分しだいと言う事ですよね・・・。わたしは、かなり未熟者ですが、できることからこつこつと!やっていきたいなぁと思っています)。

 

パニック値の設定から臨床側への応用と妥当性の検討・追跡調査(パニック値を出現した例)さらには報告時チェックリスト(パニック値・通報相手・医療側の反応・所要時間・通報理由)・パニック値通報の効果結果判定(パニック値に基づいて治療が行われたか・その後の患者の状態・値は予期されたものだったのか・通報は遅すぎなかったか?・通報の有用性)によるアンケートなどについてお話していただきました。

 

最後にパニック値と尊厳死について「尊厳死は、いたずらに感傷的に死なせる権利を拡大させるのではなく、あくまでも、客観的に、科学的に執行されるべきであると思われる。このために、パニック値やAPCHEスコアのような科学的な成績が討議の参考資料として使用され、その適否が検討されるべきである」、としめくくられました。

 

 

 

レポート第1弾  H12.2.2UP


「 救命救急について 」  

                                  

                                     相馬 一亥 先生

                                        (北里大学医学部救命救急医学助教授)

 

 

【緊急医療】

緊急医療とは本来生命に危険があるか、あるいはそれが予測され、直ちに治療を要する急傷病に対する医療好意であり、医の原点と言える。

 

【救命医療】

地域の人口の変化・交通状況などの社会変動・疾病の構造変化に大きな影響を受ける。

 

【DOA】dead on arrival

病院到着時に心肺停止しているものを言う。死亡を意味するものではない

救急処置により心拍再開の可能性があるものを言う。

Dead…日本語での死とはニュアンスが違う!

 

【CPA】cardiopulmonary arrest on arrivalCPAOA

社会通念上のDOAこれにはいくつかのステージがある。

 

【CPR】CardioPulmonary Resucitation

心肺蘇生術

 

【DNR】Do Not Resuscitate

心肺蘇生を行わない指示

 

 

今回、救命救急と言うお話でした。救命医療体制・救急救命士・救急医学などについてのお話がありました。

しかし、CPA(社会通念上のDOA)などの患者さんでは、心肺停止後の時間の経過と蘇生率を見てみると1分から4分までが勝負!いくら救急救命士の質が上がっても到着が遅ければ蘇生は無理とのことでした。ゆえに、到着までに蘇生術をやろう!と言う事です。

 

救命救急とは、救急救命士さんがやるもの、病院で医者がやるものだけではなく

自分でもやらなきゃいけないものであるとの考え方が必要!(救命救急とはじつは身近な事から始まっている!!)

 

先生のお話でびっくりしたのは、心肺蘇生(CPR)で気道を確保していれば、人工呼吸なしで心臓マッサージだけでも胸腔ポンプの作用で蘇生できる可能性があるということです。(動物実験において10分間では予後の差は無いそうです)

まず始めに人工呼吸!というのが頭にあるのですが、先生もおっしゃられたように人工呼吸(口対口)で躊躇する場面に遭遇するかもしれません。心臓マッサージだけでも効果がある!と言う事を知っているだけですぐに行動が起こせるような気がします。

 

「DNR」わたしはこの言葉自体あまり知らなかったのですが(すみません…)

高齢化が進む中考えなければいけない大切な事だと感じました。

 

「天寿まっとう」という考え方であるとお話していただきましたが、超高齢者に本当に心肺蘇生が必要なのか?癌末期患者の場合は?と言われたときDNR(心配蘇生を行わない指示)というのを考えてもいいのでは!

 

しかし、超高齢者とはいったい何歳の事を言うのか・本人の意思が明確かどうかなど個人差があり脳死のように難しい問題であるようです。

 

 

 

 

 

 

■第14回勉強会 H12.1.29UP


県央地区臨床化学サークル主催

―緊急告知―

謎のベールに包まれたCRPに迫る!

基本中の基本を押さえレベルUP、さらにこんな事まで!

自分の求めていた答えが今あきらかになる…

【問合わせ先】

■臨床化学サークル

代表:濱谷 正孝

社会保険相模野病院  

臨床検査部

0427522025

 

■神奈川県臨床衛生検査技師会

県央地区代表:佐橋 邦彦

北里大学東病院  

臨床検査部

0427489111

 

■スズケン湘南支店

厚木市愛甲郡仲町1710‐1

0462276311

 

【主な内容】

 

1..急性相反応蛋白について
・急性相反応蛋白の生産の概略と種類
・CRPの特性
・CRPの測定法と測定限界及び今後
 
2.免疫比濁法(TIA法)とラテックス免疫比濁法(LTIA)の比較(長所・短所)
・パラメーターから
・試薬成分から

3.免疫比濁法に潜むもの TIA法に影響を与える物

・検体成分から
・試薬成分から
・装置面から
 
4.サイアス シリーズの開発・改良のコンセプトと今後
 
5.粒子凝集反応について
 
6.サイアス ラテックス シリーズについて
・高感度、低感度測定キットの性能の一部紹介
 
7.主な抗体種の短所と長所(TIA・LTIA)

 

 

 

 

 

 

 

 

■ 第13回勉強会


平成11年11月20日(土)15:30 よりスズケン湘南支店にてサークル主催第13回勉強会が開催されました。詳細は後日掲載します。

テーマ: 「 脂質検査とその臨床的意義 」
講師 : 阿部 聡子 先生(第一化学薬品株式会社)










第23回臨床化学箱根セミナー





平成11年11月13(土)・14(日)、静岡県熱海市の湯河原厚生年金会館にて、第23回臨床化学箱根セミナーが開催されました。


11月13(土)
   大阪医科大学 病態検査学 清水 章先生による学術講演 「質量分析による代謝異常の研究」が行われました。HbA1cなどの施設間差是正の為にHPLC法で統一しようという動きがあることや、HbA1cの値に異常があるが血糖の値に反映されていないときには、異常ヘモグロビンの存在が疑われるという身近なお話から、家族性アミロイド‐シス・モリブデン補因子欠損症などの症例の研究についてお話くださいました。また遺伝子レベルで配列の構造解明が進んでいるが、遺伝子レベルでわからないことが質量分析によりわかる症例があるということをうかがい大変驚きました!(質量分析てばすごい!)

 
パネルディスカッション「検査室の管理・運営システムについて」では、Core Lab. ・ POC( Point of Care Testing ) 今話題のFMS・ブランチラボについてのお話がありました。検査室が生き残るためには!神奈川県臨床衛生検査技師会(主学会)でも言われていたように附加価値といことも問題となってきていると思う。では、附加価値とは?検査技師個々が、自分では何ができるのかを考え行動していかなければ今のまま変わらないのだろうなと思う。(何事も動かなければ変わらない。言うのは簡単だけど動くのは結構大変!でも少しずつ行動してみようと思う)附加価値・技師の自覚だけで自前の検査室でやっていけるのか?FMS・ブランチラボのイメージははっきり言って良くはないかもしれないが「検査室が生き残るためには!」を模索する中の1つの方法ではないかと話を聞いていて感じた。

11月14(日)
「データの共有化はどこまでできているのか」
西湘エリア・湘南エリア・県央エリアそれぞれのエリアのサーベイについの発表がありました。県央エリアを代表して北里大学病院の藤村 善行氏が発表してくれました。
レポート:鈴木)







第36回関東甲信地区医学検査学会



平成11年10月2日(土)・3日(日)山梨県甲府市にて、弟36回関東甲信地区医学検査学会が開催されました。当サークルからは、海老名総合病院の鈴木 雪絵さんが発表しました。演題名 は、「 神奈川県県央地区の正確さを基盤としたサーベイの実践 −CRE・UA−」 です。

内容は今年6月に行った当サークル主催のコントロール・サーベイの実践方法と結果についての報告です。ポイントは、演題名にあるように 正確さ を基盤としているところです。

従来のサーベイでは、結果の評価に全施設の測定値の平均値が使用されています。しかし、これでは数の多いものが正しい、という評価になります。では、サーベイに使用する試料に表示値がついていたらどうでしょう。この値を基に評価を行うのですから、評価結果に客観性をもたせることができます。

また、この表示値が、基準となる測定方法で測定して得られた値であれば、より信頼性のある評価が行えるものと考えられます。

サーベイ試料に正確な表示値をつける(値づけ)ことで、より正確な評価を行うことができる。このことが、さらなる検査データの共有化につながるものと考えられます。

                          甲府市総合市民会館前にて