4.体験するのだ!(1)
 いよいよクロサワ楽器店」の体験レッスンの始まり(1回45分×4回=3時間)。ドキドキしながら新大久保へ行く。前週楽器を見に行った日は土砂降りだったが、今回は風が強くて寒いものの快晴。めっきり春めいて来ましたな。一緒に受講するのは、自分の他に男性2人で計3人。ほかの2人とも自分より明らかに年上で、ちょっとホっとする。

 講師の方は、音大を出て何年も経っていない(と思われる)若い女性。仕事とは言え、“ヴァイオリンの悲鳴”をトータル3時間(他のコマもあるから6時間?)も聴くのは、さぞかし辛いことだろう。

 午後1時、ついにレッスン開始。まずは、楽器の取り出し方、持ち方(構え方ではない)、弓の張り方、肩当ての使い方から。こういう事をちゃんとやらないと、避けられるはずのミスで楽器を壊してしまうことがあるのだろうね。

 調絃の練習は今日は無し(レッスン期間中にやるのかな?)。先生がめいめいの楽器の音を聴きながら、許容範囲を超えているものは直されていた。これは、いずれは自分で出来るように、一度は体験させて欲しいのだけれど。

 まず楽器の構え方。「肩当ての凹んだ部分を肩に乗せて、顎当てをあごで抑えて。後で、肩当ての高さを調整して下さい」と簡単。次に弓の持ち方。親指と中指・薬指でループを作るということをまず教わって、それから各指がどう弓に当たるかの説明。
 後で実際に楽器を弾いてみたら、両方ともどんどん崩れてしまった。目に余るところだけは注意されたが、きっといちいち直していたらキリが無いのだろう。いずれ本格的に習うようになったら散々言われるのだろうけれど、少し指摘されたように、自分なりにチェックできるポイントがあるなら、極力教わっておきたいものだ(例えば、この指がこっちへ行っちゃってたらマズい、とかいうふうに)。

 そして、いよいよ楽器を弾く。「隣の家に聞こえたら迷惑だな」なんて考えずに弓を使うことが出来るのはとても気持ちが良い(耳は嫌がっていたが)。全弓で音を延ばしてみたり、半弓で止めてみたり。開放絃しか使っていないのに、早くも楽器を支配した気分になる。(< 早すぎるって。(^^ゞ)

「レッスンが4回しかありませんから、何とかその間に楽しんで弾けるように」(先生)ということで、どんどん進む。指板のA線のH,C#,D の位置に細いテープを貼ってもらって、左手で絃を抑える練習。とたんに難しくなる。左手だけでも、絃の抑え方はもちろん、親指の位置、手の平の遊ばせ方、…と気を遣わなければならないのに、そちらに気を取られていると、右手が崩壊してしまう。苦労するものである。

(経験者の方々は、試みに楽器と弓を左右持ち替えて弾いてみたら、悪戦苦闘ぶりを追体験して戴けるかも。(笑) )

 そして2の指(中指)、3の指(薬指)と練習したところで終了時刻になってしまい、この日はおしまい。「メリーさんの羊」を宿題として貰ったのだが、2の指までで弾けるように改変されていて憶えているメロディと違うので、違和感が邪魔してかえって難しいかも。(^^ゞ

 …初めて、まともにヴァイオリンの音を出してみた。講師の方には拷問だったと思うし、自分の左耳も逃げたがっていたが、とても気分の良い体験になった。覚えなければいけない事柄が山ほどあるけれども、マスターしていく程に楽しみが増えていくに違いない
2003.3.9