女子高生、謎の用務員さん、学校に来ない友、東大に行かない兄、学習意欲満々の母

 『Talking アスカ』ジャイブ刊(ピュアフル文庫)

(表題作)
「Talking アスカ」

女子高生アスカが喋っています。

1.彼の苗字とあたしの名前のこと

2.秘密の空中三回転のこと

3.保健室の内緒話のこと

4.無口なお祖父ちゃんたちのこと

5.教育実習にきた小沢先生のこと

6.文化祭と世界の三大美人のこと

7.アスカ美容室とヤマト塾のこと

8.一番好きなチョコレートのこと

9.あたしの前に閉ざされた扉のこと

10. なんかよくわからない将来のこと

(所収)
「悩める女王さま」

成績もよくて可愛らしくて親にも大事にされているお気楽な小学生にも悩みはあります。

「窓」

自殺するひとは皆が皆〈絶望〉と共にあるのではなく、むしろ、抑えがたい〈希望〉によって一線を越えてしまうこともあるのではないかという試論。

「高級な人間」

小学生の頃には婚約者がたくさんいたのに、どうしてわたしはいまだに独身なのだろう。



1994年夏、テレビ、胎内記憶、失われた双子、そして世界中の悲劇

『生誕』朝日新聞社刊

●テレビニュースは日々、戦争を伝え、汚職を暴き、虐げられる人々を映し出す。テレビの前に坐り続けるこどもたちは、世界で起きる全てのことを知っている。彼らは思う。こんなくだらない世界にわざわざ生まれて生きていく必要などあるだろうか?
●テレビ好きな20歳の青年は、自分が生まれる前からテレビ漬けだったことを覚えている。生まれる前には双子だったことも覚えている。その片割れは今そばにはいない。消えてしまったきょうだいを捜すうちに、彼は自らがまだ生まれていないことに気づいた。
(カバー装丁:鈴木成一)


鉱物、眠りと夢、幸福の理論、奇妙なルームメイト

表紙カバー『至高聖所(アバトーン)』 福武書店刊文庫表紙(福武文庫)

(表題作)「至高聖所」

かつて、ギリシャには「夢治療」というものがあったそうです。その治療室、つまり患者の眠る場所が「至高聖所」(アバトーン)。傷ついた心を癒すためにひたすら眠り続けるルームメイトと、鉱物的世界を夢見る主人公の大学生活。

(所収)「星の指定席」

中学の英語教師である主人公は、問題児と冬の夜空を眺めながら自分の昔と今を結びつけ、間近に控えている結婚という現実を心にしっくりと受け入れていく。
(単行本カバー装画:武田史子/装丁:菊地信義、文庫カバー装画:とどろきちづこ/装丁:菊地信義)



17歳、一人称は「僕」、女なんて嫌い、男なんかもっと嫌い

表紙カバー『僕はかぐや姫』 福武書店刊 文庫表紙(福武文庫)

(表題作)「僕はかぐや姫」

女の子なのに〈僕〉〈君〉と呼び合う女子高生たちがいます。彼女たちは、男性になりたいのでしょうか? 女性性を拒み、立ちすくんでいたあの頃の記憶を頼りに描きました。こましゃくれた文芸部員たちが主人公。「かぐや姫」は、決して男性のものにならなかった女性の象徴ですよね。

(所収)「人魚の保険」

結婚は絶対安全な保障でも契約でもない。だとしたら、一番大事な人と死ぬまで一緒にいるためにはどうしたらいいのだろう。老後の幸せに絶対の保険をかけようとする若い女性の格闘。
(単行本カバー写真:フレデリック・H・エバンス「オーブリー・ビアズリー」/装丁:金井久美子
文庫カバー画&装丁:上條淳士...ファンなんです。ありがとう!)



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