東京国際映画祭協賛企画「増村保造レトロスペクティブ」によるリバイバル上映での鑑賞。
三浦綾子原作小説の映画化。
北海道の企業王一家の華麗な外面に覆い隠された内面の崩壊を思春期の長男・一郎の目を通して描く。
裕福な家庭で何不自由なく育ってきた一郎であったが、思春期に差しかかり、大好きな「姉」(松尾)が実は父の妾であることを知ったのをきっかけに、自らの心と身体の乖離に悩み、教師や父親などの大人に嫌悪感と反発を覚え、ついには取り返しのつかない行動へと駆りたてられてゆく。
若尾は、一郎の父である企業王の許で秘書をしていた頃に彼に犯され、その結果生まれた子を女手ひとつで育て上げてきた女性を演じる。
デビュー作「セックスチェック第二の性」で増村監督に気に入られての出演となった緒形拳は、一郎の教師で若尾演じる女性に惚れる熱血漢を好演。
本作で最も輝いているのは一郎の父の妾を演じる松尾嘉代。持て余し気味の色香を四六時中発散させ、一家崩壊の導火線となる魔性の女を存在感たっぷりに演じる。ストレートな美しさだ。
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