★ koala's 五つ星 超オススメ映画選 ★
「ダニエル・スティール 標的1、2」 1996年 米
監督/アーマンド・マストロヤンニ 評価/★★★★★ カテゴリー/ 恋愛、家族、戦争
出演/ナスターシャ・キンスキー、マイケル・ヨーク、レスリー・キャロン、ジャン・マーシュ
受賞/
ドイツ人銀行家の長女アリアナの波乱の人生を描く大作。ナスターシャが彼女の18才から50才までを演じる。
ジゼル役のジャン・マーシュも魅力的。 
そのあまりの美しさに映画を冷静に観ることができないほど。 でも秀作。 指輪と絵が巡り結び付ける家族と友の絆。 
彼女の母親は、彼女がまだ幼い頃、若いユダヤ人画家と恋に落ち、ゲシュタポに彼が殺されたことを苦に自殺した。母の形見は、代々受け継がれた指輪と、ルノアールの静物画。アリアナは、ユダヤ人を妻とした友人を、ルノアールの絵とともにスイスに逃亡させる。 妻の命を奪ったナチに懐疑的な父親は長男ゲルハルトが兵役に取られることを嫌って彼をスイスに脱出させ、アリアナを迎えに戻る途中射殺される。アリアナは友人の逃亡幇助の疑いと、行方不明の父親・弟の消息を探るために逮捕されるが、彼女に心を寄せるドイツ大尉に救出され、やがて彼と結婚。しかしロシアのベルリン進攻の混乱の中、彼は戦死。彼女はパリへ逃れ、ユダヤ人と偽り米国へ亡命。そのころゲルハルトはチューリッヒで知り合ったフランス人画商の娘ジゼルと結婚、パリに移住。 アリアナは大尉の子を身ごもりつつ、米国での生活を助けてくれた男性ポールと結婚。しかし秘密が明るみになって、やがて離婚。 一人で息子ノエルを出産した病院で、亡命した友人と奇跡の再会。 彼はルノアールを画商に売却した資金で米国に亡命していた。 ともに欧州を訪問、父の埋葬を済ませた二人はやがて結婚。
25年後、ノエルは大学を卒業、両親にフィアンセを紹介するが、なんと彼女はポールの娘であった。アリアナは悩むが、ポールの理解に助けられ、二人の結婚を祝福。 その新婚旅行先のパリの画廊で目を引いたルノアールの絵。 フィアンセと握手する画商はその指輪に絶句。 クリスマスの飾り付けをするアリアナの許に帰り着いたノエルたちの土産は、ルノアールの絵と、弟ゲルハルトその人であった。 

タイトルインデックス へ
「タンデム」 1987年 仏
監督/パトリス・ルコント 評価/★★★★★ カテゴリー/ ロード
出演/ジャン・ロシュフォール、ジェラール・ジュニュー
受賞/
全国津津浦々を日々巡る、帯のクイズ番組を25年間担当してきた、人気の傾いた老ラジオ司会者と、彼の相棒で現場技術担当兼マネージャーの中年男の、人生の悲哀に満ちた道中。人気の割には十分な金は無く、ポンコツ車で安宿を泊まり歩く日々。司会者は毎夜時報をダイヤルしては、話しかけども答えない電話に向かって家族ゲームを続ける。男はそんな司会者に愛情を持って接する。
ある日突然番組の打ち切りが決定されるが、男はそれを司会者にひた隠しにし、遂に打ち切りの日が来ても、番組の公開録音をでっち上げる。しかし司会者は全て知っていた。放送局に帰り番組の存続を切願した彼らに、お情けで数ヶ月の、放送密度を減らせての番組存続が認められる。しかし、その初日、司会者は放送直前に失踪。数ヶ月後、会社を解雇され、家庭も失った男はスーパーの人寄せイベントの司会をして全国を巡る司会者に再会。そのまま二人は再び共に全国司会行脚の旅に出る。
哀愁に満ちた挿入歌が秀逸。(リッカルド・コチャンテ(伊)「僕の隠れ家」(Il Mio Rifugio))
淡々と描かれているが、映像からは猛烈な淋しさが伝わる。


タイトルインデックス へ
「小さな約束」 1972年 仏
監督/ジャン=クロード・ブリアリ 評価/★★★★★ カテゴリー/ 子供
出演/フレデリック坊や、ラウル・ジャンソン、ヴァレンティヌ・テシエ、クロード・ドーファン
受賞/
宣伝コピー:
あの幸せは、もうかえってこない… 過ぎ去りし日の想い出を胸に レオポル少年が奏でる 愛と哀しみのセレナーデ…
美しき田園に花ひらく さわやかな感動と 詩情あふれる愛の秀作!

夏休み。プロヴァンスの祖母宅に帰省したレオポル少年は、大好きなエグランティーヌおばあちゃんと、将来を誓い合った「恋人」従妹ポーリーヌ、そして父母や叔母一家と楽しいひとときを過ごす。最後の時が目前に迫りつつあることなど、彼に知る由もなかった。ただ彼は、陽光溢れる屋敷や庭園や森でのたおやかな時間が永遠に続くと信じ、また願っていた・・・

名作「フランスの思い出」「プロヴァンス物語」の原点とも言える秀作。おばあちゃんとの小さな約束を、早朝の墓地でひとり果たすレオポルの姿には、あふれる涙を拭いきれない。レオポルとポーリーヌの、ちゃんと男と女としての関係が成立した交流がまたいい。まもなく持ちあがるであろう彼ら両家の争いが二人をどう変えていってしまうのか。「屋敷はいつか買い戻そう」という約束は果たせるのだろうか。「子供の時」の終わりを自覚して懐かしむようなレオポル奏でるチェロの旋律があまりに切ない。
フランスという国は、プティなもの=子供たちへの慈しみと尊重心がことのほか厚い国民性なのだろう。こういう題材を映像化させたらまさに絶品。英国の名作「小さな恋のメロディ」もその現実的さ故にこの映画の前では霞んでしまう。



タイトルインデックス へ
「忠臣蔵外伝 四谷怪談」  日
監督/ 評価/★★★★★ カテゴリー/ 恋愛、歴史
出演/佐藤浩市、高岡早記
受賞/
鶴屋南北が四谷怪談を忠臣蔵の裏話として同時に小屋に掛けていたことにヒントを得た、両者を一体化した脚本。高岡早記の余りにも美しい「お岩」、怪談を伊衛門との「道行き」で終わる純愛物語に仕立てた大胆な脚本が光る。佐藤浩市・火野正平の琵琶法師の「色気」もすばらしい。

タイトルインデックス へ

「追跡者」 1998年 米
監督/スチュアート・ベアード 評価/★★★★★ カテゴリー/ アクション
出演/トミー・リー・ジョーンズ、ウェズリー・スナイプス、ロバート・ダウニー・Jr.
受賞/
「逃亡者」のジェラード保安官が、今度は主役として護送途中で逃亡した殺人犯を追う。
しかし逃亡者は元海兵隊特殊部隊員でCIA特殊工作員だった。 彼が犯した殺人は、仲間の裏切りにより発生した危険から身を守るためのものだった。 
追跡チームには、工作中に逃亡犯に仲間を殺されたという一人の外交保安局調査官が合流。
しかし、彼こそが裏切りの張本人であり、彼は逃亡犯を自らの手で抹殺するためのみに行動を共にする。
ガンアクション、破壊、人情、愛情、スパイ、スタントアクション。 映画を面白くする要素が全て詰め込まれた超一級のエンターテインメント・ムービー。 しかもCGでごまかしていない本物シーンの迫力。 的確な状況判断に基づくチームの指揮を見せ付けるジェラードのかっこよさ。
ジェラードの人柄を表わすシーン(逃亡犯の恋人への思いやり、現場で最も不遜な態度を取った男を助手に任命するシーン、ラスト近く、調査官の正体を見破り彼を罠にかけるシーン)、調査官が逃亡犯と同じ「手錠ヌケ」の業を見せ、両者が同じ訓練を受けた者であることをにおわすシーンなど、憎いばかりの繊細な演出。 しかもわざとらしくない。
注目は、逃亡犯を撃とうとして調査官に逆に射殺されるニューマン保安官を演じたトム・ウッド。色気があり魅力的だ。脇役ながら非常に目立っている。 今後の活躍が楽しみ。


タイトルインデックス へ
「追想」  
監督/ 評価/★★★★★ カテゴリー/ 歴史、恋愛
出演/イングリッド・バーグマン、ユル・ブリンナー
受賞/
原題「アナスタシア」
革命で暗殺されたロシア皇帝一族の末娘アナスタシア。彼女は事故で半ば記憶を失いながらも生きていた。亡命中の帝政ロシア将軍ボーニンは、彼女の遺産を目当てにする人々をうまく操り、パリでさまよう彼女を保護、帝政ロシアゆかりの人々に接見させて彼らに彼女が本物の皇女であることの証明をさせようとする。そしてコペンハーゲンに亡命中の皇太后とアナスタシアとの接見がついに叶い、二人は血のつながりを確信する。同時に彼女はかつての恋人ポールとも再会、婚約する。しかし皇女復権と婚約の発表当日、アナスタシアの婚約へのためらいと、ボーニンの彼女への秘めたる思いを知った皇太后は婚約発表を見ずに去ろうとするボーニンと彼女を駆け落ちさせる。
皇太后との血縁を確信する抱擁シーン、ラストでのボーニンの皇太后への告白。涙なくしては見られない。


タイトルインデックス へ
「椿姫」 1936年 米
監督/ジョージ・キューカー 評価/★★★★★ カテゴリー/ 悲恋
出演/グレタ・ガルボ、ロバート・テイラー
受賞/
まさに映画の中の映画。
珠玉のしゃれたセリフの数々。 止めどなく交わされる愛のことば。 痛いほど伝わる愛の深さと苦しみ。 ガルボとテイラーの美しさ。 悲恋の中の悲恋。 心に嘘をつくほか無い彼女の姿に涙が止まらない。

ジャン・ルノアール監督の「女優ナナ」に酷似するストーリー。
1847年、パリ。 貴族階級の男性たちは劇場や舞踏会、賭博場で女たちと出会い、ロマンスを楽しんだ。 物語の主役・マルグリット・ゴーティエもそんな女の中にいた高級娼婦。 胸を病み、余命幾ばくもない体と知って、彼女は刹那の愛の快楽と浪費に明け暮れる日々を送っていた。 ある日、彼女の友人が金持ちのヴァルヴィル男爵と彼女を引き合わせようと画策するが、行き違いで彼女は弁護士の卵アルマン・デュヴァルと知り合い、互いに恋を確信する。 しかし彼は平民。 とても彼女の贅沢な生活の支えになり得ない。 結局彼女はヴァルヴィルの愛と金を受け入れる。 ところが半年後、悪化した病状のため床についていた間毎日花を届けてきてくれたのがアルマンであったことを知り、マルグリットは戸惑う。 愛に生きながら真の愛を受けることも与えることも知らず、恐れ、避けようとする彼女の悲しさ。 アルマンはどこまでも純情で誠実。 彼女を真に愛し気遣うのは彼のみと知りつつ、彼の人生を思い、自分を愛に値しない女と思い、それ故に彼の愛がいつか枯れることを確信し、恐れ、彼の愛を拒み続け、ヴァルヴィルとの虚飾の生活に逃避するマルグリット。 しかしついに彼女はアルマンと共に郊外で転地療養をかねて夏を過ごす決心をする。 彼女に全てを捧げようとするアルマン。 自らも虚飾の生活を全て捨て彼と余生を送る決心をしたマルグリット。 しかし、息子を心配し彼女を理解しないアルマンの父の出現で、夢の日々は空しくも崩壊。 彼女は心にもなくアルマンを傷つける言葉と、ヴァルヴィルとの復縁という裏切りを演じて彼の許を去る。 このわだかまりはヴァルヴィルとアルマンの決闘を招き、ヴァルヴィルを傷つけたアルマンがしばらくの隠遁生活からパリに戻ると、マルグリットは死を待つ床にあった。
息あがりふらつく体を押して身を整えアルマンの訪問を受ける彼女の純情がいじらしくも悲しい。 そして愛するひとの腕の中で彼女は静かに息絶える。 



タイトルインデックス へ
「ティファニーで朝食を」 1961年 米
監督/ 評価/★★★★★ カテゴリー/ 恋愛
出演/オードリー・ヘプバーン、ジョージ・ペパード
受賞/
貧しい家庭に育ち、14才でダラスお牧場主と結婚したゴライトリーは、都会の生活に憧れ家出してニューヨークでひとり暮らし。彼女は金持ちの男と交友してお金をせしめるその日暮らし。彼女の唯一の安らぎはティファニーのウインドウショッピング。獄中の見知らぬマフィアの首領の許へも金をもらって毎週面会に。ある日彼女のアパートに、ヒモ暮らしに落ちぶれてしまった作家の男ポールが引っ越してくる。彼はゴライトリーの危なっかしい生活と数々の奇行を心配するうち、次第に心惹かれて行く。彼女は次々と富豪と交際し、結婚を画策するが、全て失敗。おまけに首領に頼まれて弁護士に言付けていた伝言が麻薬取引の暗号であったことが判明、彼女は逮捕されてしまう。婚約者が去って行く中、ポールは友人に依頼して彼女を保釈させる。そして遂に二人は・・・。アパートの住人の日本人が滑稽に描かれている。ゴライトリーの心理描写が細やか。行動は決して奇行などではなく、心を飾らない女性として魅力十分。オードリーのはまり役。彼女の飼い猫がドラマのキー。



タイトルインデックス へ
「天と地」  米
監督/オリバー・ストーン 評価/★★★★★ カテゴリー/ 戦争
出演/トミー・リー・ジョーンズ
受賞/
「プラトーン」「7月4日に生まれて」に続くベトナム3部作の最終編。
フランス領時代から米ソ覇権戦争、南北統一へと激動するベトナムの現実を、南ベトナムの一農民家族、特にその美しい娘レイ・リーにスポットを当てて描く。 音楽は喜多郎
レイの村は米軍管理下にあったが、北からの敗走兵(ベトコン)が入り込み、昼は米軍による虐待を、夜はベトコンによる粛正を受けるという悲惨な状態にあった。レイもベトコンへの協力を疑われて米軍に連行され、自白のために拷問を受ける。母親が結婚資金を賄賂に彼女を救出すると、こんどはベトコンに米軍協力者としての嫌疑をかけられ、レイプされる。
村に居場所を無くした彼女はサイゴンで侍女として屋敷に奉公する。が、その主人に見初められ密会の末妊娠、夫人に追放される。そんな中で一人の米兵と知り合い、彼の愛を受け入れた彼女は彼と米軍キャンプで家庭を持ち、終戦後渡米。だが彼のベトナムでの心の傷は深く、互いの理解の欠如により不和が生じ、夫は自殺。
その後彼女は事業で成功し、ベトナムを訪問するが、年老いた母と兄を取り巻く現実はなお厳しく、自分はもはや外国人であることを知る・・・



タイトルインデックス へ
「TVドラマ「同窓会へようこそ」」  日
監督/ 評価/★★★★★ カテゴリー/ 青春
出演/豊川悦司、加藤あい、金子賢、風吹ジュン、茂森あゆみ
受賞/
大学進学と両親の離婚が重なり故郷を離れて20年。旧盆を前に、旬一の許に突然同窓会名簿が届いた。甦る青春の、そしてなによりも、高校の三年間を共に過ごした恋人祥子の記憶。旬一は何かに導かれるように友人に連絡を取り、同窓会への出席を決意する。懐かしい町並み。父の後妻親子との対面と和解。その中で旬一は、祥子の一人娘という夏生という、祥子に瓜二つの少女と出会う。病弱の母の代りに「祥子」を演じるという彼女と追憶を辿る旬一は、20年前のある「事故」と同じ時刻、同じ場所に行き合わせ、そこで巻き込まれた事故をきっかけに衝撃の事実を知らされ、愕然とする。
40歳目前。人生の佳境に差し掛かる頃、ふと立ち止まり、来し方を振り返る。それは決して単なる懐かしみでも、後ろ向きな感情でもなく、これからのもう半分の人生を自信を持って歩むために、踏みしめてきた自らの人生と向き合い、それを肯定し受け入れる通過儀礼だ。こうしたメッセージを持つストーリーを、現実と追憶を峻別する「眼鏡」や「バイク」という小道具を巧みに用い、豊川の内省的な演技と、新進気鋭・加藤の鮮やかな存在感と幻影の希薄感を自在に行き来する新人離れした演技によって、見事に映像化した。
グラビアやプライベートショットでは平凡な加藤あいは、CFでは鮮烈な印象を与えている。その特性が今回ドラマでの存在感で立証された。天性の女優なのかもしれない。今度はぜひ銀幕で観てみたい。
脇役もしっかり。「コキーユ」に引き続く同窓会モノとなった風吹も今回は脇に徹し押さえた演技で主人公の人生についての観客の心象形成をサポート。金子も完璧な役作りだ。

タイトルインデックス へ

 ←前へ   次へ→ 

トップページ 映画トップページ